みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

仲正昌樹のドゥルーズ+ガタリへの言及

仲正昌樹ポスト・モダンの左旋回ポストモダン左旋回」を気になるところを斜め読みしている。日本のポストモダン論者への批判が本書の趣旨だが、自分としては、批判の方向がはっきりしているため、今までちゃんと把握していなかった相関関係がとても理解しやすく(もちろん危険もあるが)や、ドゥルーズ+ガタリに割いた章など、自分の経験からいってもうなづける箇所があっておもしろいのだ。


ただし、彼ら二人(引用者注:ドゥルーズ+ガタリ)について現代思想少年たちが抱くイメージは、この十数年の間にかなり変化した。最初は、もっぱら「明るい芸術運動」の旗手として知られていたが、最近では、特にガタリに関して、「粘り強い抵抗運動」の旗手というイメージの方が強くなってきている。そうしたイメージの変化は、彼ら自身の仕事の内容が変化したというより、日本での紹介者が交替したことに起因するように思われる。
                        (「ポストモダン左旋回」p.168)

例えば上記のような引用箇所だが、世間では当たり前の事でも、最近になって遅らばせながら著者の指摘通りガタリに関して、やっとこそういう読み方を発見しかけているので、より実感が涌いてしまうのである(とはいえ主たる動機は元をとりたいというものですが)。