みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

藤枝守『Patterns of Plants』

ブックオフで発見。近所の店にはときどき意外な掘り出しものが。
植物の葉から電気的に取り出したパターンを基に作曲された数種の琴や笙、ハープシコードなどのために現在も継続して作曲され続けている曲集です。
しかし、そんなことは気にならないほど普通に聴きやすい。
植物の電位変動のパターンのどのあたりをどうのようにパラメータとして使用しているのかが判りません。ただ、そのやさしげな耳あたりから、作曲家の判断を放棄している方向性とは異なるように思えます。
各種の調律で演奏される邦楽的な音色が有機的で一般的に美しいといっていいものが、感情的なバイアスから逃れた作曲が巧みに音に「隙間」を作り出してます。それが何度聴いても嫌にならない原因なのかと思います。