みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

現代音楽

ユリイカ1994年1月号のジョン・ケージ特集

先日購入したICレコーダーで録音した音(サボテンの棘を楊枝で弾いたり、葉を摺り合わせたりしてみたもの)のファイルをPCに移して、SoundEngineというフリーソフトで重ねてみようと思ったら、このソフトは2トラックしか作成できないようだったので、別…

やっとICレコーダーR-09を購入。

えーと。・・・本ブログの企画としてはながらく停滞しております、ジョン・ケージの『樹の子供Child of Tree/枝Branches』を極私的にやってみる(この「やってみる」というのも実に頼りなく、パフォーマンス重点でもないし、ちゃんとした録音物が作れるかどうか…

素晴らしいアフォリスムの豊かなばらまき、それと即興からの距離:ギャビン・ブライヤーズ初期実験音楽集:Gavin Bryars『The Marvellous Aphorism of Gavin Bryars The Early Years』

現代音楽ですとか実験音楽というのは、基本的に前世紀にその役目を終えた、みたいな位置づけが優勢というか常識であって、ノスタルジー以外の目的で、「なぜあんたはそういう類の音楽を聴くのか」と時々訊ねられることがありますが、そういうときは、詩人の…

稚気に満ちた時間の触覚:カール・ストーン『Al−Noor』

昨年は、新世界BRIDGE直前のフェスティバル・ビヨンド・イノセンスで観たカール・ストーンCarl Stoneのパフォーマンスが一番心に残った。 右の写真の、カールさんの風貌からしては、拍子なくらい毒々しい髑髏(か何か)を表面に描いたラップトップがまず…

みずの星に出会う:小野寺唯『SUISEI』

年始になんとなく梅田に出て茶屋町のタワレコにいったら『NEWMUSIC』コーナーが出来ていた。 クラシック売り場の片隅に棚3つくらいの小さなスペースだったけれども、ちゃんと棚の管理がされていて、100枚以上のCDが試聴できる形になっていた。 近…

新年のアントン・ヴェーベルン。

午前おそく11時くらい。太陽が暖かく照り始めたので、瀧道を小走りでいって汗をかく。 昨年秋頃に埃がついたまま拭いてしまったらしく、眼鏡のレンズに細かい傷が霞のようになってとれず、結局駄目にしてしまったので、「眼鏡市場」に購いにいく。 どれで…

大切なものを囲む複数の「声」または、こどもへの領分:藤井貞和朗読作品『パンダ来るな』、『泥の海』(高橋悠治:音楽)、『言葉と戦争』『ピューリファイ!』、『ピューリファイ、ピューリファイ!』など

このエントリーは長くなります。 ほぼ一年の読書(と音源聴取)生活の継続した一部をここで全部とは言わないまでもある程度片付けてしまおう、ということです。またもや極私的な告白からはじめると、まず、現代詩というものが朗読されるものであることを永ら…

小さなユニゾンの諸形態:ルイス・アンドリーセンの『メロディー、開放弦のための交響曲』

ヤフオクで落としたCDを聴く。 今回はオランダを代表する現代音楽家、Louis Andriessenの『Melodie、Symfonie voor losse snaren』。自分としてはアンドリーセンの名前は知ってはいましたが、ただオランダのミニマル音楽の…

シュトックハウゼン

ずいぶん遅くれたエントリーですが、カールハインツ・シュトックハウゼン氏が鬼籍に。 最近聴いた『Stimmung』が良くって、これからいろいろ聴いていこうかと思っていたところだった。Stimmung (Hybr)アーティスト: Karlheinz Stockhausen,Paul Hillier,Thea…

連休×紅葉、シュトックハウゼン『Stimmung』、Harry & Jeanie West『Smoky Mountain Ballads』

箕面の瀧道はとにかく紅葉見物の人達で、一杯で、いつものペースで歩くのはまず不可能でした。 日曜には落ち着くかと思えばまったくそんなことはなかった。 土曜はこのままでは欲求が不満すると思い、百年橋から、いつもはいかない勝尾寺まで片側歩行者天国…

極私的『Branches』覚え書き2:『Child of Tree』タイトルの出典

『Branches』の元になった8分のインストラクション『Child of Tree』のタイトルがジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』から採られた言葉ときいて、調べようと思って日曜に図書館にいくが、見事にジョイスの本が無い!(文庫で『若き芸術家の〜』があるのみ…

極私的『Branches』覚え書き1

おそらくひどくのろのろと進むであろうこの企画を「極私的『Branches』」と命名してみました(鈴木志郎康さんすいません)。「美大惑星」に引き続き、個人的な愚行権の行使とお考えください。とりあえず『Branches』についての情報をまとめてみることに。▼参…

楽譜が届く。

生まれて初めて「楽譜」というものを通販で購入しました。 ジョン・ケージの『Branches(枝)』。 楽譜といってもおたまじゃくしが延々と並んでいるものではなくて(わたしは読めません)、ケージが演奏用に指示したA4の指示書が一枚挟まれていると…

Solo For Voice 58:18 Microtonal Ragas/Amelia Cuni

タワーレコードで発見。 90あるケージの『ソングブック』からの抜粋の様子。これもOtherMinds Recordsからのリリース。 詳細情報はこちらから。 インド伝統音楽風のものを抽出していのか、詳しいところはまだライナー読み込めていません…

音の夢をなぜみないか。或いは、ジョン・ケージだから関係ない:大谷能生『貧しい音楽』を読みながら

の夢ってみますか? というか、夢でを聴きますか? 僕はそういう経験がありません。 もちろん「夢の中で音楽を聴いている」シチュエーションはあったようにも思いますが、音が聴こえてきたことはありません。 いわば、認識だけが鳴っている。自分では「夢で…

河童たちの棲む洞窟:火野葦平『河童曼陀羅(抄)』とThe Deep Listening Band 『Troglodyte's Delight』

ポーリン・オリヴェロスは、何故か気になってCDを買ってしまう。 「ディープ・リスニング」というコンセプト(というより態度)は、単なるサウンド・メディテーションのようでいて、それでもつかみきれないところがある。「瞑想音楽」ならもっと心地よい音…

東浩紀+桜坂洋『キャラクターズ』を読み始める、ロバート・アシュレー『インプルーブメント』

新潮 2007年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/09/07メディア: 雑誌 クリック: 15回この商品を含むブログ (35件) を見るなにやら話題の共作を読んでみようかと。 今、5章。 現実の東浩紀と描かれる東浩紀と、それに応える東浩紀が登場して…

ジョン・ケージをドライヴさせる:『アート・オブ・トイピアノ マーガレット・レン・タンの世界』

アート・オブ・トイピアノ マーガレット・レン・タンの世界 [DVD]出版社/メーカー: アップリンク発売日: 2007/06/29メディア: DVD クリック: 12回この商品を含むブログ (9件) を見る上記DVDをやっとちゃんと観れました。 邦題タイトルからアルバム『アー…

ルー・ハリソンの『IN RETROSPEST』

9時に起きてしまったので、瀧道を登るともう日差しが強い。帽子を買わねば、と思っていたのを忘れていた。 大瀧の前の売店が軒を連ねはじめるあたりから、上のドライブウェーへ、大日の駐車場の方へ4回ほど折り返しながら登っていく坂道の脇には、高い木立…

グラスの音色とピアノ移植:Annea Lockwood『Early Works 1967-82』

EARLY WORKS 1968-1982アーティスト: アニア・ロックウッド出版社/メーカー: EM RECORDS発売日: 2007/05/25メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る去年書いたエントリーで、ハドソン河の音を録った作品について感想をごそごそ書いたニ…

桜とハリー・パーチ:『親切なクムジャさん』、Harry Partch『The Harry Partch Collection Volume2』

朝、瀧道歩きから帰ってシャワーを浴び、買い物と投票に行こうとすると、桜並木が満開のきわみ。来週末にはもう散っているだろうから今日しか写真ととっておくタイミングがない、のでパシャパシャ。桜に見とれて道の真ん中にでてくる人が多すぎて、車が進め…

オマージュするミステリ:山田正紀『僧正の積木唄』と横溝正史『本陣殺人事件』

僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)作者: 山田正紀出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見るブック○フで安かったので買いおき、気が向いたら読もうと思っていて気が向いたので。山田正紀のミステ…

NHKでcobaを見て、Pauline Oliveros『The Roots of the Moment』を聴いてみる。

NHKの『クイズ 日本の顔』に世界的に活躍するアコーディオン奏者coba氏が出演していました。 アコーディオンを分解して内部を見せてくれて、「リード楽器」であることの証明に、普通では滅多にみれない「リード部」を見せて、湿気は大敵なので嫌ですがと…

自転車でガムラン!:リチャード・ラーマン『トラヴェロン・ガムラン』

emレコーズさんがまたすごいのを。MUSIC OF RICHARD LERMAN 1964-1987アーティスト: Richard Lerman出版社/メーカー: EM RECORDS発売日: 2007/02/07メディア: CD クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る自転車のスポーク。 というと、わたしなどは…

枯葉とジョン・ケージ:DVD『ジョン・ケージ』

10月頃に真っ赤な落ち葉だったのが、 今日みると、当たり前だがまったくもって枯れている。枯葉色、という色はない。色が退却している様なんである。枯れ果てて、「葉」という属性が、どんどん抜けていこうとしているのである。葉の「気配」だけが集積して…

もっとよく聴いてみよう。:ヘンリーカウエル自身の演奏による『PIANO MUSIC』

もうすぐ2006年もおわりということで。年の瀬につきなにやらワサワサとして一年の総決算をせねばならないような雰囲気です。が、このブログはあんまり関係ありません。Piano Musicアーティスト: Henry Cowell出版社/メーカー: Smithsonian Folkways発売…

水音を追って、河を。:Annea Lockwood 『A Sound Map of the Hudson River』

さすがに寒くて7時前に起きれない。寒さは睡眠を要請するようで、10時くらいまで寝ていた。箕面の瀧まで歩き。最初こそ寒いが、枯葉がもはや姿をとどめないくらい粉のようになった遊歩道を通って瀧の上まで出ると、さすがに汗ばんできた。 帰る途中、用水…

ドンとジョンの人間音楽:『HUMAN MUSIC』Don Cherry,Jon Appleton、『マンガと人類学』での諸星大二郎

どんとじょん。なんか笑ってしまいますが。 しかも『人間音楽』と大上段です。 ここでのドンは、言うまでもなくオーネット・コールマン・カルテットでオーネットの双子のようなコルネットで軋むようにスウィングするジャズ(後のフリージャズと。)、その後…

「世界の調律」を自作する:Gayle Young 『According』

京都のレコード屋さん「メディテーションズ」さんから通販で購入。ドローン系音楽のCD-Rです。 このGayle Youngという人は、「Musicworks」という先鋭的な音楽誌の編集者で、70年代後半から、パフォーマーとしても、創作楽器のデザイナーとしても活躍して…

細川俊夫作品集 『うつろひ−音宇宙Ⅰ』、松浦正剛『日本という方法』

1.うつろひ(笙とハープのための 1986) 2〜4.恋歌(RENKA)(ソプラノとギターのための 1986) 5.線(フルート・ソロのための 1984) 武満徹に比するほど、日本的な情感を現代的な手法の中で成就させている、海外でも有名な作曲家・・・らしいで…