みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

Solo For Voice 58:18 Microtonal Ragas/Amelia Cuni

nomrakenta2007-11-09


タワーレコードで発見。
90あるケージの『ソングブック』からの抜粋の様子。これもOtherMinds Recordsからのリリース。
詳細情報はこちらから。
インド伝統音楽風のものを抽出していのか、詳しいところはまだライナー読み込めていませんが、音がかなりおもしろい。各ピースごとにAmelia Cuniの伝統的な歌唱法が伝統的な「うた」を離れて歌唱される様も相当に面白いが、それにゆったりと併走するパーカッションやドローン、エレクトロニクスのトリートメントが、極めて当世的な音の広がりを与えていて、クラブでかかっても違和感はない(少なくとも僕は)。そんなラーガ(メロディーのモジュール)やターラ(周期法)といったインド音楽の要素そのままの音像に加えて、その伝統的な様式フレームからは外れた各ピースを構成しているという、チャンスオペレーション的な知的操作があるので、いきなりの拒絶反応をおこされることもなく、じわじわと面白さが伝わってくる。
インド伝統音楽とケージの音楽との間に、いわゆる「Win×Winの関係」を形成することに成功してもいるような、ケージ関係のアルバムとして、これもまた一つの定番になりそうな気がする快作。