みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

深まる秋を横目に:ビル・ホルム『NORTHWEST COAST INDIAN ART』フィリップ・ロベール『エクスペリメンタル・ミュージック 実験音楽ディスクガイド』

nomrakenta2009-11-06



保険法改正のための対応に追われながら、いつまでたっても出状されない社内規定の業務ファイルをイライラ待ちつつ、勝手に深まっていく秋を横目でみている…そんな感じの一週間だった。

火曜の休みは、午前中配達予定だった新調したスーツの到着を待って、そのあとは、千里中央までてくてく歩いてみたりしました。家人は、興福寺の阿修羅像を観に行っていたそうで、やっぱりすごい行列で2時間くらい待っていたらしい。

そろそろ瀧道も紅葉のシーズンになるはずで、そうなったら、かなり早起きしなければ、紅葉見物のひとたちの行列のなか身体を動かすのも困難になってしまう。


ちょっと遡及して、先週の日曜日は、雨のなか大阪市立大学の学祭に、渋さ知らずを観てきました。短かったけれども、久し振りの「渋さ」。祝祭的な爆発力がうれしかったです。


先日のエントリーで書いたビル・ホルムの『NORTHWEST COAST INDIAN ART』をアマゾンで検索してみたらあったので注文してみた。

Northwest Coast Indian Art: An Analysis of Form (Thomas Burke Memorial Washington State M)

Northwest Coast Indian Art: An Analysis of Form (Thomas Burke Memorial Washington State M)

出版元であるUniv of Washington Pressで一番売れて版を重ねている本でもあるらしい。ペーパーバック版となっていたので、かつて大学で手に取ったものとは違うのかなと思っていたら、そのまんまの体裁だったので、嬉しかった。


形態素に分解し、分類し、文様化に潜む論理を列記していくビル・ホルムの手つき。この仕事は、芸術批評での「構造人類学」といっていいでしょう(合掌、レヴィ=ストロース)。

「彼ら」の独特のフォームラインは、純粋に平面性の特性を最大限に有効利用したものでもあったと思う。たとえば、そのフォームラインをそのまま立体に移し替えたようなトーテム・ポールの造形は、マッスを活かし切れていないように、個人的には思っていた。
Symphonies 1-10

Symphonies 1-10

  • アーティスト: Norma Procter,Marjorie Thomas,Dietrich Fischer-Dieskau,Gustav Mahler,Rafael Kubelík,Júlia Hamari,Bavarian Radio Symphony Orchestra,Edith Mathis,Elsie Morison,Martina Arroyo,Erna Spoorenberg,Donald Grobe,Bavarian Radio Chorus,Tölz Boys' Choir,Regensburg Cathedral Choir,Munich Motet Choir,North German Radio Chorus,West German Radio Chorus
  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2006/01/02
  • メディア: CD
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ここ数年、間欠的に訪れるクラシックをちゃんと聴こう症候群。今回は「マーラー」でした。とりあえず「巨人」は好きみたいです。
エクスペリメンタル・ミュージック―実験音楽ディスクガイド

エクスペリメンタル・ミュージック―実験音楽ディスクガイド

いつの間にか出ていた、ど真ん中ストライクなディスク・ガイド。装丁のイラストはなんと、AMMのキース・ロウ(Keith Rowe)の手になるもの。ちょっとでもこのあたりの盤が好きなひとなら、キース・ロウのイラストの妙味はご存知かと。
フィリップ・ロベールという1958年生まれのフランス人の音楽ライターと書いてありますが、採りあげられているアーティストはかなりハードコアな人ばかりで、それぞれ短い紹介文でまとめられています。この分野では久し振りに納得のいくディスクガイドかと。
ノエル・アクショテの序文もそうであるように、文章の端々から、いかにもフランスの知識人的なスノッブ感が横溢しているところは、ひとによっては好みが分かれるところかも。でも、まあそのバイアス自体が読みどころ、ともいえるでしょうか。ただ、大友良英氏の紹介のなかで、当のご本人から相当量の訂正を追記されているところなどを読んでしまうと、他の文章のなかにも同じような事実誤認がどれだけ紛れているのか不安にはなってしまう。
それでも、クルト・シュヴィッタースイシドール・イズー、ジャン・デビュッフェなどを外さないところは、非常にうれしい…です。
ちなみに、本書の著者は、ジョン・ケージについては、少し批判的に構えている様子。そういうのも、おもしろい。



秋になると、好きな色彩が溢れてきます。


今月はかなりおもしろそうなライブ・コンサート・イベントがありますが、結局行けそうなのは以下のような感じ。
備忘録的に。

●11月7日(土)『 月刊かえる企画 』@神戸BigApple
『 ひょうたん総合研究所 』植田朋子,森川訓恵(ひょうたんによる自作楽器)
『 夕月新三郎+playpot 』(くらもと、森川、植田 ?)
『 かえる目 』細馬宏通(vo,g) 宇波拓(g) 木下和重(vln) 中尾勘二(cl,perc)
 倉地久美夫

●11月8日(日)John Cage 100 Anniversary Countdown Event@京都芸術センター
 1  0'00'' (1962)
 2  Ryoanji (1983), Branches (1976)
 3  Primitive (1942)
 4  One7 (1990), Piano Duet (1960)
    One 3 (1989), Swinging (1989)
稲垣貴士、重森三果、竹村延和、ニシジマ・アツシ、Haco、村井啓哲、森本ゆり

●11月14日(土)映画『トーテム:グブスゴロックス・ポールの返還』@国立民族学博物館:講堂
13:00〜15:30
●11月15日(日)SOLMANIA@難波ベアーズ
●11月28日(土)ミン・シャオフェン / 田中悠美子 / カール・ストーン TRIO@旧グッゲンハイム邸
●12月 5日(土)Koyaanisqatsi Echoes #04~VERMILION SANDS only / FREE LIVE』VARMILION SANDS@十三ファンダンゴ
●12月 6日(日)映画『極北の怪異(極北のナヌーク)』@国立民族学博物館:講堂
13:00〜15:30

●12月11日(金)『 THE ELECTRIC PANIC !!! 』JOJO広重 (g)毛利 桂 (turntable) Tim Olive (electronics)磯端 伸一 (g) @神戸ビッグ・アップル