みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

春一番2009@服部緑地公園

今年は、最終日の6日だけ、「春一番」いってきました。それにしても、毎年春一番にゆく日は雨が降ります。
http://haruichiban.sakura.ne.jp/haruichiban08/top-page-all/top-page-all.html
あやふやですが、こんな順番だったかと。
5月6日(水)

1)夕凪 
  伊藤せい子(vo) ,山崎保(g) ,石井路翁(b) ,藤山朋哉(d) ,山川ちかこ(k)
開場と同時にお出迎え。今年の秋は、「レインボーヒル」も行きたいなあ。
2) AZUMI(vo,g)+ 稲葉浩(vo,g)
唐津の海賊」稲葉浩さんは、ぶっといシンガーです。そうとしか、形容できないのです。ええ声です。
このあとAZUMIさんのソロに。AZUMIさんのギターが染み入るのは当然のことながら、ブルージーな声もまた、ええと思うんです。最前列で胡坐かいて観てたら、隣にパラダイス・ガラージこと豊田道倫さんが座って真剣にステージを観てはりました…。
3)マーガレットズロース 
  平井正也(vo,g) ,岡野大輔(b) ,粕谷裕一(d)
存在が、キヨシローへのリスペクトになっていた、といったら失礼になるんでしょか。直球で、新鮮でした。
このへんから順番朦朧。
4)坂田明(sax)ちかもらち / ジム・オルークと恐山
  Chris Corsano(d) ,Darin Gray(b) ,Jim O'Rourke(g)
いきなり私的メインイベントに突入。私やマニア系の人たちはアリーナ(?)で胡坐かいてガン観、うしろ客席はドン引き(だったらしい:混ざってないウヰスキー水割りにおける分離みたいだった、らしい)。

壮絶かつ爽快なカオス。
サックス吹いても平家物語を吟じても基本、飄々と場を制するに変わりのない坂田明御大。アナーキーなテンションを維持するジム・オルーク。リズムだけでなく絶妙なノイズも紛れ込ませて演奏のテクスチャーを拡げるダリン・グレイ。切れまくった高速ビートをしならせ、凶暴な知性を感じさせたクリス・コンサーノ…。「僕たちには、フリージャズが必要なんだ」といってみたくなる。
5)東京ローカル・ホンク
坂田カルテットの後が出番とは、なんて可哀そうな…と内心思っていたら、この初見の東京ローカル・ホンクの「クワイエット・ロックンロール」はそんな軟なものではなかった…柔軟なんだが、芯は太くしなやかだった。抑制が効きつつ確実に盛り上げてくる演奏と、いい歌。文句ありません。「ローデッド」の頃のヴェルヴェッツが、phishになって甦ったような(そういえばphishはローデッドアルバムを完璧コピーしてみせたライブ盤を出していましたっけ)…そんな感じ。歌うベースもたまらない。「カミナリ」という曲の、ゆったりとした波動が、とてもとてもとても、心地よかった。衝動的にライブ盤を買ってしまう…毎年こうゆう出会いがあるので、「春一番」はやめられまへん。

クワイエット・ロックンロールの世界

クワイエット・ロックンロールの世界

今、エントリー書きながら、この盤聴いていますが、生で観た通りの、「しっとりとした熱気」のいい感じが完全にパックされています。まったりしたいけれども、枯れてもいないし何も諦めたくない、という人すべてにお勧め。「カミナリ」が、やはり良い。この曲は、日本がやっと持つことの出来た「マーキー・ムーンなのだと、断言します。
4)小川美潮(vo)・ウズマキマズウ
  大川俊司(b) , Ma*To(k) ,BaNaNa-UG(k) ,オイラー小林(d)
板倉文(g) ,whatcho(per) ,Mac 清水(per)

なんつーか、すんごい大編成やなー、と友達4人で、焼酎「雲海」の荘健美茶常温割りをドコドコ呑みつつ、鑑賞。最初の曲では小川美潮さんの調子がまだ立ち上がっていない感じでしたが、3曲目くらいから抜けてきました。ここから、3曲くらいやっても、よかった。
5)ヘンリー松山(vo,g)
6)押尾コータロー(g)

あたりまえですけど…うまいよねえ…。
7)加川良(vo,g)
かっこいい。
8)ぐぶつ
  しょうじ(g) ,山崎元治(g) ,古賀正則(b)
ニ井原教仁(d) ,宗根茂(per) ,イカ松(per)

毎年やってくれてた曲が聴けなかったのですが、待っておりましたのユルッユルグルーブで、踊りました。ふー、一息…と思ったら、
9) 桜川唯丸一座
桜川唯清(vo) ,桜川唯正(vo) ,桜川唯由里(vo)
桜川唯京(vo) ,桜川唯英(太鼓) ,桜川唯有(太鼓)
口垣内八州彦(key) ,カオリーニョ藤原(g) ,東ともみ(b)
太田ピカリ(d) ,スターダスト河内(踊り子)

最初の一声の通りかたが、もはやヌスラット・ファティ・アリ・ハーンだった。会場(というかアリーナ)は熱狂の踊り狂いモッシュ状態になってしまった(掛声がなぜかoiパンク…)。河内音頭のステップって難しいんだよねー。
10)DEEP COUNT
  桑原延享(MC,tp) ,ALI(b) ,SUGURU(g),福島紀明(d)
10)Magic ANIMALS
    あべのぼる(vo) ,AZUMI(vo,g) ,萩原ヨシロー(vo,g) ,クボチン(g),ベーカー土居(d)
11)ハンバートハンバート
  佐藤良成(vo,g,vil) ,佐野遊穂(vo)
とうとう大トリ。このひとたちを友達に見せたかったのだった。

たぶん、「バビロン」→「大宴会」→「同じ話」→「おいらの船」の流れでアルバム『まっくらやみのにらめっこ』の曲が軸だったかと。
まっくらやみのにらめっこ

まっくらやみのにらめっこ

ふと思ったんですが、このあたりの歌詞の世界が、最近読んでいる牧野信一の、特に「ギリシャ牧野」時代の世界の言葉とそうとう還流するような気がしました。
ゼーロン・淡雪 他十一篇 (岩波文庫)

ゼーロン・淡雪 他十一篇 (岩波文庫)

『酒盗人』を豊穣に膨らませて映画化し(宮崎駿がやるならアニメでもよい)そのエンド・ロールに「大宴会」が流れる様子を妄想してみる…。そしてそして…アンコールには…「僕の好きな先生」を、渋谷毅(pf)と。キヨシロー鎮魂の唄でもって…

来年に続く。