みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」

ロジェカイヨワは、およそ「遊び」と呼びうるものは、4つのタイプに分けられるとした。有名な「競技(アゴン)」、「賭け(アレア)」、「模倣(ミミクリ)」、「眩暈(イリンクス)」の4つである。例をあげれば、サッカーはアゴン、競馬はアレア、カラオケはミミ…

高橋悠治+渋谷慶一郎+Maria(コンピュータ)のATAK007高橋悠治+渋谷慶一郎+マリ

ガリガリしたグリッチとかのノイズだと思って試聴したら、思いのほか伸縮性のある音が粒だっていたので。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ということでタワーレコードに負けた。完敗でした。

志人/玉兎「Heaven's 恋文」

「降神」のMCの1stソロらしい 日本語のラップは誰でも知っているもの以外はSHINGO2ぐらいしか知らない全く不案内なジャンルだが、これも試聴で好きな声質だったのと、「Mag For Ears」のレビューで読んでからずっとアンダーグラウンド・ヒップホップを聴きた…

Ris paul ricの「Purple Blaze」(右上写真)

元Q and notU(ディスコード出身らしいこのバンドは未聴スイマセン)のChristopher Paul Richardsの初ソロとのこと。試聴して、屈折しながらも艶のある曲が、驚くほど良かったので、全く予備知識ない状態だが、今ちゃんと聴かなきゃいけないアルバムだと思って手が…

スケルトン・クルー『Learn to Talk/The Country of Blinds』

フレッド・フリスとトム・コラのアヴァンロック街頭即興(?)ユニットの二枚のアルバムをコンパイルしている。値段がちょっと高いが、この性急で凸凹なノリとフォークな旋律、甲高い声(ノーウェイブ伝統といってもいいかも、矛盾してるけど)を聴くと興奮よりも…

ディスヒートの「This Heat」

説明不用全世界待望のリマスター再発。ポストロックはすでにここから始まっていたのだ。プロダクションについては色々と不満な方もいらっしゃるようだが、この音響作品が発している強烈な違和感は十数年前の初体験からちっとも衰えない。ああ、ダメだってそ…

ディスヒートのリマスターあるいはやっぱり俺はアホやろか

会社帰りに梅田マルビル・タワーレコード脇のぴあで、十三ファンダンゴでのディアフーフとあふりらんぼ(2/25)のチケットを買い、そのままふらっと店内を覗くと、物欲との戦いになってしまった。欲望に負けたのは以下の通り。

仲正昌樹のドゥルーズ+ガタリへの言及

仲正昌樹の「ポストモダンの左旋回」を気になるところを斜め読みしている。日本のポストモダン論者への批判が本書の趣旨だが、自分としては、批判の方向がはっきりしているため、今までちゃんと把握していなかった相関関係がとても理解しやすく(もちろん危険…

スペース・ネグロスのガレージサイケ・エスニック風味

2003年、一番気になったCDだった。今は亡き心斎橋の「人類レコード」で教えてもらったアメリカの異能バンド・スペースネグロス(!)の92年の怪作。このスペースネグロスは、70年代からのキャリアがあるErik Lindgrenという人(パンク時代にやってたMoving Pa…

ナム・ジュン・パイク死去

ジョン・ケージのネクタイを切ったり、ヨーゼフ・ボイスとの講演で眠り込んだり、音楽を「退屈にする」技術がまだ無いといったり(ケージへの揶揄?)、ヴィデオやジャンクのTVで作ったロボットとか・・・ その人がいなくなってしまった。

滝道散歩とミニマル絵画作成キット

昼前に起きてスパゲティを茹でて食べたあと、箕面大滝の滝道を散歩。この滝道は、往復6kmの程よい行程で天気の良い日や桜や紅葉の季節は「蟻の箕面詣で」になるが、今日は特に寒いからか、人はまばら。気分良く歩けた。写真は、箕面温泉スパーガーデンのケ…

Amazonからやっと

今週は、新しいシステムを全国で使い始めたこともあって問い合わせが多く、てんてこまいだった。ほっと一息ついているところ、アマゾンからやっと商品発送の知らせが届く。ほぼ2ヶ月かかった。注文したのは下記の通り。明日の到着が楽しみ。 画集(アートブッ…

フレッド・フリスの「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」

1980年代後半のフレッド・フリスとその周辺のミュージシャンを扱ったドキュメンタリー映画「ステップ・アクロス・ザ・ボーダー」が数年前にDVDになっている。公開当時は、自分の情報不足のため十分楽しめなかっただけにこれはほんとにありがたかった。今観返…

二つの夜。

アラン・リクトとローレン・マザケイン・コナーズによる即興二夜のギターアンビエント。といっても二つの夜の演奏を聴きわけることはほとんど不可能で、共通したアトモスフィアがある(あるいは、しかないのか)、海底で夢見るようにひたすら遅延していく爪弾…

ピンク・フロイドの「おせっかい」

特に2〜5曲目は、僕の中ではどこかAngels of Lightともリンクしていて、素朴だけども力強い。クレイジー・ダイヤモンドの強烈なサイケデリックをくぐり抜けてきたからこそ、か。アルバム邦題も好き。

ティム・バックリーのライブ盤「Dream Letter」

夭折のアシッドフォークの天才、そしてジェフ・バックリーの父親のライブ・ドキュメント。スタジオアルバムよりもずっとのびやかなバックリーが堪能できます!2.「Buzzin' Fly」などはいつ聴いても12弦の響きとその力強い歌に酔いしれてしまう。バックの演奏…

マイケル・ジラの「他者の歌」

元スワンズのマイケル・ジラによるユニットによる、徹底的に他者の存在を歌いあげた力作だと思います。純然たる他者こそインスピレーションの尽きざる源泉という事でしょうか。あるいは、そこから/そこに向けて 歌は隆起してくるのかも。スワンズの解消後、…

半野喜弘の「Angelus」

豪華ゲストをシンガーに迎えた才人の「歌」へのアプローチ。「ピントを合わせないこと」に徹底した緻密な造形と配置には聴きほれるしかない。歌も音も互いをずらしあっているかのようでそのモアレが広大な空間になる。

ヴァシュティ・バニヤンの名盤

瞬く間にフリーフォークのクラシックとなって復刻された伝説の作品。逸脱の感覚を求めるより、そのまま繊細なフォーク(民謡・童謡)の玉手箱として味わいたいです。

ブリジット・フォンテーヌとアレスキ「幸福」

普通ここは「ラジオのように」ですが、ブリジット・フォンテーヌとアレスキ色のバランスも良い75年発表のこちらもおすすめ。パリの雑踏や過ぎ去ったアジテーションの季節の記憶が懐かしさの中に包み込まれ、ともにまどろむブリコラージュな時間。

話題の人バンハートの最新作

話題なので買ってみました。失礼ながらもっとアウトサイダーアート的にお構いなし状態かと思っていました。1曲目から音がキラキラしているし、ニック・ドレイクみたいな歌いだしで好感を持ちます。ティラノサウルスレックスっぽいとのことですが、パーカッシ…

フリーフォークはポストロック?あるいは歌の隆起

最近よくレコード店で特集棚が出来ているフリーフォークって何だろう?フリージャズが先行するジャズに対してとった方法が、今度はフォークに対しても有効ということ?またぞろいわゆる洋楽パラダイムの乗り換え時期なの?もちろんそれは音楽メディアが名づ…

緋色の冒険

もちろん、あのテレヴィジョンです。ボーナストラックも一杯ついて、とてもとても嬉しい再発。「Adventure」ってタイトルチューンがあったなんて知らんかったよ・・・私はアルバムとしては、時々息苦しくなる「Marquee Moon」よりもこのどこか爽やかな(もし…

NYの幽霊ギタリストとシカゴの才人:ギターインプロ共演:マザケイン・コナーズとデビッド・グラブス

7年くらい前だったと思うが、Loren ConnersとAlan Lichtが共演した「Two Night」(フリーフォークカテゴリで紹介)っていうRoadCornから出てたCDにこれ以上ないというくらいはまっていました。 その頃、兵庫県の印刷会社で働いてたんですが、そこから大阪まで高速使わず…

米朝さんの「はてなの茶碗」をきく/ライブドア/その他

週明けもあって仕事がひっきりなし。休む暇なし電話応対。目がまわる。 こういう時はなかなか音楽を聴いたり読書したりする余裕がないようで、紀伊国屋さんに立ち寄っても物色に熱意がこもらず疲れるだけ。 なのでさっさと帰って、米朝の落語「はてなの茶碗…

落語

レンタル屋ではじめて落語のCDを借りる。桂米朝と古今亭志ん生を一枚ずつ。落語は一度ちゃんと寄席できいてみたいけど、なかなか適わない。先ず志ん生の「猫の皿」をきいてみた。ドラマの「タイガー&ドラゴン」でも採り上げられていた有名なはなしですね。…

米実験音楽の重箱

実験音楽が続いてしまいますが、これは極めつけの一つ。 メンツをみてもわかる通り、真性のアメリカ実験音楽第二世代(第一世代はケージとかフェルドマンでしょうか・・・)によるアンアーバーで繰り広げられた熱い時代のドキュメント。こんなんあったんか!…

豊饒な日本のロック

「ロックンロール七部作」の冒頭に本作収録の「World's End SuperNova」の歌詞が引用されていたので、今更ながら気になって聴いてみた。くるりは気になりながらも「TeamRock」以外全て聴き逃してきている。こうやって聴いてみると、彼らの音と言葉のセンスの…

妖怪小説

京極夏彦の小説は数年前にはまってよく読んだ。 「妖怪小説」という意味では、「豆腐小僧」が一番的確なんだろうと思う。マニアックな妖怪の名前がタイトルに入った本が書店で平積みになっているのを見るだけで水木ファンとしては嬉しかった。京極堂シリーズ…

Mark Applebaum

Tzadikからでる作曲家紹介シリーズに、数年来にお世話になっていまして、大分前になりますが、ゴードン・ムンマのライブエレクトロニクスとかクリスチャン・ウォルフの「Burdocks」とか、マーク・リボーの作品では、現代音楽のおもしろさを教えてもらいまし…