ル・クレジオがノーベル文学賞を受賞
とのこと。
読みかけのまま放置状態の『向う側への旅』(新潮社版・現代世界の文学)を読まなきゃなあと思う。でも、ほんとうはそれどころではなく、デビュー作の『調書』も、それに続く『大洪水』も手元にあるまま(寝床の脇に積んである)読みつけていないのだった。
そこで、2年前に出た(確かクレジオが奄美に来たときに出た)現代詩手帖特集版の冒頭に収められた作品『地上の見知らぬ少年』から、とてもクレジオらしくていいなあ、と僕が勝手に思っている部分を。

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だけどどのように話せばいいのだろう。この音楽が紡ぎだす言葉の数々は、言語などというものが存在しない国からやって来る。その国では、言語は言語自体できっちりと閉ざされていて、光と同じように、ただ外側からだけ見ることができる。ぼくはそんな言葉がやって来るのを待っている。どうすれば捉えられるのかわかるのを待っている。もうすぐそれはやって来るだろう。いや、もしかするともうすでにやって来ているのかもしれない。群れなす雲のへりに、ひとりの見知らぬ少年が座っている。
――J・M・G・ル・クレジオ『地上の見知らぬ少年(抄)』鈴木雅生 訳
それ「自体できっちりと閉ざされていて、ただ外側からだけ見ることができる」言語、という渇望自体がすでにクレジオの透徹した詩的概念作品なのだ、と僕には思える。
K2で借りてきたdEUSのアルバム。

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ガンズ&ローゼスよりも、ニルヴァーナよりも、トム・ウェイツの『レイン・ドッグス』が与えた衝撃のほうが、より肥沃な土壌をつくったのではなかろうか?
あ、いかんトム・ウェイツの話になってしまった。
ジャームッシュの「コーヒーとたばこ」のイギーとトム・ウェイツのシーン。ウェイツはジャームッシュ映画の常連だしイギーたしか「デッドマン」に出演していたが、初顔合わせ(だと思うが)。
ウェイツが微妙にイギーを後輩扱いしたがっているような素振りで落ち着かないという演出が観ていて可笑しい。最後にジュークボックスをみて「奴のだって入ってない」とつぶやくのが好き。