みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

割礼ワンマン@梅田ムジカ・ジャポニカ

nomrakenta2009-12-28


昨夜は昼で夜だった。
いや、夜の前から昼の闇だった。
ライブの惹句にもあったように、まさに「真昼の闇」という感じのサイケデリアだった。
4時からはじまって、終わったら8時過ぎ…ふうう…。


昨日、自分のブログの過去エントリーを調べたら、2007年の10月に自分としては初めて割礼のライブを観ており、しかもそれは初めてムジカ・ジャポニカに行ったときでした
あ。もちろん「割礼」というのは、なにをなにするものではなくて、1983年から活動しているサイケデリック・バンドでして…というエクスキューズを2007年も書いていましたが。
そのとき、自分はジャックスとか最初期のヴェルヴェッツってこんなだったかも、という風なことを思ったし、書いてもいたのですが、昨夜観た割礼は全然先達のバンドとは似ていなかった。こんなにラウドなバンドだったのかと思った。ステージ真正面、宍戸氏のアンプの前でずっと座っていたからかもしれない。

目の前のくらやみにそっと浮かべるような感じで歌う宍戸氏に続いて、タイトなリズムの上で絡みあう二本のギターが感覚を押し拡げる。これは明らかに「マーキームーン」ではなく、強いていえば「リトル・ジョニー・ジュウェル」(どちらもTelevisionの曲です…言うまでもなく)を延々と聴いている感じなんじゃないのかと。
『ゆれつづける』『ネイルフラン』『空中のチョコレート工場』といったアルバムを聴いていないので、今日演奏された主要な曲もちょっとわからないのが多かったのが残念ではありました。


観終わった後に、IwさんとInクンと近くのピザ屋さん(…違う?)で話していたら、Iwさんの「こんなサイケバンド、日本はおろか世界でも珍しいと思うんですよ」と感慨深げに仰っていて、そういえばそうだなあと酔いのまわった頭で考えた。ここで、自分が何か書き捏ねてみるよりも、Iwさんの言葉を引用させてもらうことで、十分な気がする(すいません)。


会場物販で買ったのが、この初期ライブ(、その他の音源1982〜86年)のCD-R『真夜中のハワイアン』。

「速い割礼」との噂通り、「フリクション」の如き、つんのめりスピードで、冒頭からあの『ゲーペーウー』が!
宍戸氏の歌唱も、今の、十分に間合いをとって割礼サイケデリアを拡散していくなかで唄いあげていく印象よりも、もっと虚無感が濃厚(という表現はおかしいのか)で、この感じ、どこか憶えがあるなあ…と記憶を手繰ると、スターリンの解散ライブ『スターリン・フォーネヴァー』のあの感じだと思い当った。あの、暗くてメタリックで全ての攻撃性が内に向かっている感じ。最後の11曲目『真夜中のハワイアン』は、宍戸氏が独りでカセットMTRにて宅録したという82年の音源。『ボリン・ヴィアンの憤り/和辻哲郎 with 町田町蔵 』をちょっと思い出すような諧謔自虐があり、「夢の生捕り / カセットテープに罠をしかけて / なんて逃げ足が速いんだ」なんていう歌詞がちょっといいなと思う。

ファースト『PARADAISE K』もリマスターされてP-VINEから1月20日に再発されるそうで、会場は先行して販売されていました。そして、なんと2010年には新譜も出るそうです。
http://blog.livedoor.jp/katsurei69/archives/cat_50007738.html

LIVE 1980

LIVE 1980

FOR NEVER[リマスター盤]

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