いやむしろ、だからこそ、食えないおっさんは素敵なのだ。Palestine, Misha & Stone
急に、今週の水曜、茨木の本社での集合研修にオブザーブで参加することが決定。内容を全く知らされていなかったので、オペレーターの手上げを捌きつつ、急ぎ資料を揃えて読み始める。今後の問い合わせの動向がかなり左右されそうなので気が抜けない予感。上司からは、要求がかなり集中するだろうから、墓穴を掘らないように(大意)との示唆。

- アーティスト: Charlemagne Palestine
- 出版社/メーカー: Sub Rosa
- 発売日: 2008/04/15
- メディア: CD
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冒頭7分の「超高音」のパルス的打鍵など、はじめの数分可聴音域から外れているんではないの?と思わせるが…次第に、束になったパルスの波が、打ち寄せてくる、身体の中でアジサイの花がゆっくりと咲きはじめる…音のどんな「弾け」も「弾み」も逃さずに、パレスティンはゆったりしたうねりを、手繰り寄せてくる。
ジャケ内掲載の、日差しの入った室内でまどろむようなパレスティン愛蔵のヌイグルミたちの写真を見ていると(マイク・ケリーのヌイグルミに近い印象を受けるのは何故)、このようにシンプルかつ形容しがたい音楽を発しつづけるこの人は、やはり稀有であるのかと。
パレスティンの音楽のわかりやすい部分が表出しているし、これは代表作のひとつになりそうな気がする。
でも、代表作といえばやはりこれなんでしょうね。

- アーティスト: Charlemagne Palestine
- 出版社/メーカー: Felmay Records
- 発売日: 2009/06/02
- メディア: CD
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今夜は、もう一人、おっさんである。
これは、ミシャ・メンゲルベルクの1996年のピアノ・トリオ(2作目)です。

- アーティスト: ミシャ・メンゲルベルク・トリオ
- 出版社/メーカー: ディウレコード
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: CD
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「なーんも考えてません」というタイトル曲がアルバム唯一のミシャによるオリジナルで、あとはコール・ポーター、ハービー・ニコルス、エリントン、クルト・ワイル、ガーシュウィンのカバーで固められていることに話題性があるのはわかる。ドルフィーと「ラストデイト」でやった「You Don't Know What Love Is」をやっているのもかなり意図的なものかもしれない。しかも、唯一のオリジナル曲が一番オーソドックな曲に聴こえるのもおもしろいし、それでこそ「なんも意図ないよ」とヒラリと逃げていく感じがなんとも食えないミシャさんなのかとも思う。「You Don't Know What Love Is」について言えば、「ラストデイト」のそれを聴くと、ドルフィーのフルートがふわーっと吹き上がってくる度になんだか心がすっからかんになって、僕はいつも泣きそうになってしまうのですが、ミシャさんのノーアイディアな「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ」を聴いていると、これは何故だか「ユー・ドントコ・ノウ」なので、そんな困った感じはしない。むしろ困った感・やられた感は、手練れのミシャさんのほうを対象とするので、気が楽になるし、落ち着くのだと思う。セロニアス・モンクのようなタッチとも思えるけれど、もっとミシャさんは海綿体のようにくにゃっとしている、良く言えば、柔らかい。そして歯ごたえも実はコリッとある感じなので、いやむしろ、だからこそ、おふたりとも、素敵に食えないおっさんたちだなあと思う。

- アーティスト: Eric Dolphy
- 出版社/メーカー: Polygram Records
- 発売日: 1991/07/01
- メディア: CD
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数年前、最期のFBIで観たカール・ストーンさんも、ふてぶてしくチャーミングで、しかも美しすぎる音楽をラップトップから紡ぎだしていたことを思い出します。

- アーティスト: Carl Stone
- 出版社/メーカー: New Albion Records
- 発売日: 1994/04/05
- メディア: CD
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「ドッピオ・ボルガード」のサイトがあった!⇒みてくださいこの雄姿を。
パレスティンではないけれど、動画もあった。