アラン・リクトとローレン・マザケイン・コナーズによる即興二夜のギターアンビエント。といっても二つの夜の演奏を聴きわけることはほとんど不可能で、共通したアトモスフィアがある(あるいは、しかないのか)、海底で夢見るようにひたすら遅延していく爪弾き合いが、決して到達することない「歌」への迂回路を暗示する。とはいえ、二人の共演盤はこのあとも何枚か続いてリリースされるが、その中の「Silent Wound」というタイトルが示すように、傷口を曝け出しつづけるような痛々しいテイストは一貫している。その中では、この「Two Nights」は比較的甘美な方だろうと思う。