みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2006-01-01から1年間の記事一覧

みみのまばたきも一年:デレク・ベイリー『To Play』

いまいち運動不足感が残っていたので、今日の瀧道行脚には、この夏に挫折して心のこりだったコースをオプション追加。 いつもの瀧の上からさらに百年橋という小さな橋を渡って、役行者が箕面山で昇天したときの現場といわれる「天上ケ岳」まで足をのばす。 …

もっとよく聴いてみよう。:ヘンリーカウエル自身の演奏による『PIANO MUSIC』

もうすぐ2006年もおわりということで。年の瀬につきなにやらワサワサとして一年の総決算をせねばならないような雰囲気です。が、このブログはあんまり関係ありません。Piano Musicアーティスト: Henry Cowell出版社/メーカー: Smithsonian Folkways発売…

水音を追って、河を。:Annea Lockwood 『A Sound Map of the Hudson River』

さすがに寒くて7時前に起きれない。寒さは睡眠を要請するようで、10時くらいまで寝ていた。箕面の瀧まで歩き。最初こそ寒いが、枯葉がもはや姿をとどめないくらい粉のようになった遊歩道を通って瀧の上まで出ると、さすがに汗ばんできた。 帰る途中、用水…

鈴木志郎康映像作品『風を追って』,『オブリク振り』,『風の積分』,『隠喩の手』,『時には眼を止めて』,『角の辺り』を観て、風/ななめ/手/メタファーについて考えさせられる

(注)右の画像は映像作品とは無関係です。あまりにテキストばかりで殺風景なので自分で撮ったものです。鈴木志郎康さんが発明した「極私的」という言葉のことをブログに書いたとき「映像作品観たいなあ・・・」などと最後に書き付けたところ、ご本人からコメン…

ドンとジョンの人間音楽:『HUMAN MUSIC』Don Cherry,Jon Appleton、『マンガと人類学』での諸星大二郎

どんとじょん。なんか笑ってしまいますが。 しかも『人間音楽』と大上段です。 ここでのドンは、言うまでもなくオーネット・コールマン・カルテットでオーネットの双子のようなコルネットで軋むようにスウィングするジャズ(後のフリージャズと。)、その後…

Vフォー・ヴェンデッタを観ていると教育基本法改正案が。

昨日、帰宅すると鈴木志郎康さんから映像作品のDVDが到着していた。今回は85年〜90年代のもの。じっくりと時代と作風の変遷を捉えながら年代順に観ていくことができる貴重な体験をさせていただいています。またエントリー書きます。教育基本法改正案…

いろいろ読書中:『インテリジェンス 武器なき戦争』、『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』

CDを焼く時間を利用して進まない読書を消化を。はかどる。インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)作者: 手嶋龍一,佐藤優出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/11/01メディア: 新書購入: 7人 クリック: 59回この商品を含むブログ (240件) を見る2時間…

冬のダブとブラジルの希望

雨のためか朝あまり冷え込まなかったので7時前に起きて、滝まで散歩。 いつも同じ時間に滝道のおなじところですれ違うおばさんがいる。今日も挨拶。 仲間内で作っている編集CDの素材が揃ったので、梅田のヨドバシカメラにラベル用紙など必要なものを買い…

10th festibal BEYOND INNOCENSE@新世界BRIDGE

イベント2日目を覗いてきました。3時過ぎに入場したので、僕が見れたのは以下のような順番だったと思います。 Audrey Chen+いとうはるな+Gianni Gebbia 正統派(?)フリー・インプロ 半野田拓+千野秀一+一楽儀光 フリージャズの筋肉とノーニューヨー…

まなざしならい:鈴木志郎康映像作品『比呂美−毛を抜く話』,『眺め斜め』,『荒れ切れ』,『あじさいならい』

先日、鈴木志郎康さんにお借りできたDVDで、初期の3作品(『日没の印象』(1975)、『草の影を刈る』(1977)、『15日間』(1980))と最近の作品(『野辺逃れ』(1993))を拝見することが出来(詳細はこちら)、両者の間にかなり違いがあることが気になりま…

アルジェリアのラジオのように:アラン・ビショップのコラージュ&ミックス『Radio Algeria』

鈴木志郎康さんに送っていただいた映像作品DVDの中に、詩人・伊藤比呂美さん(現住カリフォルニア)の姿をとらえた「比呂美-毛を抜く話」があった。名前は知っていたが、不勉強なので子育て等のエッセイストとしてしか認知していなかった(←これは滅茶苦…

「世界の調律」を自作する:Gayle Young 『According』

京都のレコード屋さん「メディテーションズ」さんから通販で購入。ドローン系音楽のCD-Rです。 このGayle Youngという人は、「Musicworks」という先鋭的な音楽誌の編集者で、70年代後半から、パフォーマーとしても、創作楽器のデザイナーとしても活躍して…

タワレコでパット・メセニーの『Rejoicing』asin:B0000031SKナ・ブルースマン「AZUMI」の新作『Happy Tuesday』asin:B000ICLV3K。ポイントが貯まっていたのだ。帰宅するとヤフオクで頼んでいた日本人の現代音楽作曲家・細川俊夫の…

「ここはどこだ?サッカー場か?:フェデリコ・フェリーニ『オーケストラ・リハーサル』

わたしは審判か?音が強すぎる、去勢するぞ!」 いきなりすいません。今のは、映画の中で、独り真面目に音楽を仕上げようとする指揮者があまりにバラバラなオーケストラに向けてついにぶちっとキレた時の台詞です。 フェリーニがニーノ・ロータと組んで仕上…

ラディカルな意志の墨攻:酒見賢一 『墨攻』

なんでも学校で「いじめ」をした生徒を出席停止処分にして*1 「再教育」するらしい。「いじめ」をする生徒は「強い」のだろうか「弱い」のだろうか。そんな問題を超えていまや学校は「内戦」状態なのかもしれない。「兼愛」と「非攻」を掲げただけでなく戦う…

新日曜美術館で大竹伸朗

大竹伸朗特集でしたので。「全景」展、大阪でもやってほしいなあ・・・。高校のとき美術手帖でみた大竹伸朗のコラージュ作品の図版が大好きで切り抜いて結構長いこと持っていた(が、引越しでどこかにいってしまった)。作品集『SO』は今でも大事な宝物で…

昔はよくわかんなかった:Carla Bley『Live!』,『I Hate to Sing』

や、今だってそんな詳しくはないんですが・・・. ジャズにフリーキーさしか求めていなかった10年ほど前に名盤とされていた「Escalator Over the Hill」asin:B0000241DGだか大仰な音楽という感じがして、この歌舞伎かライオンのような壮絶なヘアースタイル…

ボウズ、Waitsvilleは何度目だい?:トム・ウェイツ『オーファンズ』

モノリスのごとき堂々たる3枚組み新作(といっても過去の音源も含む)。 オダギリジョーがたいへん短いけどもリスペクトのコメントを寄せている。ファンなのか?そういえばケーブルで見たミュージッククリップも相当やさぐれた妖しいカーニバル楽団みたいな…

そして、<極私的>へと。:鈴木志郎康映像作品『日没の印象』,『草の影を刈る』,『15日間』,『野辺逃れ』

(注)右の画像は映像作品とは無関係です。あまりにテキストばかりで殺風景なので自分で撮ったものです。 先日<極私的>というコトバについて書いたエントリーで、自分も含めて今では誰もが何気なく使用している言葉を「発明」された現代詩人・映像作家の鈴…

季節はずれの手づくり世界言語:さかな『ワールド・ランゲージ』

秋です。今朝、箕面の瀧道をのぼっていると、全面的な紅葉ではないけれど、ところどころのもみじのグリーンからイエロー、橙への無数のグラデーションが鮮やかでした。 この『ワールド・ランゲージ』は、水音のサウンドエフェクトが奇妙な清涼感をかもすので…

詩人の鈴木志郎康さんから映像作品の貴重なDVDをお借りできることになって、それが今日届きました。有難うございました。とても楽しみです。じっくり観させていただきます。梱包に使用されていた封筒になにげに「思潮社」のシールが。おおお!・・・そん…

読了:二人の利休:野上弥生子『秀吉と利休』、井上靖『本覚坊遺文』

野上弥生子『秀吉と利休』をやっと読み終わる。あいだにいろんな本を挟んでしまって3ヶ月くらいかかってしまった。なので読後感に濃密さがないのはまったく自分のせいです。本書と、以前日記にもつけた↓本覚坊遺文 (講談社文庫)作者: 井上靖出版社/メーカー…

もとより、一筋なわではない:ヨーロッパの伝統音楽集『Patchwork Europe』

ドイツの現代音楽レーベルWergoのSCHOTT MUSICが、1911年から1954年にかけて録音されたヨーロッパ全域の伝統音楽の「超」が数個付きそうな歴史的音源をコンパイル。 アイルランド、スコットランド、イングランド、フランス、ポルトガル、スペイン、…

火星儀

こんなのがあるみたいです。火星儀 MY出版社/メーカー: 渡辺教具製作所メディア: おもちゃ&ホビー クリック: 10回この商品を含むブログ (1件) を見るさすがに赤い。土星儀ってないのかな。火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)作者…

ウィルキンソン・ブラザース『大陸から来た人々』

asin:B00005L9T0 もうなくなってしまったけども、心斎橋アメリカ村のタワーレコードのNew Music関連のフロアにはとてもお世話になった。現代音楽やアヴァンギャルド系以外の音楽もとにかく貪欲に品揃えで聴いたことのない音楽がいつも試聴機にかかっていた。…

<極私的>というコトバは:『鈴木志郎康詩集』『続・鈴木志郎康詩集』

ためしに「ことば」は極私的な用法にも耐えうるからこそ、社会にも繋がっていけるのか、と考えてみる。それともその逆で、社会的であるからこそ、極私にまで落とし込める素材なのか、とも。ヴィゴツキーのいう「外言」と「内言」のプロセスをどこかで同型反…

あくまでダニエル・ジョンストン

しまった・・・。 「悪魔とダニエル・ジョンストン」のテアトル梅田でのレイトショー。 やっぱり今日までだった。梅田に着いたら10時だった。 あぐぐ・・・。 やけになってNU茶屋町で初期名盤の再発を購入。 コースターもらう、ぐすん。 DVDの発売を…

なぞなぞピラミッド

DISCASで借りたNHKスペシャルのDVDを観ていまさらにして驚愕。 もうすでに常識なのかもしれませんが、ピラミッドが氾濫したナイル河の水際に建造されていて、土地が水浸しになって耕作できない雨季、民衆の労働と収入を確保するための「公共事業」=国…

さねよしいさ子ライブ・レコーディングVol.1『チェリー!』

はちみつレーベルさんのサイトから直接購入してみました。 2005年の下北沢ラカーニャと吉祥寺Manda−La2(好きなライブハウスでした)での演奏を混ぜたものの様子。Manda−La2の方のバックには、割礼の宍戸浩司氏とさかなの西脇一弘氏がギ…

誰もいわない20世紀のおはなしをひとつ:VariousArtists『Lipstick Traces』

本コンピ盤asin:B0000083JD、ソニック・ユースのデビュー・アルバム(Confusion is Next)をメジャー誌でいちはやく評価したり(意義ある拒否の態度、と評価)、エルビス・プレスリー本(たしか『Mystery Train』)を書いたり、ひところは日本の音楽誌「ミュー…