みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2008-01-01から1年間の記事一覧

アンビエントって盛り上がっているか?

とても久し振りにスタジオボイスを買ってしまいました。STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: INFASパブリケーションズ発売日: 2008/07/05メディア: 雑誌購入: 5人 クリック: 42回この商品を含むブログ (18件) を見るアン…

イヴァ・ビトヴァのDVD『SuperChameleon』

松岡正剛の『日本という方法』は出版された頃にこの拙ブログでも取り上げましたが、いつもことですが、その魅力への橋渡しにすらなっていたかどうか。そこへブログ書評の第一人者による素晴らしいレビューが出ているのを今になって発見。紹介しておきます(…

コラージュ酔いのあと、ハーフ・ジャパニーズ酔い

3連休の前半は、だるくて部屋の籠っておりまして、友人間で編集しあってかれこれ2年強経過するコンピCDを編集し、ケース用のデザインやライナーの作成などを行っておりました。このコンピ、各々その時点のよく聴いている曲をもちよったりしていたんです…

誰だってボー・ディドリーが好きな筈だ。たとえ名前を知らなくても。

I walk 47 miles of barbed wire, I use a cobra-snake for a necktie, I got a brand new house on the roadside, Made from rattlesnake hide, I got a brand new chimney made on top, Made out of a human skull, Now come on take a walk with me, arle…

内田百輭『私の「漱石」と「龍之介」』がおもしろい。大友良英『MUSICS』を読み始める。ローレン・コナーズ『Night Through』

この土日、なんだか暑いやらじめじめするやらでひたすら惨い休日でしたが(よね?)。最近通勤中に読みはじめたのが、内田百輭の『私の「漱石」と「龍之介」』asin:4480027653、百輭が敬愛し師事した漱石を断片的に回想するような形式(まだはじめの4分の1…

スキャットとウッドベースのとりあわせ:Esperanza Spalding『Esperanza』

ESPERANZAアーティスト: ESPERANZA SPALDING出版社/メーカー: HEADS発売日: 2008/05/23メディア: CD購入: 5人 クリック: 21回この商品を含むブログ (16件) を見るタワーレコードの、なんというんでしたっけ、クラシック・ジャズ系統のフリーペーパーにレビュ…

月曜が月末っていうのはどうなんでしょう:読了『大吸血時代』、フリー・キトゥン『Inheit』

週明けが月末というのはやはり、しんどいものであった。 こればかりは「慣れ」でなんとかなるものではなく、殺到する問い合わせに回線がパンクするので物理的にとりきれないというこちらの状況に、またこの末日になんとか滑り込ませたい、という架電者の焦り…

読書中:デイヴィッド・ソズノウスキ『大吸血時代』

しかし、この邦題はひどいなあと思いながら、内容からすると大袈裟めな愛ある揶揄ともいえるし、大仰な題訳のパロディとすらいえるのかも。ゴシック趣味皆無のユーモラスな語り口と合っていないくもない。大吸血時代作者: デイヴィッドソズノウスキ,金原瑞人…

あじさい断考/京都でル・クレジオ/『虹飲み老』の風/The Geraldine FibbersのYoo Doo Right

最近ちょっと間があくようになってしまいましたが。仕事関係でお勉強しなくてはならないことがありましてですね。物覚えが悪くなった頭をフル稼動させて(も大したことない)うめいているところです。昨日は久しぶりにリュックを担いで瀧道行脚。 通り道の西…

Who Makes Gloria Sings?:ビョルン・クラーケッグ『 Sidewalk View 』

ギターって結構、聴くのに体力及び精神力を要する楽器なのだなあと感じることがある、ということを自覚し始めたのは最近で、それまではもちろん歪みきった大音量がバース・コーラス・バースのお約束を突進したり、フィードバックノイズに塗れている様を当然…

ひさしぶりにYouTubeでいろいろと。

ひとのブログ経由でひさしぶりにYoutubeにはいり、Warren Zevonの映像を漁ってみました。最後のレターマン・ショーでがんに侵された自分のことを割りと陽気に受け流している様が衝撃だった。 スコセッシの『ハスラー2』で、トム・クルーズが登場するときに…

「アンビエント」の潜勢力:あんびえんと・いえ・あんびえんと・でない

一週間くらい前に梅田のタワレコのNEWMUSICのコーナーで一枚だけ残っていて、「アメリカではアンビエントが熱い?」みたいな惹句が書いてあったのと、ジャケットの絵の崩れ具合と安さにつられて購入してしまって、いまはとても良かったなと思ってま…

家に名前はない、とスピヴァクはいう。NON『ie』

たいへんな月末が終わりました。が、無事乗り切ったとはいいがたい。宿題が山ほど、6月に持ち越しです。帰りに阪急・梅田で紀伊国屋書店をみると、なにか自分のために本を買ってあげたくなる。実務的な本でなくて(それも常時必要ですが)、なにか自分の人…

雨塗緑サイケ/ラウシェンバーグのCOMBINE/それから、ポーティスヘッドの3rdのケースの角が丸いこと

朝、家人が梅田に用事があるというので、車に便乗させてもらって、1dayアキュビューを3ヶ月分買ってすぐに電車で箕面に帰る。 定期券をいつものジャケットのポケットに忘れていて、梅田からの切符を買わねばならなかった。箕面駅に着いてそのまま瀧道歩きへ…

花たちのリトルネロ:鈴木志郎康『極私的にコアの花たち』@京都ドイツ文化センター

*画像は、鈴木志郎康作品『極私的にコアの花たち』とはまったく関係のないものです。 5月の光というのは一種の懐かしさをもっている光なんですね。冬の光だともたせたくなるし。夏の光だと避けたくなる。で、5月の光というのはそういうことがなくて、その…

ロバート・ラウシェンバーグが逝ってしまった

今日、京都へ行ってきました。鈴木志郎康氏の新作映像作品を観にいくためだったのですが、そのレビューは明日アップするとして、京都へ行ったときは必ず行くアート系本屋『メディアショップ』(学生の頃からある・だいぶ品揃えが少なくなった印象)で迂闊に…

声から音楽へ/そして音楽は声へ:メレディス・モンク『impermanence』

嵐のような一週間でしたが、最後の本日、本社の開発会議に出席。カオスな職場を置き去りにする私に、同僚たちの目が「どよ〜ん」として怖い。あんまり忙しすぎたり、込めたい感情が過負荷になると、人の目は逆に「どよ〜ん」とするのだ。自分も自覚があるの…

いそがしい週明け、心地よい疲れ そしてなぜか、榎本武揚。

週明け。同僚有休。程よいプレッシャー。いつものてんてこ舞。帰りはiPodに入れた『bird and diz』を聴きながら難波から梅田まで夜の御堂筋の脇道を徒歩クルーズ。最近やっと、妖しいかっこよさが攫めるような気がしてきています。イーストウッドの映画のフ…

クジラとこどもと、なにを歌おう。:二つの「音・作品」Bill Fontana 『Australian Sound Sculpture』とDavid Dunn 『Why Do Whales and Children Sing?』

午前中に瀧道を歩くと、谷間の緑が色濃くて、気持ちがいい。谷の中程に道はあるので、谷側は上も下も緑で埋まっている。上の方は葉を繁らせた樹木の空間で、下の方は羊歯類の群生が一斉に葉を谷の上空に向けて手をかざすように向けている。そんな緑のグラデ…

ユリイカ1994年1月号のジョン・ケージ特集

先日購入したICレコーダーで録音した音(サボテンの棘を楊枝で弾いたり、葉を摺り合わせたりしてみたもの)のファイルをPCに移して、SoundEngineというフリーソフトで重ねてみようと思ったら、このソフトは2トラックしか作成できないようだったので、別…

「うた」の浸透圧を、ふちがみとふなと&外山明『はじめまして』に観る。

先日行った『春一番』の会場物販で購入したDVD(1000円)を晩御飯のあとに観てみました。これは、東京渋谷O−NESTで今年1月に開催された高円寺の『円盤』主催による5周年記念円盤ジャンボリーSPECIAL!! での、全部で20数分の短いセッションの…

春一番@服部緑地公園で強烈な陽射しにまいる

よく考えたら、今年はじめてライブに来たような・・・。 昨年は2日ほど通った『春一番』ですが、今年は小川美潮、小谷美紗子、ふちがみとふなと、坂田明、長見順(マダム・ギター)などが出るこの日に限定しました。開場から並ぶのがちょっと嫌だったもので、…

やっとICレコーダーR-09を購入。

えーと。・・・本ブログの企画としてはながらく停滞しております、ジョン・ケージの『樹の子供Child of Tree/枝Branches』を極私的にやってみる(この「やってみる」というのも実に頼りなく、パフォーマンス重点でもないし、ちゃんとした録音物が作れるかどうか…

ミドリの匂いと阿木譲『イコノスタシス』、テレビジョンのブートライブ盤『爆発した切符』の蒼い炎とビタミンD

今日は瀧道の川が、雨水を集めて、どうどうと飛沫をあげて疾かった。その反面、気持ちのいい陽射しのなかで若葉の緑が匂いたっていた。若葉が陽光を孕んでいる様子ほど、幸福感を感じるものは、今のところ、ない。その映像に音楽が要るか、と問われるなら、…

ひとつのノイズ、ふたつの言葉、あるいはみっつの声:尾崎大輔 『写真は私たちの記憶を記録できるのですか?』,サーストン・ムーア『Sensitive/lethal』,鈴木志郎康『声の生地』

仕事も多少、顔をあげてこなせる心持がついて(というのが勘違いでないよう戒めながら)、立ち止まりたくなる言葉に数度ためらわずに立ち止まった3〜4月です。 写真は私たちの記憶を記録できるのですか? は、若い写真家・尾崎大輔 というかたの写真集のタ…

雨の中のいきもの1

子牛の頭ほどの大きさで、ぼんやりとした光彩をもった「のびあがり」*1は、御幣を丸めた塵とクラゲと毬藻の間の何かとしてなんとなく夢圧縮変形された菌類らしいが、とにかく他所でみかけない生き物であることは確かで、その目も鼻も手足もなく、適当に丸ま…

桜と迷宮から飛びたてないイカロスとやさしいコントラバスと箏のデュオ:ミヒャエル・エンデ『鏡のなかの鏡』2、水野俊介+稲葉美和『あおのむこう』

画像がアップできないストレスに耐えつつ、気を取り直して、書けることを。 『篤姫』を観てから夕食後に家族と夜桜見物にふらりと出た。 近所の桜坂は、毎年春には一年という時間から吹きこぼれてくるような表情を見せてくれるのですけれど、年々花々枝枝の…

画像なしのエントリーは、さびしい

桜も満開で、気分がいい。 昨日ヒヨドリが突いたかなにかで路上に落ちた桜の花を、瀧道の帰りに拾って帰り、底の浅い皿に水を張って入れておいたら、うっすらと蜜のような匂いがしていた。 今日は朝早いうちに歩いてきて、先週混んでいていけなかった新装開…

日曜日は無題:エンデ『鏡のなかの鏡』、Loren Mazzacane & Suzanne Langille『Come Night』

目が覚めたら予報通りの雨。 さすがに今日は瀧道歩きは止めようと思う。代わりといっては何ですが・・・昨日、百年橋から正の茶屋に抜けようと思って山道に入って、心臓破りの階段を登ったところで遭遇した「半ファウンド・オブジェ」。 誰かが、棒っ杭の一本一…

植物のきもちの音楽:HISATO HIGUCHI『Butterfly Horse Street』

桜がさいた。昨日の夜、帰りの夜道で気付いて、明日(今日ですね)は絶対デジカメで撮るべし、とリュックに仕込んで出かけました。 いうまでもなくわれわれの一年とは、桜の花と桜の花のあいだの時間のことです。 綻んだように咲いている今時分が単純に一番…