『青きドナウの乱痴気―ウィーン1848年』良知 力
読了。
数年前、京都の「砂の書」店長の寺井さんから、「あとがきだけでも読んだほうがいいよ」と薦められて購入して積読していた書。平凡社ライブラリーになっているのは知っているがこれは単行本。
だいぶ良くなってきた右足とはいえまだまだ瀧道歩きなどはやめておいたほうがよさそうで、朝から本を読む週末が続いたのと、積読の表層から本をごっそりと貸倉庫に預けたことで、積読古層に埋もれていた本書を発見できたので読んでみた。
猫も杓子も(「シャリバリ」は猫の音楽という意味。Michael Rotherに“katzenmusik”という作品があるが関係はないんだろうな)デモ・暴動のウィーン1848年、革命するもの弾圧するものがひっくり返って挟み撃ち、あっという間に溶解していった革命の年を、膨大な史料からそれぞれの場面から立ち上げていて、都市の葉脈が透けてくるような本だった。
あとがきのアトアジは言うまでもないこと。