みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

半ば紅葉のやまで落ち葉の音を録り、「スターダスト・メモリー」を観る。

nomrakenta2008-11-22


週末ではひさしぶりに、朝ちゃんと起きて、瀧道へと向かった。
紅葉シーズンなので、出遅れると行楽客が多くて瀧道をじぶんのペースで歩くのに難儀するだろうという推測もあったのです。

2週間ぶりくらいになる瀧道はさすがに紅葉していた。でも、年配の夫婦がぼそぼそ言っているのを通りすぎながらきいたのだけれど「まだまだほんまの紅葉とちゃうな」と。確かに見事に深紅の燃える秋になっている箇所というのは、限られていて、全体的にいうとまだまだ緑や黄色のグラデーションが主体だったので、その指摘は正しいのかも。

それでも空気はキリキリしていて、気分がよく、瀧の上まであがって、山道に入ってビジターセンターまで行った。実は、去年からやろうやろうと思っていたジョン・ケージの植物の音をチャンス・オペレーションで演奏する「Branches」(宅録版)用に、落ち葉の音を録音しようと思って、EDIROLのR09をパーカーのポケットに忍ばせていたのだった。「Branches」では、楽器としての植物を任意で7つ用意するが、その一つとして「落ち葉の音」を去年から考えていて、それで言い訳ガマシイけれど、一年待ったのだ…のですよ。通常(?)「Branches」の演奏では、7人が、上記任意の7つの「楽器」のどれを使用するか、また「演奏」を始めるタイミング、持続時間を易経で決定するという「ハプニング」的な要素が強いようだが、なにしろこちらがやろうとしているのは「宅録版」なので、7種以上の「植物製の楽器」の音をストックして、それをチャンス・オペレーションでタイム・テーブルを作って、音楽ソフト上で「合奏」するというかたちになる…するつもり、なのです。

山へ行けば、落ち葉の音などすぐ録れると思っていたら、結構難しい。
とにかく人の来ないところへ行かなければいけないので、まず瀧道の上へ行かねばならないし、それでも車の音を避けようとするとどんどん山道を登っていかなければならない。適当な枯れ葉溜まりというのも、探すとこれが、ないもので、やっと見つけて20分くらい落ち葉をワサワサ・ゴソゴソ録ってみるが、これでいいのかどうかよくわからない。まあ、また来ようと思って、この日はこれで終了。

昼は梅田に出て、欲しかった服を買って帰った。行き帰りの電車の中は、仕事のワークブックをやっていた。電車の中での方が、こういったことはよく進む。

夜は、いぜん買っておいたDVDでウディ・アレンの『スターダスト・メモリー』を観る。学生の頃に観て好きだったが、大学のそのころの知人がクソミソに言っていたのでなぜか自分のなかで微妙な後味になっていたようだ。冒頭からあからさまにフェリーニの「81/2」だが、人生の岐路にたった映画監督というモチーフまで同じである。それでも、この映画が好きなのは、最後の最後で上映会場でひとり佇むウディ・アレンがいいなあと思うのと、劇中のシャーロット・ランプリングが寝そべって雑誌を読みながら微笑む姿が素晴らしいからだ、と思う。