みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

スキャットとウッドベースのとりあわせ:Esperanza Spalding『Esperanza』

ESPERANZA

ESPERANZA

タワーレコードの、なんというんでしたっけ、クラシック・ジャズ系統のフリーペーパーにレビューが載っていたのをしつこく憶えていて、仕事の帰りに見つけたので即購入。
まず、本人のジャケ写の、こちらを見透かすような微笑がなんともいえず手にとってみたくなるし、なんですか?アフロっていうんですか、この髪と、ウッドベースっていう組み合わせが(ウッドベース好きなので)これは引けない・外せないのではと思って、見つけたら買っておこうと思ってました。
中味のほうも、期待を裏切らないどころか、かなり素敵な内容です。
曲によってボッサだったりポップだったりするアレンジの中、ウッドベースの弦を弾ませながら、飛ぶようなスキャットでいい歌を聴かせてくれます。基本良質のジャズ、と思った瞬間に、ひょっとしたら女性SSW的な素質もあるのかも、と思ったり。
最後の2曲ほど、歌抜きのジャズになります。ここまで聴き進めると、前半のボッサ調で完全に嵌ったのが効いてきており、クールダウンともヒートアップともつかぬいい感じ(いうなれば/そういえば、それがジャズ、だ)。そしてラストはしっとりとサンバ。
数ヶ国語で歌っているので一枚で贅沢な気分になれます、というのはちょっとせこ過ぎる感慨でしょうか。
日曜日に、野外で聴いてみたい。


プロモ動画発見。実は全部観てません。あとで自分でも観てみようと思ってはりつけ。


あと、こんなものも発見。

ライヴ 1974

ライヴ 1974

ライブですよ、ライブ。試聴した限り、陶酔とも覚醒ともつかない稀有の人力テクノで期待大。週末はこれに浸るつもりです。

VOL 03

VOL 03

『VOL』の3号が出ていた。
1号から買っているので、やはり買ってしまう。『<帝国>』のマイケル・ハートのインタビューが巻頭に。ネグリが来日できなかったけれど、この界隈はどうなっているんだろう。数年前まで結構興味があったのだけれど、ちょっと距離ができてしまっている。高祖岩三郎氏によるインタビューのなかで、ハートはガタリにもちょっと触れていた。
もうちょっとあとのほうでは、ガタリの翻訳者である杉村昌昭氏もインタビューに答えていて、ガタリに触れていた。
ガタリはブラジルと日本が好きだったらしいのだけれど、ブラジルのガタリ読者というのは、日本の比ではないくらい層が厚いのだそうで、いまだに生前のブラジル講演や討論をまとめた本が出版されたりしているらしい。それは横断性がなぜか「超コード化」(≒骨抜き?)されてしまう日本と、個々がミクロ政治化する必要に迫られるブラジルとの差ではないか、みたいな事が指摘されていた。
Félix Guattari: Thought, Friendship, and Visionary Cartography

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