この夏の予定と日録 その他
今年の8月のロイヤル・アルバートホールでのPROMSに行くことにしました。
今年はジョン・ケージの生誕100年。これを祝う一日ということで、思い切ってチケットと航空券を入手。
出演者が豪華。ピアノにJohn Tilbury、Frank Denyer、高橋アキ、Christian Wolff(!)。ライブエレクトロニクスの4人演奏でDavid Behrman(!!)、小杉武久(!!!)Keith Rowe(こないだ握手した!)。他に知っているだけでもSteve Beresford、Adam Bohman、Jonathan Bohman、John Butcher、Rhodri Davies、Christoph Heemann(!!!!)という…。指揮者のIlan Volkovは今年の2月に来日している様子。Adam Bohman、Jonathan Bohmanはユニークな実験音楽デュオ「The Bohman Brothers」の二人だと思います。Adam Bohmanは「Morphogenesis」という即興グループのメンバーだった。
Christian Marclayのオーケストラ即興作品が挟まれているのが興味深いです。『枝々(Branches)』も演奏されるみたいです。
Prom 47: Cage Friday 17 August 2012 - 7:45 PM
【プログラム】
Cage
- 1O1 12'
- Improvisation III 12'
Christian Marclay
- Luggage 2012 - improvisation for orchestra c5'
Cage
- Atlas eclipticalis/Winter Music
- Cartridge Music 30'
interval
Cage
- Concerto for Prepared Piano and Orchestra 20'
- Four² 7'
- But what about the noise of crumpling paper... 15'
- Experiences II 3'
- ear for EAR (Antiphonies) 2'
David Behrman, Takehisa Kosugi, Keith Rowe & Christian Wolff
- Quartet - improvisation c25'
Cage
- Branches 20'
【日録】
5月某日
以前購入したマイク「テリンガ」は付属入力プラグをレコーダーに繋ぐと確実にガリガリとしたノイズが出た後録音できなくなる症状があったので販売店に実物を送り返していたのですが、やはり接触不良があったとのことで無事修理されて到着。その日に瀧道に登って録音・確認。
5月12日(土)
民博で今和次郎展。
今和次郎が残した膨大なスケッチ。特別展示用の別館は1Fだけの利用だが充実していた。訪れている人も熱心な人が多く、いつもの民博と客層がちょっと違っていると感じました。
5月30日(水)
北堀江FUTUROで、高岡大祐(チューバ)、Martin Taxt(チューバ)、江崎將史(トランペット)の投げ銭ライブ。
閉店した本町ヌオーで見たMicrotubのMartinさんの日本滞在最終日(とはいえ一回帰国しておられるそうですが)チューバ2本にペット1本の金管3本による即興の夜。前半は、Martin×江崎、江崎×高岡、高岡×Martin、でデュオ3セット。後半は3人によるセット。極々微細の音量での出音や、吐息に近い音が金管を震わせる倍音、あるいは金管ボディーそのものをパーカッション的に使用した音。こういった演奏がいわゆる「特殊奏法」なのかどうかよくわからないけれど、この夜重要だったのは三者三様に必然性のある演奏だったということで、後半のセッションでは3本の金管の音はもはやひとつに溶け合ってFUTURO店内じたいがひとつの得難い音の場になっていました。
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先生:「頭の中にあるものを働かせることをなんと呼ぶの?」
こども:「考える」
先生:「そう 考えることが必要なの。それじゃ私たちが頭で考えている事は目に見えるかしら?」
こども:「いいえ」
先生:「その考えを人に知らせるには?」
こども:「口を開ける」
先生:「何のために?」
こども:「外に出すため」
先生:「どうやって外に出すの?」
こども:「話す!」
「口をあける―外に出すため」、というくだりは、単に「話す」という言葉をこのこどもが知らなかった可能性があるのだけれど(「話す!」と最後に答えたこどもとは別の子)、見ていてなにかこうはっとするものがあった。
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小笠原鳥類さんから教えて頂いた、新しい詩人の初めての詩集。WEB上の詩誌『骨おりダンスっ』http://honeoridance.seesaa.net/を主宰する詩人の第一詩集。『骨おりダンスっ』は無料でダウンロードできるPDFファイルでもう8号まで出ている。
小笠原鳥類さんも折込の解説に原稿を寄せている。野村喜和夫さんと小笠原鳥類さんが解説を書いておられる。お二人とも指摘しているのが、予期できない言葉の飛躍。
逆説に漏洩線や逆説そのものを重ねてぶつけて新しい文脈を発見しようとしているようにも読めるのが現代詩の欲望のひとつではあると思いますが、この詩集のそれは、巧みであるなと感じると同時に、むしろそこには拘泥していないような運動を感じる。現代詩的な言葉のコラージュ文脈の操作というよりも、ブルースマンかパンク・バンドの歌詞みたいだな、と感じる面の方が新鮮。字面はたしかにダーティな言葉を好んで多用しているけれど、その詩としての運動は健全さに向かっている、ような。
そういうことではない。・・・・この詩集について上手く書けていない。
現代詩は考えが外に出されたものと捉えると読み損ねる。あるいは、何か対象があってそれに関する考えが披露されている、と捉えてしまうと。
考えではなくてアクロバティックな「遂行」なのだと思う。言葉にできない新しい対象を、言葉によって/を縒って作り出している。言葉や対象や関連についての感じ方が奇跡的に定着されたものだ、と思える時、僕は詩を読んだ、と感じるということ。