みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

その他の音楽

16年前のタバコの焦げ跡に落っことしたこころ:セバドー『BUBBLE & SCRAPE』

Bubble & Scrap (Exp)アーティスト: Sebadoh出版社/メーカー: Domino Records UK発売日: 2008/05/09メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るあれから16年も・という感慨がある、というと若干嘘であり、本当はしっかりと自分のなかで…

ターコイズ・アルマジロ・スカルが夢見る処:ジミー・ダーハムの画集,ノエル・アクショテ「Toi-MeMe」,パスカル・コムラード,MC5のこと。

WBCで日本が韓国に勝ったのを観たあと、家人がこの連休で比良山を縦走するというので千里中央まで車で送る。そのあと、車のFMでかかっていた斉藤和義の曲の入ったCDがないかとブックオフで探したがなく、そのうちもういいかと思って家に帰る道で、近…

みつめるひとの耳は、なにを歌うか、その香りに。

何気に手強い月末。てんてこを舞う快楽。花粉も舞ってる。 ほんとに仕事減ってるんだろか。受電数はかなり健康なのだが。しかも本日付けでお辞めになる方もいらっしゃるので、来月からの応答率が心配である(心配、というか落ちることははっきりしてますが)…

『ジュネ伝』下巻を読み終わる。Nels Clineというギタリスト。

昨日、やっとエドマンド・ホワイトの『ジュネ伝』下巻を読み終わる。ジュネ伝〈下〉作者: エドマンドホワイト,Edmund White,鵜飼哲,荒木敦,根岸徹郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る上巻で、…

4つ目の停止原基のための土曜日 あるいは、自分のエンドルフィンくらい

全体的に「もすっ」(「ねむみ」に不快感を乗算したもの)とした朝であったので、コーヒーを飲んでみてもそれは晴れなかったので、もすもすと瀧道へと出かけた。昨夜みたテレビでは、苦いコーヒーを何故年をとるとおいしく感じるのか、という問題が、漫才コ…

「ねむみ」と「ドン・キホーテ」と「集落のおしえ」

一般に、「まろみ」とか「とろみ」とか、「えぐみ」とか「くさみ」とか、要するに「み」を後にくっつけることで、形容を状態名詞になっているものがあります。この「み」は、たぶん「味」なんでしょうから、そのものの状態をそう呼ぶ話者の鑑賞的な意識を一…

徹底的に、遅らばせながら、ルー・リード「ベルリン」を観る

先日のエントリーで触れたアントニーとルー・リードの『キャンディ・セッズ』の映像。2006年にブルックリンで演奏された『LOU REED'S BERLIN』のアンコールのものだと今日知って、赤面。 いや、冒頭からコーラスで喉を鳴らすアントニーを観た瞬間に、「あ…

Antony and the Johnsons『The Crying Light』を聴く

前作『I am a Bird Now』を視聴機で聴いてもあんまりピンとこなかったことしか覚えていないのですが、昨年末にこの映像を見つけてしまい、それからはニュー・アルバムから聴き始めるのだ、となんとなく決めていた。ルー・リードとのデュオ。 リードのヴェル…

23年目に木をたたく:The Young Gods:『Knock on Wood - The Acoustic Session』

仕事のあと、昨年の夏の『ホープ県』からお会いしていなかったIさんと、梅田で待ち合わせて、『ムジカ・ジャポニカ』で夕食兼ねた呑み。ムジカにライブ以外でいくのは初めてだった。 年始のたたみこむような研修ラッシュで、資料読み込み×スピーチ疲れ(+で…

牛ジャケ:Babe The Blue Ox

そうか、こういう企画も年始はあり、ですよね。 牛ジャケ、というとやはり桃色フロイドが真っ先に浮かびますが、自分にとって馴染みがあるのはこちらです。Color Me Babeアーティスト: Babe the Blue Ox出版社/メーカー: Homestead発売日: 1994/08/05メディ…

2008年の「みみのまばたき」

今年のまとめは、ポメラを使って「紅白」を観ながら、下の階で書いています。 今日は、散髪にいきモコモコになった髪を梳いてもらうだけにして、線路沿いの「王将」で餃子の食べ納めをして、商店街で、ミカンと団子とタバコを買って家に帰り、部屋のガラスを…

『はじめにふちふな、きよしでムジカ2008』@梅田ムジカ・ジャポニカ

今年最後のライブは、やはり、「ふちふな」絡みで。12月30日にムジカ・ジャポニカの夜を新年へと送る「ふちふな」と「はじきときよし」による双頭ナイトも、今年で3回目なんだとか。恥ずかしながら、お初です。セットは前半「ふちふな」、後半「はじめ…

音楽のふたりぶん:98年くらいの「さかな」のホーム・リハーサル映像を『ETCETRA VOL.3』で観る

ことしは通販でCD買うのも控え目でした(当社比)。 世に出る新しい音楽というものにまたはっきりと距離を感じてしまった一年でしたが、その理由はといえば、やはり、作り手(アーティスト)と売り手(ショップ)と買い手(リスナー)が緊密に形成するような…

ポメラ、購入。ジョー・ジャクソンの切っ先鈍らない『Look Sharp!』

29日には、代休をもらったので、今日から既に年末休みに入らせていただいています。一年のご褒美というわけでもないのですが、今日は、梅田まで出て、ヨドバシカメラで、キングジムのデジタル・メモ「ポメラ」を購入しました。このエントリーは初「ポメラ…

いぬのなまえ:打海文三『覇者と覇者』『ハルビン・カフェ』、Atomic『Retrograde』

昨日、瀧道へ登るために、家から小学校に向けて登っていく道のバス道の信号の手前で、大きな土佐犬がのそっと目の前に出てきました。 飼い犬だろ、と思ったら首輪から伸びている筈の紐が見えず、飼い主も見えない。 しかもその犬、なんのためらいもなくスト…

箕面山野猿観測所の放送を録ってみた〜ル=グウィンの想像力〜パティ・スミスの歌

瀧と紅葉。 われながら実に「箕面」的、な写真だと思うんですが…。昨日、朝のうちに、瀧の上まで登って帰るときに、箕面野猿観測所(という小屋みたいなものがあるんです)の放送が、30秒くらいの間隔をあけて流れていて、「猿をみても驚かないでください」…

瀧道で紅葉に浸る〜NHKスペシャル『雨の物語〜大台ケ原 日本一の大雨を撮る〜』に魅入る〜フェイセズの『ウー・ラ・ラ』各種

今年、紅葉見れるのも最後かなと思い、8時過ぎから瀧道へ。 最初枯れ葉色の刷毛でもひいたような印象だったのが、朝陽が谷間に差し込んでくるにつれて谷は色で溢れてきた。 多少恍惚となりながら、シーズン中はドライブウェイが1車線になるのでそのまま車…

ピグミーBaka族『Heart of the Forest』とEthan Rose『Ceiling Songs』

先日、午前10時も過ぎて、行楽のひとが自分とは反対に登ってくるのが目に見えて増え始めたのとは逆に、こちらはひと汗かいたのと、ところどころの木々の葉の色の多彩さに気分が若干恍惚とした気分で、瀧道を下っていると、前をいくおばさんの左手に、紅葉…

いくつかの環状島を、音楽がななめにつないでいると、かんがえてみる。:平井玄『千のムジカ』、ポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』、宮地尚子『環状島』

平井玄の『千のムジカ―音楽と資本主義の奴隷たちへ』は、「ミル・プラトー(千の高原)」から本歌取りされているのであろうとは誰もがすぐさま納得できると思いますが、個人的には、書店で見かけた瞬間、副題の『音楽と資本主義の奴隷たちへ』に正直、後退り…

雨の中のいきもの2、ポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』

電熱の簡易なアロマ・キャンドルをプレゼントされたのですが、香油を持っていませんでしたので、何を、というのは無いのだけれど、せっかくくれるなら香りのひとつもつけてくれたらいいのにとボヤきつつ買いにいきましたら、エッセンシャル・オイル棚は途方…

Smells Like a Radio!:ブリジット・フォンテーヌの再発『ラジオのように』『野ばらは素敵かもしれない』、SION『I DONT LIKE MYSELF』

先日の『異本論』で本文から引用したような「あたまのなかの見えない編集作業」というのは、読むよりは、はるかに受動的ではあるにせよラジオを聴くときにも起こるよなあ、と。ラジオのように(紙ジャケット仕様)アーティスト: ブリジット・フォンテーヌ出版…

夕闇の瀧道に猿。そして、外山滋比古:『異本論』、タージ・マハール:『The Real Thing』

高気圧が飽きもせずくりかえし日本をとおり過ぎているらしく、10月も中旬というのに日中かなり暑いと感じたので、それが収まるまで本を読んでいよう、と居直った。 4時半くらいに陽が勢いを失くしたのでそのまま瀧道へと。 行楽客がいそいそと退散し始め…

neco眠る『Engawa Boys Pentatonic Punk』、椎名誠『本の雑誌血風録』、ポラロイドの生産中止

この夏の『HOPEKEN』の最終日が、このアルバムのリリースパーティーだったのですが、夜10時以降の出番を待てずに退散してしまったワーカホリックでしたが、やっと、レコ屋店頭で見つけました。engawa boys pentatonic punkアーティスト: neco眠る出版社/メ…

「ぼくが軋轢ってやつに夢中だって、知ってるだろ」:テレビジョン『マーキー・ムーン』

およそ同情というものは買えるものではなく、かといって売れるものではないから、要するに同情に似た感情を他人に対して抱いてみるものである。それに価値がないわけでは、もちろんない。ちょっと仕事の疲れが出てしまいましたが。 昔、大槻ケンジのエッセイ…

アメリカの貯木池、もしくは読みちがいもまた再読の糧:リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』

昨日・今日とずっと雨がしとしと降っている。 ざあざあではないので、心地よい。 このまま一週間くらい降り続けるのも悪くはない。 洗濯物が大変だけれども。写真は一週間以上前の雨あがりに撮ったものなので、ちょっとずるい。ミドリは急速に秋に向かいつつ…

瀧道の休みの国

9時頃にのそのそ起きだしていつもの瀧道へのたのた行ってドライブウェーまで出て折り返すときに、瀧口の道の両脇に売店というか食堂があって、それは経営者が同じ人なのかどうかも知らないのだけれど、いつもは谷側の店しかやっていないに近い雰囲気で、山…

ローランド・カークの『笛吹き男がやって来た』

今年のメインイベントである、本格的なシステム移行が始まった。 予想は十分していたことながら、着信数はセンターのキャパを遙かに超えていて、こちらとしては人員を増やすなど、できるかぎりの処置はしているのだけれど、平素をかなり下回る応答率になって…

夏の終わりにオーネット!:千野秀一トリオ + 川端稔 @graf salon

ひさしぶりに瀧道を歩く。夏バテやら雨やらで、丸2週間は歩いていなかった。 こないだの『ホープ県』でもらったビラで観に行くことに決めていたライブへ。『ホープ県』のBRIDGE即興勢が、そのまま北から中之島に漂着したかのような(…すいません)風…

ホープ県で扇風機の火花でチルアウト@梅田シャングリラ

ライブ日照りを解消しようといってHOPKEN presents 「ホープ県」という三日のイベントに行ってまいりました。といっても実際観にゆけたのは16と17のみ。出演者の面子からいって「FBI」もしくはブリッジ勢を引き継いでいるような印象の16日が…

玩具風景:エリクソン『玩具と理性』を読む

E.H.エリクソンの『玩具と理性』を読んでいると、文脈も考慮せず引用したくなるフレーズに色々とぶつかる。冒頭のウィリアム・ブレイクの引用からしてそうだ。 子供の玩具と老人の理性とは、 二つの季節の果実である。 本書は「玩具の世界は、子どもの築く港…