みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

現代音楽

アマゾンで電子小鳥はさえずる:デビッド・チュードアとゴードン・ムンマ『レインフォレスト』

日本ハムが優勝した・・・。新庄っていう人は何か不幸が彼を避けて通っているような印象がある。 1968年7月リオ・デ・ジャネイロでのモダンダンス×電子音楽×現代美術の歴史的パフォーマンスがついにCD化!で、アマゾンで早速購入・・・したが、ずいぶ…

秋にはこれか。武満徹『秋庭歌一具』

この季節、最高かも。個人的にはじめて武満徹、すごすぎ!と思いました。篳篥や笙の縦に厳しく屹立するはずの音が、次の瞬間、なだらかなカーブを描いてロマンティックな(といってもいいような)メロディーに変幻していくのが気持ちいいのです。

環太平洋の心象風景;ケージ、カウエル、ハリソン、ホヴァーネス、佐藤聰明『SET OF FIVE』

北朝鮮がほんとに核実験してしまった・・・ああいやな世の中だ。静かな音楽が聴きたい。 というわけで、これもヤフオクで入手。1000円。以前持っていたのに何故か手放してましたので買い直した格好。作曲家の顔ぶれを見ればまさに「環太平洋音楽」という…

ブリコラージュは『器用仕事』。では『不器用仕事』は?

たしかレヴィ=ストロースが定義したんでしたでしょうか。ブリコラージュ。 ありあわせのもの諸要素を繋ぎ合わせて物語(?)を語ってしまう、とかそんな意味だったかと。 コラージュ好きとしては名前にコラージュがついててしかもブリだから、なんかすごい…

藤枝守『Patterns of Plants』

ブックオフで発見。近所の店にはときどき意外な掘り出しものが。 植物の葉から電気的に取り出したパターンを基に作曲された数種の琴や笙、ハープシコードなどのために現在も継続して作曲され続けている曲集です。 しかし、そんなことは気にならないほど普通…

James Tenney氏がお亡くなりになりました。

http://www.artsjournal.com/postclassic/2006/08/james_tenney_19342006.htmlまた現代音楽の重要な人が一人減ってしまいました。Postal Piecesアーティスト: James Tenney出版社/メーカー: New World Records発売日: 2004/03/30メディア: CD クリック: 2回…

『現代音楽とコンテンポラリーダンスの出会いアルディッティSQ+ケージ+白井剛「APARTMENT HOUSE 1776」』

待望の生ケージ+アルディッティ。舞踏に関しては全く予備知識ありませんでしたので、その効果については内心恐々でした。 ケージの「アパ−トメントハウス1776」は、建国200周年記念として1976年に作曲され、アメリカ建国当時の教会音楽や行進曲のハーモ…

伶楽舎/武満徹 『秋庭歌一具』

大友良英氏のブログでこの曲の演奏会の模様が紹介されているのを読んで即買ってきました。白状すると武満徹の音楽でこんなに惹き付けられたのは自分にとっては初めての経験です。 よっぽど特殊な環境で育った人でない限り一般の日本人にとって「雅楽」が生活…

リュック・フェラーリ・フェスティバル 世界のざわめき 音の記憶 2

写真は演奏準備をするDowserのお二人です。3日目です。本日のメインはなんといってもDowserのミニライブ。 二回目上映はダブルものがあったので、今日は一回目上映とミニライブのみ観て退散しました。■「大いなるリハーサル パリのセシル・テイラー」…

リュック・フェラーリ・フェスティバル 世界のざわめき 音の記憶 1

今日は船場アートカフェでの上記に2日目に行ってきました。6月のシネ・ヌーヴォーでのフェラーリの上映会からチラシで知ってからというもの、ずっと期待して待っていたイベントです。本町のampmの地下にあるところで僕は初めていきました。 整理券は上映一時…

ナイマンのシュヴィッタース・オペラ『Man and Boy:DADA』

ブックレットを見ていると、舞台美術、背景に映写されるイメージ共に相当良さそうなのでこれは少なくともDVDで見なければ作品をちゃんと体験したことにはならない。そういう意味での4点です。音楽自体は当然のナイマン節で、期待は裏切らない。これはマ…

トイ・ピアノの芸術

ちょっと前に買ってたんですが、一気に聴くのがもったいなくて延び延びになっていました。 おもちゃピアノで*1、ビートルズからサティ、グラス、ベートーヴェン、ガイ・クルセヴェクまでを弾き倒してます*2が、現代音楽を弾かせたら誰も文句がいえないレン・…

マーガレット・レン・タンのケージ

マーガレット・レン・タンの弾くピアノは、ある意味、表現主義的でつかみやすいんですよね〜。 他のピアニストだと、禅僧のように枯れた風情でいかにも「現音」な印象のケージの曲も、レン・タンが弾くと、音にメリハリが出てきて、とっつきやすい。 少なく…

ニューヨーク・ジャンクというジャンルがあった頃

フィリップ・グラスやメレディス・モンク、スティーブ・ライヒだけでなく、ゴードン・ムンマやポーリン・オリヴィロスの1979年当時のライブも収めた第一弾の次はライヒの77年のライブだったが、今度のフロム・ザ・キッチン・アーカイブは、当然1981-1986年、…

ジェルジ・リゲティ:自動演奏楽器のための音楽

ジャケ写真は同シリーズのものです 2006年6月12日、ジェルジ・リゲティが83歳で亡くなった。 これは1940年代から90年代までのリゲティの音楽を、バレル・オルガン、メトロノーム、プレイヤー・ピアノのために編曲しなおしている作品集です。 いうまでもなく、…

マイケル・ナイマン『The Kiss & Other Movements』

プログラム後半の曲にどうも聴き覚えがあるなあ、と思ったら、持ってるCDの最後に収録されていた『Watar Dance』でした。これは好き。結構、スピード感のある曲ですが、グリーナウェイの短編映画のための作品とのこと。どんな映像だったんだろうか? このCDの一曲…

マイケル・ナイマン・バンド

大阪城公園のシアターBRAVA!にマイケル・ナイマン・バンドの来日公演を観てきました。 もちろん初めて生で観ますが、「英国式庭園殺人事件」のテーマなど、おぼえがるものも多かった。でも実は、ナイマンが音楽を手がけているP.グリーナウェイの映画も全部観…

マーガレット・レン・タンのケージ

マーガレット・レン・タンのピアノは激しく(つかみやすく)、しなやか(美的)だ。 他の奏者だと、いかにも「現音」な印象のケージの曲も、レン・タンが弾くとメリハリがわかりやすい。

トイ・ピアノの芸術

ちょっと前に買ってたんですが、一気に聴くのがもったいなくて延び延びになっていました。 おもちゃピアノで*1、ビートルズからサティ、グラス、ベートーヴェン、ガイ・クルセヴェクまでを弾き倒してます*2が、現代音楽を弾かせたら誰も文句がいえないレン・…

Luc Ferrari『CELLULE 75』

Tzadikからリリースされたフェラーリの重要作。 「身体の歌」を買い逃してしまいフェラーリはこれしか聴いたことがなかった。 本によると、当時、現代音楽では間違いとみなされていたパルスを、ロック、ミニマル・ミュージックを経由して再発見した作品。

Luc Ferrari 『Presque Rien(ほとんど何もない)』

先日映画も観にいったリュック・フェラーリの本「ほとんど何もない」のタイトルにもなっていた作品をまとめたCDを購入。 ①〜② Music Promnade 『音楽散歩』(20'29) 一番ミュージックコンクレートらしい、雑踏などの音をコラージュしたもの。 ③〜④〜⑤ Presque…

三人の作曲家によるインプロヴィゼーション。アコースティックな相当渋い即興演奏です。フェラーリのピアノは点描的で知的。 講演に付け加えるならば、ケージが終生、否定していた「即興」に対して、フェラーリの場合、今回の2本のドキュメンタリーを観た限…

対立・不和に満ちたミュージック・コンクレートの歴史を知るための必携の本かと。あとフェラーリ自身のテキストに関しても「自伝」形式を裏切りつつも誠実さも示したフランス的な諧謔がいいです。 フェラーリ自身の現代音楽に対するコメントの数々が、どれも…

リュック・フェラーリ関連

横浜で大盛況だったという『Edge ―スタジオ・マラパルテによる映画史』のプログラムの一部で、先年亡くなったフランスの現代音楽作曲家リュック・フェラーリ関連の映画2本と、『リュック・フェラーリと ほとんど何もない』の訳者である椎名亮輔氏*1の講演を、先…

クルト・シュヴィッタース『What a beauty; Die Ursonate; und andrere lautgedichte』

やはりWERGOより、ダメ押しのように2004年にリリースされたシュヴィッタースの作品集がこれだ。 パフォーマンスは、60年代生まれの3人のヴォーカル・アンサンブル「Die Schwindlinge」。ライナーによると、ヴォイス・トレーニングや演劇、実験音楽のプロジェ…

クルト・シュヴィッタース『Ursonate(原音ソナタ)』

シュヴィッタースの「原音ソナタ」は、意味を持つ以前の無意味語の連発のみで音楽的な構成をしてしまうという意味で、音声詩の中でも、音響と形式という矛盾する領域を股にかけようとした独特な位置にあるものだと思われる。このWERGO盤は、その「原音ソナタ…

クルト・シュヴィッタース、ハンス・アルプ、ラウル・ハウズマン『Dada Antidada Merz』

今年はポンピドゥーでもMOMAでも大規模なダダの回顧展があって、「水声通信 (No.7(2006年5月号)) 特集 ダダ 1916-1924」の塚原史(ちくま文庫の「ダダ・シュルリアリズムの時代」を書かれた方)の記事によれば、ハッピー・ダダ・イヤーらしい。この記事は、…

ルチアーノ・ベリオ『Canticum Novissimi Testamenti A-Ronne』

現代音楽声もの。詩を素材としたもの2作品。トゥオンブリの絵に似たジャケが好き。1曲目『Canticum Novissimi Testamenti』は、先日のペンテレツキにも似て、ある程度音楽的。2曲目『A-Ronne』は、伴奏もなく、詩の一行を単語ごとに別々の歌い手が歌いあった…

ペンデレツキ『無伴奏合唱宗教曲全集』

素材集から引っ張ってきたような写真があんまりだ。荘厳な内容を全く反映していないっす。ペンデレツキは実はこれが初めて。確かドン・チェリーと共演した盤があったかと・・・(邪道)。60年代以降の前衛音楽と伝統的多声音楽の融合をはかった作品ということで…

Christian Wolff 『Tilbury (Complete); Snowdrop』

現代音楽のCDは、ヴィジュアル・イメージで損をしているパターンが多すぎる。素晴らしい内容に比してこのジャケットは・・・と絶句してしまうこともよくある。そんな中で、Modeのデザインは、いつもやりすぎず、下手な色気も出さず、核心を押さえたデザインで好…