みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

『はじめにふちふな、きよしでムジカ2008』@梅田ムジカ・ジャポニカ

nomrakenta2008-12-30



今年最後のライブは、やはり、「ふちふな」絡みで。

12月30日にムジカ・ジャポニカの夜を新年へと送る「ふちふな」と「はじきときよし」による双頭ナイトも、今年で3回目なんだとか。恥ずかしながら、お初です。

セットは前半「ふちふな」、後半はじめにきよしhttp://www.hajikiyo.com/home/topframe3.html(「はじきよ」というのは言いにくい)。アンコールが豪華で、1)船戸&はじめ、2)淵上&きよしの取り替えっ子デュオで楽しませてくれた後に、3)ふちふな&はじめにきよしの四人が揃って締めくくり、というかたち。

ふちがみとふなとは、いつも通りというか、このお二人のパフォーマンスを観ていると、ほんとうに和むのです。和みつつ、じんわりともさせてくれるし、船戸さんの挙動はおかしいし、淵上さんのMCも、いつも心から笑ってしまいます。ここ数年は、「ふちふな」から、生きていく「ちから」が大袈裟なら「軽ろみ」を分けて頂いている、といっても良いわたしです。

サキタハヂメさんと新谷キヨシさんのはじめにきよしの評判は、数年前から耳にしながら、観るのも聴くのも今夜がはじめてでした。でも、鍵盤ハーモニカ&ピアノのきよしさんが以前やっていたウィルキンソン・ブラザーズの「大陸から来た人々」(エントリーもちゃんとある!・・・拙い…というか、意味なく文字色を変えるな〜!)がずっと好きだった事を、迂闊にも当日思い出した(キヨシさん情報によると2009年3月に復活ライブですと!)。
とにかく、「ふちふな」で頬が緩みきっていたのだとしても、ムジカのお客さんをさらに和やかな笑いへ誘うサキタハヂメさんのMCトークとツッコミの巧みさに舌を巻いてしまいました。ミュージシャンにしとくのはもったいない…ぜひM1に出場して低迷ぶりをなんとしかしてほしい(イヤイヤ)。
鍵盤ハーモニカでは、昨年くらいに話題になって一回売り切れたらしい「アンデス」の演奏も聴くことができました。半音くらい外れているようにも聴こえるのだけれど、おもしろい効果をあげていました。しかも、アンコールの「ふち・きよ」セットでは、「アンデス」デュオまで聴くことができました(写真・下。これは貴重ではなかろうか)。
ミュージカル・ソウというものも、実は初めて聴きました。のこぎりをぐにょ〜んと、たわませると、音ももっこりとたわむのが愉しい。弓の微妙な動きでたちのぼる、テルミンとヴァイオリンの中間のような、どこか不安定だけれど、とろけるようなトーン。その金属故の微細な音の粒子の不安定さが、例えば、船戸さんのコントラバスのやさしいアルコ弾きとからみ合うと、絶妙で、このデュオのインストだけで1時間ほど聴きたいなあ、とさえ思いました。
昨夜のエントリーで、「さかな」のことを、「音楽の二人分」と書いて明けたその次の日に、ああ、またここにも、「音楽の二人分」がいらっしゃいました。二組も。
「さかな」も「ふちふな」は、世代的に同じだし、数年前には淵上さんが「さかな」と仲良く同じステージに、BIKKEさんも交えて立っているのを京都で観てきた。ふたつのデュオに共通しているのは、アンチームなステージと、切実な「うた」でもあると思います。「はじめにきよし」は、男&男だけに、さすがに前2者とは趣が違いますけれど、伝わってくる音楽の温かさは共通のものがあると思う。これほど素敵な人たちの音楽を聴いていると、ふつうのロック・バンドの演奏というものがやけに粗暴で味気なく思えてくるのが、怖いといえば怖い。
「ふたり」っていう音楽の「かまえ」は、とにかく親密で、やけに愉しく、とても深い。
あと、お客さんが、みんなアットホームで、いい感じなんですよね。。

あ、それと。
今回のエントリーは、ライブ後の帰りの電車で、ポメラで下書きしました。生々しい印象と、書きそびれたくないことをまずポメラでババーと入力しておいて、帰宅後20分くらいでアップへの仕上げ(んなタイソーなものではないですが)を出来ました。ポメラ、大活躍。来年は使い倒しますよーっ!