みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2008-01-01から1年間の記事一覧

2008年の「みみのまばたき」

今年のまとめは、ポメラを使って「紅白」を観ながら、下の階で書いています。 今日は、散髪にいきモコモコになった髪を梳いてもらうだけにして、線路沿いの「王将」で餃子の食べ納めをして、商店街で、ミカンと団子とタバコを買って家に帰り、部屋のガラスを…

『はじめにふちふな、きよしでムジカ2008』@梅田ムジカ・ジャポニカ

今年最後のライブは、やはり、「ふちふな」絡みで。12月30日にムジカ・ジャポニカの夜を新年へと送る「ふちふな」と「はじきときよし」による双頭ナイトも、今年で3回目なんだとか。恥ずかしながら、お初です。セットは前半「ふちふな」、後半「はじめ…

音楽のふたりぶん:98年くらいの「さかな」のホーム・リハーサル映像を『ETCETRA VOL.3』で観る

ことしは通販でCD買うのも控え目でした(当社比)。 世に出る新しい音楽というものにまたはっきりと距離を感じてしまった一年でしたが、その理由はといえば、やはり、作り手(アーティスト)と売り手(ショップ)と買い手(リスナー)が緊密に形成するような…

ポメラ、購入。ジョー・ジャクソンの切っ先鈍らない『Look Sharp!』

29日には、代休をもらったので、今日から既に年末休みに入らせていただいています。一年のご褒美というわけでもないのですが、今日は、梅田まで出て、ヨドバシカメラで、キングジムのデジタル・メモ「ポメラ」を購入しました。このエントリーは初「ポメラ…

いぬのなまえ:打海文三『覇者と覇者』『ハルビン・カフェ』、Atomic『Retrograde』

昨日、瀧道へ登るために、家から小学校に向けて登っていく道のバス道の信号の手前で、大きな土佐犬がのそっと目の前に出てきました。 飼い犬だろ、と思ったら首輪から伸びている筈の紐が見えず、飼い主も見えない。 しかもその犬、なんのためらいもなくスト…

箕面山野猿観測所の放送を録ってみた〜ル=グウィンの想像力〜パティ・スミスの歌

瀧と紅葉。 われながら実に「箕面」的、な写真だと思うんですが…。昨日、朝のうちに、瀧の上まで登って帰るときに、箕面野猿観測所(という小屋みたいなものがあるんです)の放送が、30秒くらいの間隔をあけて流れていて、「猿をみても驚かないでください」…

瀧道で紅葉に浸る〜NHKスペシャル『雨の物語〜大台ケ原 日本一の大雨を撮る〜』に魅入る〜フェイセズの『ウー・ラ・ラ』各種

今年、紅葉見れるのも最後かなと思い、8時過ぎから瀧道へ。 最初枯れ葉色の刷毛でもひいたような印象だったのが、朝陽が谷間に差し込んでくるにつれて谷は色で溢れてきた。 多少恍惚となりながら、シーズン中はドライブウェイが1車線になるのでそのまま車…

ピグミーBaka族『Heart of the Forest』とEthan Rose『Ceiling Songs』

先日、午前10時も過ぎて、行楽のひとが自分とは反対に登ってくるのが目に見えて増え始めたのとは逆に、こちらはひと汗かいたのと、ところどころの木々の葉の色の多彩さに気分が若干恍惚とした気分で、瀧道を下っていると、前をいくおばさんの左手に、紅葉…

山の耳

昨日の失敗を繰り返さないように7時半に起床。 R-09を持って、瀧道から山へと。 2日にしか開いていないのに、紅葉が深まったような印象がある。これは来週はもうすっかりダメになるなあと思う。一昨日のスポットまでいって、再度同じように落ち葉の音を録…

なかびであるにちようび

起きたら9時過ぎており、ああこれでは行楽客に巻き込まれてしまうよなあと思って瀧道歩きを断念し、読みかけの小説のページを見つめるうちに・・・半日眠ってしまった日であった。晩御飯用にワインやいろいろ買ってこようと、もそもそと外に出て、市役所通…

半ば紅葉のやまで落ち葉の音を録り、「スターダスト・メモリー」を観る。

週末ではひさしぶりに、朝ちゃんと起きて、瀧道へと向かった。 紅葉シーズンなので、出遅れると行楽客が多くて瀧道をじぶんのペースで歩くのに難儀するだろうという推測もあったのです。2週間ぶりくらいになる瀧道はさすがに紅葉していた。でも、年配の夫婦…

いくつかの環状島を、音楽がななめにつないでいると、かんがえてみる。:平井玄『千のムジカ』、ポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』、宮地尚子『環状島』

平井玄の『千のムジカ―音楽と資本主義の奴隷たちへ』は、「ミル・プラトー(千の高原)」から本歌取りされているのであろうとは誰もがすぐさま納得できると思いますが、個人的には、書店で見かけた瞬間、副題の『音楽と資本主義の奴隷たちへ』に正直、後退り…

雨の中のいきもの2、ポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』

電熱の簡易なアロマ・キャンドルをプレゼントされたのですが、香油を持っていませんでしたので、何を、というのは無いのだけれど、せっかくくれるなら香りのひとつもつけてくれたらいいのにとボヤきつつ買いにいきましたら、エッセンシャル・オイル棚は途方…

白い蛾を逃がす×ブレード・ランナー(最終版)を観なおす

帰宅後、焼酎を飲みながら『ブレードランナー(最終版)』(の廉価版)を観終わった11時過ぎ、煙草の煙を逃がすために少し開けていたとびらから、真白の蛾が部屋の白い明かりのなかに飛び込んできた。 乳白色のゆったりとした羽をパタパタ羽撃きするそいつ…

アメリカのWeとYou:モーガン・フィシャー編集の1分小品集『Miniatures one+two』

バラク・オバマ氏の勝利宣言を聞いていると、「We」あるいは「You」を巧みに使い分けて、アメリカの「主体」を形成しようとしてかなり成功しているのだなと思って、そこに感銘を受けた。 で、最後の部分をちょっと訳してみました。 America, we have co…

ひっつきむしは秋なのか:カルトSF映画『サイレント・ランニング』を20年振りくらいで観る

先週のまんなかあたりに、出勤中の地下鉄で、ひだり足の親指を踏まれたのですが、そのときはあんまり痛くなかったのだけれど、1日おいて痛み出し、夜見ると赤く腫れ上がっていた。医者にいかなきゃいかんかと思っていたら土曜には痛みが引いていたのでその…

Smells Like a Radio!:ブリジット・フォンテーヌの再発『ラジオのように』『野ばらは素敵かもしれない』、SION『I DONT LIKE MYSELF』

先日の『異本論』で本文から引用したような「あたまのなかの見えない編集作業」というのは、読むよりは、はるかに受動的ではあるにせよラジオを聴くときにも起こるよなあ、と。ラジオのように(紙ジャケット仕様)アーティスト: ブリジット・フォンテーヌ出版…

夕闇の瀧道に猿。そして、外山滋比古:『異本論』、タージ・マハール:『The Real Thing』

高気圧が飽きもせずくりかえし日本をとおり過ぎているらしく、10月も中旬というのに日中かなり暑いと感じたので、それが収まるまで本を読んでいよう、と居直った。 4時半くらいに陽が勢いを失くしたのでそのまま瀧道へと。 行楽客がいそいそと退散し始め…

neco眠る『Engawa Boys Pentatonic Punk』、椎名誠『本の雑誌血風録』、ポラロイドの生産中止

この夏の『HOPEKEN』の最終日が、このアルバムのリリースパーティーだったのですが、夜10時以降の出番を待てずに退散してしまったワーカホリックでしたが、やっと、レコ屋店頭で見つけました。engawa boys pentatonic punkアーティスト: neco眠る出版社/メ…

ル・クレジオがノーベル文学賞を受賞

とのこと。 読みかけのまま放置状態の『向う側への旅』(新潮社版・現代世界の文学)を読まなきゃなあと思う。でも、ほんとうはそれどころではなく、デビュー作の『調書』も、それに続く『大洪水』も手元にあるまま(寝床の脇に積んである)読みつけていない…

「ぼくが軋轢ってやつに夢中だって、知ってるだろ」:テレビジョン『マーキー・ムーン』

およそ同情というものは買えるものではなく、かといって売れるものではないから、要するに同情に似た感情を他人に対して抱いてみるものである。それに価値がないわけでは、もちろんない。ちょっと仕事の疲れが出てしまいましたが。 昔、大槻ケンジのエッセイ…

アメリカの貯木池、もしくは読みちがいもまた再読の糧:リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』

昨日・今日とずっと雨がしとしと降っている。 ざあざあではないので、心地よい。 このまま一週間くらい降り続けるのも悪くはない。 洗濯物が大変だけれども。写真は一週間以上前の雨あがりに撮ったものなので、ちょっとずるい。ミドリは急速に秋に向かいつつ…

瀧道の休みの国

9時頃にのそのそ起きだしていつもの瀧道へのたのた行ってドライブウェーまで出て折り返すときに、瀧口の道の両脇に売店というか食堂があって、それは経営者が同じ人なのかどうかも知らないのだけれど、いつもは谷側の店しかやっていないに近い雰囲気で、山…

ローランド・カークの『笛吹き男がやって来た』

今年のメインイベントである、本格的なシステム移行が始まった。 予想は十分していたことながら、着信数はセンターのキャパを遙かに超えていて、こちらとしては人員を増やすなど、できるかぎりの処置はしているのだけれど、平素をかなり下回る応答率になって…

身体は軋み、言葉は発酵し、声は滑り出す:鈴木志郎康『声の生地』が萩原朔太郎賞を受賞、エドマンド・ホワイト『ジュネ伝』

タワーレコードが、高橋悠治がフォンテックに残した音源を、4枚にまとめてリイシュー。それぞれ2枚組で2千円なので廉価盤といっていいようなお得感ですが、ジャケットのタイポグラフィーが素晴らしくて頬ずりしたくなる(というのは冗談です)。 特に自作…

夏の終わりにオーネット!:千野秀一トリオ + 川端稔 @graf salon

ひさしぶりに瀧道を歩く。夏バテやら雨やらで、丸2週間は歩いていなかった。 こないだの『ホープ県』でもらったビラで観に行くことに決めていたライブへ。『ホープ県』のBRIDGE即興勢が、そのまま北から中之島に漂着したかのような(…すいません)風…

ホープ県で扇風機の火花でチルアウト@梅田シャングリラ

ライブ日照りを解消しようといってHOPKEN presents 「ホープ県」という三日のイベントに行ってまいりました。といっても実際観にゆけたのは16と17のみ。出演者の面子からいって「FBI」もしくはブリッジ勢を引き継いでいるような印象の16日が…

玩具風景:エリクソン『玩具と理性』を読む

E.H.エリクソンの『玩具と理性』を読んでいると、文脈も考慮せず引用したくなるフレーズに色々とぶつかる。冒頭のウィリアム・ブレイクの引用からしてそうだ。 子供の玩具と老人の理性とは、 二つの季節の果実である。 本書は「玩具の世界は、子どもの築く港…

この夏の予定

9月に1週間、職場離脱せよとのお達しなのですが、一向にまとまった予定はなし。先に離脱する同僚のおかげでてんてこ舞い(「てんてこ」って、何?とこれまで数度書いた)の一週間のちょうど折り返し・蝶番の日。新人のヘルプしつつ我がチームの研修を施し…

ふちがみとふなと『フナトベーカリー』、いとうせいこう『波の上の甲虫』

名盤であることは、わかっていた。 京都の、いや関西の、いや日本が誇る「最小最濃」の歌のベーカリーの(知る限り)6作目は、その旺盛なライブ活動でお客さんの反応ですくすくと育ってきた歌たちがこの上なく納まりよく居場所を見つけているようで、昨年結…