みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

はへんをつなげて、ちいさなみみを / Best in the Rest 2011年のまとめ 音楽編②

今年は、というか、昨年のカセットテープで聴くことからの延長線上にあることなのだけれども、フィールドレコーディングやドローン系と呼ばれるような人たちの作品をよく買ったし聴いた(そしてもちろん楽しみました)。このフィールドレコーディングやドロ…

Best in the Rest 2011年のまとめ 音楽編①

はい。音楽(音源・ライブ)編の「その①」です。 今年は、自分ではじめてライブの企画をさせていただいたり、そこに来ていただいた方々や、ライブ通いで出会って企画を助けて頂いた方々の音楽への向き合い方にとても影響を受けたと思います。 音楽は録音を聴…

Best in the Rest 2011年のまとめ 本・映画など編 

今年の読書に関して総論してみると、音楽関係の本については一本筋の通った読み進み(読み漁り)ができたように思います。 ヒップホップ関連の入門本がどれもクオリティが高く、『HOMEMADE MUSIC』の個人を起点とする立場から、『ヒップホップ・ジェネレーシ…

みみはコンバスの五つ目の方位にむかう

コンバスの五つ目の方位、つまり「中心」はいまだ誰の口にものぼったことがない、というような意味のことを、ル=グウィンが不思議な短編集の序文で書いているのを最近古本で手に入れた文庫本で読んだ。 この短編集のどこが不思議かというと、最初の短編は、…

もみじ待ち2〜リック・ポッツ@複眼ギャラリー、そして、トミ・レブレロTOMI LEBRERO@afu(会ふ)

12日(土) 今週は大変疲れる週。いきなりこんなで申し訳ないのですが…。 しかしそれは先週からわかっていたことで、つまり先週末はその執行猶予のような気持ちで過ごしていた。 紅葉でもみれれば気も晴れるかと思ったけれども、箕面で紅葉が拝めるのは2…

文化の日の過ごし方

休日(文化の日)の木曜。 I佐さん宅にお呼ばれで、この日は夕方から、参加者それぞれが「思い入れのある音盤について語る会」(ちょっと主旨違うかも・・・)。 適当に選らぶ/選べるつもりで昼過ぎから積んであるCDを掘り返し・積んでは崩ししはじめる。…

PHILIP SAMARTZIS × HACO /w オオルタイチ × 半野田拓@中崎町コモンカフェ

26日(水) 勤務先の部のセンターの歓送迎会。1年少しでC長がまた替わる。新C長が阪急神戸線にお住まいとのことで、この会社に勤務して初めて梅田で飲むことになったので私生活に会社が侵入してきたような妙な気分(いつもは難波)。 32番街の27階…

10月のコントラバス:早川岳晴×船戸博史のデュオ、William Parkerのソロ、Mike WattとKiraのDos

10月も半ばを過ぎて、管理者がひとり欠けた状態で新人さんを抱えつつの片肺飛行にも慣れたのかなんだかよくわからない。なんとか一日の業務が終わっている感じです。このあいだに新人さんがぽつりぽつりと二三人辞めてしまったのがなんともつらい。マニュ…

『モールス(Let Me In)』、友川カズキSOLO@ワイルドバンチ

15日(土)知り合いの家の改装手伝い。朝からだったのに寝過ごし、昼から参加。 昨年、京阪の丹波橋の古い町屋を借りたこの知り合いは、時間をかけて改装を施しておられる。この土曜は、二階の天井裏にグラスウールの断熱材を敷く作業だった。屋根裏にあが…

呑秋(どんしゅう):酒祭り@広島・西条〜倉敷、円城塔『これはペンです』、オノ・ヨーコ展 など

広島は西条市の『酒祭り』に今年も行ってきた(二回目)。もちろん昨年購入したマイ枡を持参。今年はどうせなら一泊することにして、帰りには倉敷に寄って帰ることに。旅の道連れは芥川賞候補になった円城塔の『これはペンです』。 (感想はエントリーの最後…

SI PUO FARE!:『人生、ここにあり!』

公開中の話題のイタリア映画『人生、ここにあり!(原題『(やればできる)』)』を先週の土曜日に観てきました。 これは、特定の話題に関心がある人向けではなくて、まず観てみたらとおすすめしたくなる佳作映画。最近のイタリア映画って観た覚えが無い・・・とい…

もみじ待ち〜レインボーヒル2011

三連休の前日木曜22日の夜、中崎町のコモンカフェで、Gianni Gebbia 、今西玲子、児嶋佐織 の三人の方のライブ。 箏の今西さんとテルミンの児嶋さんのデュオは以前一回だけやっぱりコモンカフェで観ていて、そのときの感じを予想していたところがあったの…

ヴィム・ヴェンダース『パレルモ・シューティング』@九条シネ・ヌーヴォ

まずはヴェンダース映画の私的な思い出から。 『ベルリン天使の詩』が日本で公開されたとき、たしか高校生だった。 なによりもまず音楽の(ロック)の使い方にやられてしまっていた。白い湯気のたつコーヒースタンドでながれるタキシードムーンだったり、も…

蝸牛の歩みで惨い爪痕を残した台風がせめて:「思想地図」、伊藤比呂美、Lois Weinberger、『ステイクランド』、EP4など

蝸牛の歩みで惨い爪痕を残した台風がせめて残暑も持ち去ってくれたのかと思うと、まったくそうではなく、昨日は汗をボトボトかきながら門真まで運転免許証の更新に出かけた。 5年前にきたときはちゃんと京阪古川橋駅で降りたようだが、今年はまったくそれを…

どじょう、藤井貞和、カウシキ、William Parker、ヒップ・ホップ、映画「スタテンアイランド」

今日、被災したいわきの代理店と電話で話しをしていて、代理店の70歳の社長から、民主党の代表選で野田佳彦が選出されたことを知らされた。 この社長は3月11日から被災地で顧客のために飛び回りながら、この9月末をもって損保代理店を廃業にすることを決…

『何も癒えなくて…貝』@中崎町コモンカフェ

東京から「HOSE」、「ふいご」のトロンボーン奏者・古池寿浩さんとテープレコーダーやメトロノームなどを使用する河野円さんのお二人によるデュオ「kokonuts」を招いた「貝つぶ」さん企画の二日目で、初日は、貝つぶさんのご自宅で二階から下階の聴衆にむけ…

お盆のご挨拶:音楽フリマ@心斎橋「afu」

心静かなお盆を迎えておられますでしょうか?今年、被災地では新盆を迎えざる得ない年になってしまいました。亡くなられた人たちのためにも、これからこの島国に暮らす人間は抜き差しならない覚悟で生きていかなければならない、そういう楔をうたれたような…

マーク・リーボウと偽キューバ人たちMarc Ribot y Los Cubanos Postizos@心斎橋クラブクアトロ

月曜ですしチケット高いしギリギリまで悩んだけれど、今回逃すと次いつ観れるかわからないというあまりに定番な唆し内言に軍配があがり(をあげ)、仕事終わりにクラブクアトロへと直行。結構お客さんが入っていてテンションあがってくる。前日にTwitterでフ…

8月12日(金)フリマ@心斎橋afu

5月にライブの企画をさせていただいた心斎橋のafuで、8月12日(金)営業の「ほっちバー」さんの片隅をお借りして、フリマを開催させていただくことになりました。出店者は現在私含めて4人です。 中古CD・アナログ盤、古書などがメインになると思います。 私…

何からかというと、準備ができていないうちにわかってしまうことからだ:ジンジャーエールの素を仕込む、カナヘビのこと、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、前島幹雄『フクシマ/ヒロシマランニング』

9時に目が覚めた、のでまだ間に合うと思い瀧道へ向かう。 向かう途中の公園の脇道で、カナヘビがチョロっと溝に逃げ出すのが目の脇にはいった。 今日は暑さもまだゆるいし、幸先がいい。カナヘビという単語自体、10年くらい忘れていたとおもう。 だから幸…

倉地久美夫:映画『庭にお願い』、ライブ@天満鉄道広告社ビル社長室

かなり遡りますが。6月最後の週は7月最初の週で、シンガー倉地久美夫さんの「週」になりました。 7月1日(金)に十三の第七藝術劇場に映画。一日空けて3日(日)に天満の鉄道広告社ビル社長室でライブ。 倉地久美夫ドキュメンタリー『庭にお願い』。 倉…

サイ・トゥオンブリーと時間割

PCが直るまで長いエントリは書けないなあ・・・ 職場で苦情。オペレーターのしゃべり方が信用できない、と。東北いわきの代理店。先日の松本龍大臣のように態度ひとつで信用などは簡単になくなる、と。ごもっともなおはなしでお詫び。* ローマではサイ・…

PC壊れました。ビズ・マーキー

PCが起動しなくなってしまった。電源ボタンを押すと起動音はするしランプもつくし後ろのファンも回っているが、画面は真っ黒。CPUが溶けたのではないかという疑惑が(←追記:CPUは濡衣で、電源部分の不具合がグラフィックボードに障害をつくっていた…

雨の季節がまためぐる:ミシェル・ビュトール『時間割』、小笠原鳥類さんの「骨おりダンスっ」への詩、女性シンガー系アルバム各種

先週は雨だったので、不足が運動はじめているくらい運動不足でした。 土曜の朝も雨でしたが、降りは控えめだったので、今のうちにと瀧道へと(午後からザザと降ったのでこれは正解でした)。近所に紫陽花が見事なおうちがあって、この雨の時節になると、コン…

2011年うどんのたび

5月27日金曜日の夜、台風2号が直進してきているというのに、めげずに深夜三宮に集合。ジャンボフェリーに乗り込む。じつは讃岐うどんは現地で食べたことがない未経験者でしたが、今回はUDNマスター同行していただけるとのことで、お店に関してもマスターに…

5月5日のライブのこと。4月末から5月までのこと。

自分には特別に(特別な)音楽が好きだとムリヤリに思ってきたフシがあり、5月5日にはじめてライブを企画するようなことをしたら、肩のチカラも抜けてくれたようで、よい演奏を聴いたら素直に反応して興奮できればよい、それは今までもそうだったと思うしそ…

5月5日 高岡大祐×船戸博史×登敬三PLAYS STANDARD @心斎橋・「会ふ(afu)」

心配だった天気も快晴。 アメリカ村ビル屋上の異空間に、「Song For Che」、「Space Is The Place」、「ラジオのように」などなどが木霊しました。 多くの方にお越しいただき、とても良い時間を作れたと思います。 ご来場いただいた方々、ご協力いただきまし…

安部ねり『安部公房伝』を読む

日常感覚からの飛躍は、学問が現実に接近する方法であり、その逆転の瞬間を、我々は安部文学の中で体験する。 最近では残念なことに、日常的感覚自体が損なわれるという事態になってしまい、知識の日常感覚からの飛躍という側面は無視されがちである。 ――安…

Carlos Giffoni + Jim O'rourke @難波ベアーズ、HPラヴクラフト、アルヴィン・カラン70年代作品集、Low Anthem『Smart Flesh』。

4月13日(水)Carlos Giffoni + Jim O'rourke @難波ベアーズ ジムが髭生えてサンタクロースみたいになってる! NO FUN PRODUCTIONを率いる重鎮カルロスとの日本ツアー。セットは(1)カルロスソロ(2)ジムソロ(3)カルロスジムデュオ。 カルロスはゲー…

『足ふみ留めて』『HomemadeMusic』、山田ノブオ

今日は、エイプリル・フールということだったけれども、嘘どころか冗談いう気にもならない。 管政権が東北の復興をよびかける青写真と野党への協力呼びかけには、災害前に息も絶え絶えだった民主政権の起死回生をねらったポーズが透けて見える。被災者にとっ…