2006-05-14 ■ 和書 現代音楽 対立・不和に満ちたミュージック・コンクレートの歴史を知るための必携の本かと。あとフェラーリ自身のテキストに関しても「自伝」形式を裏切りつつも誠実さも示したフランス的な諧謔がいいです。 フェラーリ自身の現代音楽に対するコメントの数々が、どれも教条主義・権威主義から距離を置きつつ率直で含蓄があり読む価値あります。 抽象的アイデアと現実との間に絶えざる均衡が必要なのです。 抽象的なものと具体的なものとの間の、幻覚(ファンタズム)とその現実との関係の間の均衡を維持することに、私はいつも注意を払っているのです。 --------------同書p.232からの引用