みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ピグミーBaka族『Heart of the Forest』とEthan Rose『Ceiling Songs』

nomrakenta2008-11-26


先日、午前10時も過ぎて、行楽のひとが自分とは反対に登ってくるのが目に見えて増え始めたのとは逆に、こちらはひと汗かいたのと、ところどころの木々の葉の色の多彩さに気分が若干恍惚とした気分で、瀧道を下っていると、前をいくおばさんの左手に、紅葉の赤が歩行に合わせて揺れていた。
それがとても鮮烈で、思わずデジカメを構えていた。
撮れるかなと思ったが、こんな感じで撮れていた。



タワーレコードの視聴機に入っていたのを聴いて、即購入。

Heart of the Forest

Heart of the Forest

アフリカ熱帯雨林地帯のピグミーの音楽は定評があるらしいが(前聴いたCD『密林のポリフォニー』も素晴らしかった)、その中でも独自の高い音楽性を保っているBaka族の音楽。
森の中の虫の音、かすかなさえずりなどと呼応するリズミカルな呼吸のリトルネロ
ミニマルなのに微小なリズムの変化が織り込まれているようで、まったく聴き飽きることがない。もっと聴いていたい。女性が毎朝沐浴する川も楽器になってしまうようで、水飛沫のたてる音で豊かなリズムを作り出してます。
ジャケットにもイラストがのっている竹で組んだ(ようにみえる)弦楽器の演奏も、しょうじき下手なミニマル・ミュージックに手を出すより絶対質が高いと断言します。完全に即興なのかどうかは知るよしもないが、爪弾かれる音のひとつひとつはとても素朴でまろやかな響きだけれども演奏自体は速く、フレーズが変化していくところが結構スリリングで、たとえばマジック・サムのギター・ソロにも似た感じがした。ブルースの奏法のルーツも、たどればこのあたりからくるのか?などと興奮してしまいます。
演奏や歌だけではなくて環境音も豊富に取り込んであるので、あんまり音楽的な日常性のようなので、聴いているこちらは陶酔と覚醒を同時に感じて心地よい。


半年に一度、USのフォースト・エクスポージャーさんでCDをまとめ買いしますが、今年最後の便が本日到着。
いろいろわくわくするものがあるが、まずはこれ、

Ceiling Songs

Ceiling Songs

オレゴン州ポートランドサウンド・アーティストで「スモール・セイルズ」というバンド(未聴)もやっているイーサン・ローズという人の1st。新作ではなくて、2006年の作品。昨年日本にも来て演奏していたみたいですが、知りませんでした。最近新しいアーティストに疎くなっているので、たまにこういうのにあたると、非常に嬉しいのですね。
このひとは、プレイヤー・ピアノや壊れたミュージック・ボックスなど古い自動演奏楽器を通常の楽器と合わせて使用して、多分そこからくるエラーシステムも積極的に取り込むようにして、最新のテクノロジーで温かい感触のアンビエントドローンをつくっている。
http://www.ethanrosemusic.com/
http://www.myspace.com/ethanrose
近作の「SPINNING PIECES」は日本で先行発売されているようで、推薦コメントを古川日出男が書いているみたい。