みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

マーク・リーボウと偽キューバ人たちMarc Ribot y Los Cubanos Postizos@心斎橋クラブクアトロ

nomrakenta2011-08-01


月曜ですしチケット高いしギリギリまで悩んだけれど、今回逃すと次いつ観れるかわからないというあまりに定番な唆し内言に軍配があがり(をあげ)、仕事終わりにクラブクアトロへと直行。

結構お客さんが入っていてテンションあがってくる。前日にTwitterフジロックでの演奏が相当良かったとの情報もあったし、昔からのファンみたいな人たちもちらほらとみえて嬉しくなってくる。

ちなみに、僕はマーク・リーボウはライブ初体験という…。この心斎橋クアトロも偽キューバ人たちを引き連れていちど来ているそうですが、そのときは何をしていたのかなあ…たぶん兵庫の山奥で印刷機回していたんだろうなあ…。

キューバ人アルバムは2枚出ていて、そのうち一枚目だけは持っているけれどあまり聴きこんでいない。2枚目は出ているのを知っている程度。
でも、マーク・リーボウは、中学生の頃に、トム・ウェイツの「レインドッグス」やシンガーSIONのNY録音したセカンド『春夏秋冬』を聴いてからずっと、フレッド・フリス、アート・リンゼイ、ロバート・クワインとかと並んで自分のギターヒーローでした。聴きこんだアルバムはRootles Cosmopolitansとかギターソロだった。特にDIWからリリースされたギターソロの『Don't Blame Me』は、音響彫刻のようなノイズピースとジミー・マクヒューやエリントンのスタンダード、アイラーの「Ghost」などが絶妙に解体されてユラユラとたゆたう極上のアルバムだった。その後に出た『Saints』もよりアイラーへの傾倒がストレートに伝わってきて好きだった。
ハードでパンクなところが時々出るのも好きで、昔のアルバムに入っていてシュレックのライブ盤にも入っていた『Yo, I Killed Your God』という曲が好きだった。

そんな状態だったので、リーボウがギターを弾きはじめると同時に、極私的にいって去年のレインコーツとあっさり並んでしまうような多幸感が身体をつきあげてきた。
その多幸感はすぐに、Los Cubanos Postizosの恐ろしくハイレベルな演奏であっという間に何重にも保証されてしまい、身体も動く動く。これは思い入れは別として、単純にトップレベルの演奏をするバンドのライブが楽しめないわけがない。パーカッションとドラムの複雑怪奇なリズムがビシビシ決まっていくのが最高の快感だし、 Brad Jonesのベースの這いまわりかたもヤクザ的なエレガンスがある。Anthony Colemanが弾き出すとパッと音のフォーカスを譲り渡したり、それぞれのソロも浮きたたせるリーボウのバンマス振りもキレがあっていいなあと思った。
なによりもリーボウのギター。しっとり爪弾いても、掻きむしっても常に特徴的なトーンが保たれているように感じた。リーボウが弾きだす度に客席からあがる大歓声に自分も全く同化していた。

そうやってあっという間に濃密なライブが終わって、帰りに思ったのは、9月末で終わりを迎える会場の心斎橋クラブクアトロの事だった。おそらくクアトロに来るのは今夜が最後になるだろう。自分にとってのクアトロの最期をマーク・リーボウで〆てもらえたというのはこれは絶対に幸運といえることだろう。


Marc Ribot - Happiness Is a Warm Gun

Yo, I Killed Your God(other version)

Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos

Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos

Muy Divertido (Very Entertaini

Muy Divertido (Very Entertaini

Yo I Killed Your God

Yo I Killed Your God

ドント・ブレイム・ミー

ドント・ブレイム・ミー

Saints

Saints





5月5日の「afu」でのイベントの映像がYouTubeにアップされています。

高岡大祐(tuba)、船戸博史(contrabass)、登敬三(tenorsax)PLAYS STANDARD_may 2011, at Afu


読了

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