2008年の「みみのまばたき」
今年のまとめは、ポメラを使って「紅白」を観ながら、下の階で書いています。
今日は、散髪にいきモコモコになった髪を梳いてもらうだけにして、線路沿いの「王将」で餃子の食べ納めをして、商店街で、ミカンと団子とタバコを買って家に帰り、部屋のガラスを全部拭いて、あとは夕ご飯まで寝てしまった。
森山直太郎の歌「生きてることが辛いなら」の出だしの歌詞「いっそ小さく死ねばいい」というのが、自殺を助長するとかで話題になっていたらしいけれども、そんな風に聴きとることはできなかった。まっすぐな歌でいつも素晴らしい。
大晦日に「みみのまばたき」のまとめを書くのは2回目になるかと思いますが、今年は思うようにエントリーできないことが頻繁にあったし、ライブにも思うように行けなかったということがありましたが、とにかく自分の生活の一部として継続できていることを嬉しく思っています。
このブログを書き始めた頃を今思い出してみると、とにかく自分の好きな音楽のことを文章したくて仕様がなくて、始めたわけですが、その時は今とは違うブログ・タイトルでした。そのままでも構わなかったのだけれど、友人に読んだ、という感想をはじめてもらったときに、変な言い方ですが、他人が読むものなのだなと思って、ブログタイトルは「ひらがな」がいい、となんとなく思って、そうすると「みみのまばたき」という名前が自然に浮かんできたのでした。だから、ブログの説明にある少しくどい文章は、嘘ではないですが、少し後付け、ではあります。
はじめた頃は、「ブログスフィア」とか「グーグル・アマゾン化する世界」とか「セレンディピティの減少」とか、大層な言葉に取り囲まれているような気がして肩にちからが入っていましたが、そのころの自分が考えていたのは、ブログというものは、アルフォンソ・リンギスの著書のタイトル「何も共有していない者たちの共同体」みたいなものであればいい、ということでした。

- 作者: アルフォンソ・リンギス,野谷啓二
- 出版社/メーカー: 洛北出版
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今年の「みみのまばたき」の(僕の、じゃなくて)思い出をサラサラと。
今年の5月は、鈴木志郎康さんの映画『極私的にコアの花たち』を観に、京都のドイツ文化センターで開催されていた「イメージ・フォーラム・フェスティバル」に行った。映画は鈴木志郎康さんのご自宅の中庭の植物たちの歳時記といえそうな作品で、この中庭の映像は、鈴木さんの極私的映像作品の初期から出てきていて、ずっと観続けているひとにとっては、中庭にたまる陽光と一緒に、なじみのある庭だった筈。その帰りの鴨川沿い、自転車に乗って自分を追い越すひとの悉くが鼻歌を歌っていた。
ブログの写真用にはじめて自分でアジサイの花を買ったら、近所を歩いていてもアジサイが気になるようになった。
あまり行けなかった(しつこい)ライブでは、『HOP-KEN』が、「フェスティバル・ビヨンド・イノセンス」を半ば引き継いだ精神でよかった。その中でも、印象に残っているのは、OORUTAICHI×町田良夫×森山ふとしの当意即妙な即興、ドラム二つで、驚異のミニマル・トランス・ビートの旅に連れていってくれた『PARARIRA』、梅田哲也のヒバナ飛び散る扇風機が得難い感触でした。夏の終わりの「千野秀一トリオ + 川端稔」のオーネット曲集ではあらためてジャズっていいなあ、と。「ふちがみとふなと」は多分今年は3回くらいしか観ていないけれど、30日の印象が冷めないまま継続しています。
<<本>>
1)水無田気流『黒山もこもこ、抜けたら荒野』
世代論、としては唯一共感を覚えるものでした。黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)
- 作者: 水無田気流
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/17
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2)アレクサンダー・マスターズ『崩壊ホームレス』結末は、やるせない。どうしようもなさと裏腹の笑いがパンクでした。
- 作者: アレクサンダーマスターズ,Alexander Masters,清野栄一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/02
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3)エドマンド・ホワイト『ジュネ伝』
しかし、下巻未読。
4)香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』
80年代サブカルチャーを振り返る企画本が多かったですが、本書はそのなかでも、著名な著者自身の青春時代が垣間見れるようで、おもしろかったですね。
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2008/02/28
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5)打海文三『ハルビン・カフェ』だけでなく『裸者と裸者』『愚者と愚者』『覇者と覇者』なども。
6)ジャック・アタリ『21世紀の歴史』7)鈴木志郎康『声の生地』生い立ちも含めて赤裸々に、語るように綴られたこの詩集は、「詩のことば」を静かに拡張されたと思います。「詩のことば」と「肉声」が離しがたいものなのだ、ということ。「萩原朔太郎賞」を受賞されて、本屋さんで平積みされていたこともとても嬉しかったです。
- 作者: ジャック・アタリ,林昌宏
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2008/08/30
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8)Robert Rauschenberg『Combines』
ネオ・ダダ芸術家の根幹となった「コンバイン」手法をまとめた作品集。西洋美術の枠内の語法だった「コラージュ」を、さらに「生活」のなかに放流したような印象。クルト・シュヴィッタースの本当の後継者。素材と素材の組み合わせに、ラウシェンバーグの大らかな笑いとどんな細部も疎かにしない眼差しが感じられます。ラウシェンバーグは、僕にとってダ・ヴィンチのように思える作家でした。厚手のトレーシングペーパーに印刷された装丁も良し。
- 作者: Robert Rauschenberg,Paul Schimmel,Thomas E. Crow,Pontus Hulten
- 出版社/メーカー: Museum of Contemporary Art
- 発売日: 2006/03/06
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9)外山滋比古『異本論』
10)リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』 再読で、ホロ悲しい語り口にまたはまりました。
11)フェリックス・ガタリ『カフカの夢分析』
ガタリのカフカがたり。ドゥルーズとの共著『カフカ -マイナー文学のために』の遙か以前から(そしておそらく最期まで)、カフカは生涯ガタリのインスピレーション源だったんです。
- 作者: フェリックスガタリ,ステファヌナドー,F´elix Guattari,St´ephane Nadaud,杉村昌昭
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2008/09/01
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12)ホアキン・M・ベニデス『現代音楽を読む -エクリチュールを超えて』古本。年の瀬に梅田「古書のまち」で見つけた掘り出し物。80年代の時点での「現代音楽」の中の「前衛」と「実験」の腑分け。マイケル・ナイマンが著書『実験音楽-ケージ以後』でやったことを補足しつつ、精緻な論理で解説しています。ただし80年代時点での視点であることは、著者もはっきりと自覚している。
13)平井玄『千のムジカ』
14)市田良彦『ランシエール―新〈音楽の哲学〉』
- 作者: 平井玄
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2008/10/24
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ロックンロールを哲学する、最重要書。「リトルネロ」に関した章が、どの類書よりも深く、良い風が吹き抜けるものでした。ただ、こちらの予備知識不足のため、ランシエール自体の哲学については、よくわからなかった。
- 作者: 市田良彦
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/08/08
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15)宮地尚子『環状島=トラウマの地政学』本書は、当事者によって語られにくいのであろう「トラウマ」問題に、ある補助イメージをさしだしてくれていると思い、その鮮やかさに、門外漢のくせに感銘を受けました、ということです。
- 作者: 宮地尚子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2007/12/20
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16)フルシチョフ秘密報告『スターリン批判』
古本。用意周到にスターリンをボコボコにこき下ろすフルシチョフ。そこには、ある種のわかりやすいカタルシスもあるものの、スターリン時代の闇の深さが口を開けているようで、恐ろしい。フルシチョフ秘密報告「スターリン批判」 (1977年) (講談社学術文庫)
- 作者: 志水速雄,フルシチョフ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1977/12
- メディア: 文庫
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17)内田百輭『私の「漱石」と「龍之介」』
18)井上靖『四角い船』これも『日本の古本屋』で探した古本。下の「本の雑誌血風録」で触れてあったので気になって読みました。癖のある登場人物たちが織りなす現代の救世主譚。読後には、たしかにこんなふうにしか語り終えることはできないのだ、という納得感。
19)椎名誠『本の雑誌血風録』
ブックオフ古本。『本の雑誌』が危ないらしい。みんなで買い支えよう。
- 作者: 椎名誠
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/01/30
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20)多賀茂・三脇康生 編『医療環境を変える -「制度を使った精神療法」の実践と思想』
ガタリ経由で知ったフランスのラ・ボルド療養所が実践する「制度を使った精神療法」の日本での成果と課題をまとめた本。いろいろと、興味深かかったです。
- 作者: 多賀茂,三脇康生
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2008/08/30
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21)クロード・バラン『斜めにのびる建築』
22)茂木計一郎・片山和俊『客家民居の世界 -孫文、訒小平のルーツここにあり』
- 作者: クロード・パラン,戸田穣
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2008/09/25
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以前読んだ台湾の彰化の都市計画の本で興味が湧いた民居の本。丸い形の民家(といっても集合住宅といえそうなもの)の写真がなによりすばらしい。
- 作者: 茂木計一郎,片山和俊,木寺安彦
- 出版社/メーカー: 風土社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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23)ブラッドリー・エドワーズ『宇宙旅行はエレベーターで』
すげえ!実現すればスペースシャトルよりも安価、らしいです。
- 作者: ブラッドリー C エドワーズ,フィリップレーガン,関根光宏
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2008/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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<<音楽>>
1)Gavin Bryars『The Marvellous Aphorism of Gavin Bryars The Early Years』
実験音楽時代のブライヤーズ。モンティ・パイソンにも通じる洗練された諧謔を感じました。Marvellous Aphorisms of Gavin Bryars - The Early Years
- アーティスト: Gavin Bryars
- 出版社/メーカー: MODE RECORDS
- 発売日: 2007/10/23
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2)サーストン・ムーア『Sensitive/lethal』やりたい放題のソロ。最近のサーストンは80年代地下文化専門文化人としての活躍が盛んなようですが、ソニック・ユースの新作もそろそろ…お願いしたいところです。
3)メレディス・モンク『impermanence』
4)V.A『Ambient Not Not Ambient』
アンビエントって盛り上がっているのか?という個人的疑問に、ある種の答えを与えてくれました。『No New York』を思わせる上に、さらに蝶番状になった否定句が、やたらと気にかかりました。
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Audio Dregs
- 発売日: 2008/04/29
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5)Iva Bittova 『Superchameleon』(DVD)
6)ふちがみとふなと『フナトベーカリー』ライブで感じる温かい肌ざわりも音盤として定着感が増した、名作、と思います。
7)タージ・マハール『The Real Thing』
8)SUZMENBA 『enitohanicolte』
9)YTAMO『Limited Leaf』いまはなき「新世界ブリッジ」で、半野田拓とインプロ共演をされていたのがYTAMOさんでした。このアルバムには、あのときの即興ののびやかさに通じる空気が流れていて嬉しい。
10)タワレコで買ったアヴェマリア集
シューベルトが一番好き。
- アーティスト: オムニバス(クラシック),バルドゥッチ(アントネッラ),ケルテシ(イングリド),ユ・シュチン
- 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
- 発売日: 2007/12/05
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11)Faces『OOH LA LA』
12)ピグミー族の歌唱『Heart of the Forest』
13)Ethan Rose『Ceiling Songs』『Oaks』
- アーティスト: Various Artists,Baka Forest People
- 出版社/メーカー: Hannibal
- 発売日: 1993/10/12
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最新作は、古いローラースケート場におかれた年代物のオルガンの音をサンプルし、最新の技術で繊細な音楽に仕上げたもの。
- アーティスト: Ethan Rose
- 出版社/メーカー: Holocene Music
- 発売日: 2009/01/27
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14)さかな『ETCETRA VOL.3』90年代のミニコミのVTR収録のホーム・リハーサル映像。12月29日のエントリーでとりあげたものです。
- アーティスト: Ethan Rose
- 出版社/メーカー: Locust
- 発売日: 2006/09/12
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15)Atomic 『Retrograde』
16)Peter Garland『Three Strange Angels』
Border MusicをTzadikがリイシュー。
- アーティスト: Peter Garland
- 出版社/メーカー: Tzadik
- 発売日: 2008/09/16
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17)Lou Harrison『Por Guitaro』
18)Dax Pierson Robert Horton『Pablo Feldman Sun Riley』タイトルの通り、オーガスタス・パブロ、モートン・フェルドマン、サン・ラ、テリー・ライリーという意外でもないところがおもしろい顔ぶれの人々にオマージュを捧げた作品。
- アーティスト: John Schneider & Assisting Artists
- 出版社/メーカー: Mode
- 発売日: 2008/03/18
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19)『How Low Can You Go? Anthology of the String Bass』
Dust-to-DigitalというSP音源を興味深い括りでアンソロジー化するレーベルからの、これは、「ベース」という楽器のアンソロジー。第二次世界大戦の前後で、ガラッと変わるような気がする。これは『Mag for Ears』でお世話になったIさんに教えていただきました。How Low Can You Go: Anthology of the String
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: Dust to Digital
- 発売日: 2006/11/28
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20)Fred Frith & Evelyn Glennie『The Sugar Factory』
スリリングな演奏で充実作。
- アーティスト: Fred Frith,Evelyn Glennie
- 出版社/メーカー: Tzadik
- 発売日: 2007/08/28
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21)Thirry Pecou『L'oiseau Innumerable』
初めて聴く作曲家。緊迫感のある音の動き、不協和音がある美意識に収束していく様子に、はっとさせられました。ジャケットの現代美術の作品が好き。フランス語が読めたらもっと楽しめるんですが。L'oiseau Innumerable Piano Concerto Works for Solo
- アーティスト: M. Pecou
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
- 発売日: 2008/06/10
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22)Gordon Mumma『Music for Solo Piano』
ゴードン・ムンマといえば豪快な電子音楽と思ってましたが、こういうピアノソロのための静かな音楽も書いていたんですね。GORDON MUMMA/ MUSIC FOR SOLO PIANO(1960-2001)
- アーティスト: Daan Vandewalle(p)
- 出版社/メーカー: NEW WORLD RECORDS
- 発売日: 2008/09/09
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23)Group Inerane 『Guitars From Agadez-Music of Niger』年の瀬ギリギリに飛び込んできたアフリカ・ニジェールの音楽!これは衝撃かつ必聴、です。ワールド・ミュージックという括りよりも、「サイケ」と思ったほうが座りがいいくらいだと思う。それも60年代後半のインプロをとにかくダラダラやるジャーマンサイケバンドみたいなギターリフに、アフリカらしい合いの手やコーラスが入って、◎。Guitars From Agadez (Music of Niger) (Reis)
- アーティスト: Group Inerane
- 出版社/メーカー: Sublime Frequencies
- 発売日: 2008/09/30
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24)Hisato Higuchi 『Butterfly Horse Street』
日本にこんなギターを弾くひとがいたとは知らなかった。ジャケット写真の通りに、陽光を受けた葉のささやきが聴こえるようなギターワーク。鈴木志郎康さんの植物への眼差しにも似たCDでした。日本のローレン・マツァケーン・コナーズと呼ぶと失礼になるのかだろうか。でも、なって欲しい。
- アーティスト: Hisato Higuchi
- 出版社/メーカー: Family Vineyard
- 発売日: 2007/11/06
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25)ジョーゼフ・スペンス『ハッピー・オール・ザ・タイム』
ブルースで(僕が)発見したのは、この人でした。ヨレヨレボーカルに軽快なギター奏法。デルタだけがブルースじゃないよなあ。
- アーティスト: ジョセフ・スペンス
- 出版社/メーカー: ヴィヴィッド
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: CD
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音楽からはもちろん、上に挙げた以上の感動をいただいていますが、とりあえず書き起こせるのはこれくらい。
今年(と書きながら年を越してしまいましたが)は、緒方拳が逝ってしまったし、ボー・ディドリーも、ロバート・ラウシェンバーグも逝ってしまった。アメリカでは黒人大頭領が誕生しましたが、グローバル経済の迎える不況の波及の凄まじさを誰もが感じた年だった思います。来年は自分の職場でも不穏な嵐が吹き荒れそうな予感がしています。そんな中で読んだジャック・アタリの著作「21世紀の歴史」は、自由主義経済の来し方・行く末に見取り図というか、リトマス試験紙をもらったような気もしました。
紹介できなかったCD、自分のなかで感想をまとめきることが間に合わなかった本など、本当は色々ありますが、来年に向けての「残心」(剣道の)としていきたいと思っています。
それでは、良いお年を…というか、本年もよろしくお願いいたします。