みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2010-01-01から1年間の記事一覧

告知関連:鈴木昭男『SOUND REPORT』ほか

7月4日に心斎橋で、鈴木昭男『SOUND REPORT』があります。僕はすでに予約いれておきましたが、以下のイベントを紹介させていただきます。定員もあるので興味あるかたはお早めに是非。 鈴木昭男 『SOUND REPORT』 2010年7月4日(日)開場6:30 開演7:00 前売…

レインコーツ@十三ファンダンゴ

大目にみて自分がはじめてレインコーツに興味をもったグリール・マーカスの『ロックの新しい波』を読んだ頃(1989−90年)を勘定にいれるとしても20年。20年ずっと待ち焦がれていたのかといわれればきっと嘘になってしまうのだけれど、こんな日がく…

入梅耳瞬

大阪も昨日から梅雨入りで、庭のアジサイさんもとうに咲いております。 梅雨入りと同時に、ムシムシと湿気が襲来し、イヤホンは首にまとわりつくわ、文庫本のページは10ページ単位でめくれるわで、とてもわかりやすいですが、そういえば、このアジサイは、…

Luo Chao Yun & 豊住芳三郎 Japan Tour@中崎町コモンカフェ

今夜は10分くらいのセットを3つやって一部が終了(そのあと二部があったそうです)。そのあいだ、時間の流れが立ち疎すくんでいるような美しい瞬間が何度もあった。二つの音の重なりが疎まばらになることはあっても、そこに疎おろそかな音はひとつもなか…

書物のからだ/政治のなまえ と『MusicImprovisationSeries』@中崎町コモンカフェ。

『ル・モンド・ディプロマティーク』のちょっと前の記事「ギリシア危機から脱グローバル化へ」を読んでいると、高い債務にかかわらず日本の危機が世界的に喧伝されないのは、日本国債のほとんどを国内貯蓄が消化しているからで、国際投資家の影響をシャット…

『死なないための葬送―荒川修作初期作品展』@中之島 国立国際美術館

荒川修作はこの二回展ではじめて棺桶の作品を作った。棺桶状の箱の中に絹で覆ったクッションがあり、その上に薄い綿で覆われたセメントの死体的な物体が恭々しく供えられている。 荒川にしても私にしても、その時期に展開していく自分のスタイルをその二回展…

『サロゲート』『ブルーマスク』

サロゲート [DVD]出版社/メーカー: ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント発売日: 2010/05/21メディア: DVD クリック: 25回この商品を含むブログ (45件) を見る 粉川哲夫氏の『シネマノート』の評が、めずらしくけちょんけちょんでなかった記…

大本雅彦『星の舞台から見てる』を読み始める。David Tudor『Bandneon!』

「人類は、今だって、麺類。」という、かつての安藤百福さんの言葉をリニューアルした日清食品のCMが、小売・店舗に限らず麺商品全体の売上を底上げしている。オアシスの「Don't Look Back in Anger」をバックに、若きハリソン・フォードが、今度は刑事に…

新緑、ゲゲゲとリヒトにアペル

『ちゅらさん』のあと、まったく朝ドラを見なくなったのは、たんに自分の勤め先が変って家を出る時間が早くなったというだけではなく単純に興味がわかなかったからですが、今季の『ゲゲゲの女房』は、よくぞ企画したNHK、という気がしていて録画しても全…

春一番2010@服部緑地

今日は、昨日よりも暑い!でもお客さんの入りは昨日と比べると落ち着いていて、居心地がよかった。 進行はこんな感じでした。モーガンズバー 3つの赤いふんどし 大介BAND 天野SHO ベース一本で登場して、会場を沸かせてしまった。とくにスペーシーなベースの…

春一番2010@服部緑地

今年も「春一番」にいってきました。2日目から。はるいちは今年で通算25回目らしいです。ぼくがはるいちに行くようになってからこの時期必ずといっていいくらいに雨模様だったのですが、今年は連休中ずっと晴れみたいで、素晴らしい天気というか、すでに…

『マイ・フェイバリット』@京都国立近代美術館と『ELECTRIC CHINO TRIO!』@中崎町コモンカフェ

連休中に会期が終了してしまう、および4Fの展示が凄いとIさんの奥さんにきいたので、いそいそと京都へ行って、『マイ・フェイバリット——とある美術の検索目録/所蔵作品から』をみてきました。京都国立近代美術館のお蔵だし、ということなのだと思うのだ…

『雯(ぶん)2010』@心斎橋クラブ・クアトロ

進行役しておられた森本アリさんがいみじくも仰っていたように、これは自分にとっては、「ブリッジ同窓会」と思って観に来たし、そうも感じた。そして決してブリッジのあの場の空気は戻ってこないものだとも実感できたイベントになりました。と書くとおもい…

蝶番に接木する3

8時に起きて眼科へ。9時から診察なのだけれども、ここの眼科は8時半から待合が人で埋まっている。 結膜炎の患いのあとさきで目の状態を診てもらうという話だった。 結膜炎は完治したようで眼球や眼圧も元に戻ったらしかったが、昔から弱い右目の視野を測…

梅田哲也のCD+DVD『○(しろたま)』

ずっとFBI(Festiva Beyond Innosence)などの即興演奏のシーンにも軸足を置いて活動してきた梅田哲也からしてみれば、ギャラリーで演奏することこそあれ、そもそも現代美術の延長線上にいることなどまったく関心がないのだろうし、梅田哲也が作りだす音…

目患いと桜:Zeitkratzerの現代音楽2枚、ステファン・ナドー『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』、リチャード・ブローティガンの未発表作品集

並木の桜も散り始めています。来週には終ってしまいそう。でも、この1週間、朝の通勤時には贅沢な気分を味わえた。 今日は、瀧道には行かず、朝から眼科に行って患っている結膜炎の薬をもらってきました。 クリニックを出たあと、パンを買うために普段は通…

この金色は保存できません。

そんなメッセージが出てシステムの利用ができなくなったという問い合わせが入ったのでベンダーに調査を依頼すると、どうも変換される画像に含まれる金色の中から引き去られる緑色成分の値が問題らしく、存在しない色彩という認識になるので件のメッセージが…

結ばずにほころぶ/のりしろを歩く:西川文章×半野田拓×Tom Hall×Tim Olive@中崎町カフェコモン

むしろエイプリル・フールは、一年でいちばん嘘がつきにくい日ではないのかというツイッターでのつぶやきに頷きながらの新年度。かなりアグレッシヴな人事異動があり、気持ちがリセットさせられる。とくに無理からでもない感じが自分でも意外。昼休みに書店…

桜のつぼみとシェシズ@梅田ムジカ・ジャポニカ

週末から気になっていた近所の桜坂のサクラにつぼみがきっちりとついていた。 もう3月も終わり近くなのだし、ちっとも不思議なことではないんですが、今年はなんだかとても長い冬のようでもうこのままずっと冬なんじゃないかとさえ思っていたところに、忘れ…

春場所初日・映画『NO NEW YORK 1984-91』・ドゥルッティ・コラム『Paean to Wilson』

Iさんご夫妻に誘われて、生まれてはじめての相撲観戦。春場所の大阪府立体育館がこんなに職場と近かったとは…!序の二の段くらいから観ましたが、幕入りまではスカスカでそれも居心地のいい感じだったですが、幕入りになるとみるみる客席が埋まりはじめて、…

トモコ・ソヴァージュ『ombrophilia』

2と7トラック目の「Raindrop Exercise」が、ほんとうの雨のしずくを使っているのかはわからないけれど、水滴が奏でるトーンの連なりは、コンポジションやインプロヴィゼーションという程度の差こそあれ「意図」の範疇から抜け出ていて、雨漏りの時間がゆっ…

ロスコー・ミッチェル『L-R-G/The Maze/SⅡ Examples』、天沢退二郎『宮澤賢治の彼方へ』

今年も、酷い花粉症でして。 夜中に思わず起きてしまい、そのあと一時間くらい鼻をかんで朦朧としながら過ごしたりしている。市販の抗アレルギー薬で平日は凌いでいるものの、身体が慣れてしまうと効き目もなくなるだろうと予想がつくのがこわい。数年前にレ…

アバターもエクボ、とすでに誰かが言っている。

…いきなりくだらないタイトルを…。 『アバター』観てきました。 話しの筋がほとんど『ダンス・ウィズ・ウルヴス』であり、ジェームズ・キャメロン監督自身も言及している、というのを、つぃたーで読んでいたので、ありがちな落胆、とかはありませんでした。…

ロイヤルハンチングス@谷町6丁目cafebarポコペン

女子モーグル、上村愛子は頑張った。使い古されたことばしか思いつかないけれども、勝ち負けじゃない、ってことが伝わってきた。 涙で頬を濡らしながらコメントする上村選手は、清々しくて格好良かった。きっと4位は1位で、メダルは目に見えない色をしてい…

陽ひの降る谷間を登っていったら、太陽を追い越した。

という言葉を、なぜかひるまに瀧道を登っているときに、あたまのなかで反芻していました。 歩いているときに、ふいにやってくる言葉というのがあって、それは、自分の姑息な意図からはとりあえず離れているような気がするのが気持ちよい。今日は太陽がよく照…

ゲラシム・ルカの音声詩『情熱的に』とヴィトゲンシュタインの『色彩について』

昨日、水声社の『ゲラシム・ルカ』の抜き書きをさせていただいたら、小笠原鳥類さんからメールを頂いて、大学時代の恩師にあたられるのが著者の鈴木雅雄氏であることを教えていただきました。 講義の折にもゲラシム・ルカの話が多く、なかでもルカの吃音の音…

土曜の夜は、もう、日曜の朝

昨日の夜、朝青龍の引退会見をやっとYouTubeで見ていて、無念さが伝わってきて、こちらも悔しい思いが湧いてくるのを抑えられませんでした。 はじめは朝青龍に嫌悪感を持っていたような憶えがありますが、こうなってみると、むしろここ数年の自分は、横綱・…

蝶番に接木する2:シシリー島のフォークミュージック

昨夜にひきつづいて、今夜の月もまんまるでひときわ明るい。世界のすべてを書きとめたと思った男がふと顔をあげて、 あの月のことを忘れていたと驚愕する、 というボルヘスの短い話を思い出す。月を見ながら感じる酔いは、アルコールのそれとは違って澄みき…

「閉じられた世界で誰かが何かに恋をする。するととたんに世界が開かれる。」(F.ガタリ)

※エントリーのタイトルは『精神の管理社会をどう超えるか?』(松籟社2000)からの引用。昨日、アマゾンでお急ぎ便で注文したプリンターが、「ネプリーグ」を見ながらお昼を食べているときに届く。今までプリンタがいらない生活をしてきたのである…(スキャナ…

じわりとしたなにか:Philip Corner『Piano Work』、テンプル・グランディン『動物感覚』、村上たかし『星守る犬』

金曜の仕事帰りに、梅田の書店で目当ての文庫本を買ったのに、そのまま帰るのが惜しくてうろうろしていると、社会学の特集棚が設けてあるなかに、テンプル・グランディンの『動物感覚』という本が置いてあるのを見つけて、手にとってしまった。 なんで社会学…