みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」

ロジェカイヨワは、およそ「遊び」と呼びうるものは、4つのタイプに分けられるとした。有名な「競技(アゴン)」、「賭け(アレア)」、「模倣(ミミクリ)」、「眩暈(イリンクス)」の4つである。例をあげれば、サッカーはアゴン、競馬はアレア、カラオケはミミクリで、ジェットコースターはイリンクスといえると思う。真剣に考えすぎるとうかつにうつうをぬかせなくなるので要注意だが、初めて他人から教えてもらったときは、アッと思ったものだ。
ライブドアの事件は、もちろん「遊び」とは全く正反対のものだが、堀江元社長のパフォーマンスをつらつら思い出していると、皮肉だけどなぜか下に引用した言葉が似合うように思えた。

遊び、しかも束縛されない遊びがなければ、また意識的につくられ、自発的に尊重される約束ごとがなければ、文明というものは存在しない。邪心がなく、勝利におごらず、負けても怨まず、つまり、「立派な遊戯者」としてフェアに勝負を行うこと、もしこういうことができず、望みもしなければ、文化というものはありえないのである。
(ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」講談社文庫版 p.298)