みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

デレク・ベイリー『Standards』

Standards

Standards

2002年にリリースされて今だに売れ続けているらしい『Ballads』asin:B000063BUWの続編・・・というか、補遺的な作品か?補遺といっても残り物のアウトテイク集的なものではありません。『Ballads』を仕上げる二ヶ月前の7曲の演奏が収められてた本作は、『Ballads』の世界をより広げてより深めてくれるような充実した補遺になっている。しかも演奏が『Ballads』に比べれば長めのものが多く、純米吟醸なスタンダード解釈(通訳もしくはデコード)がよりゆったりとリラックスしたムードで流れていく。ベイリーの演奏は「和み」とはあんまり結びつかない印象がありますが、本作におさめられた7つの演奏は、そんな浅い先入観を気がつけば覆してくれている。この『Standards』の演奏を録音したベイリーが『Ballads』に向かっていく過程に何があったのか、おもしろくなってくる。
今後『Ballads』とはワンセットで語られていきそうなアルバムです。
初期のベイリーの一瞬先がまったく予想できない演奏の緊張感が苦手なら、この辺りに慣れてから逆登っていくというのが定番になるのかもしれない。
FBIで散々ギターインプロを聴いた後に、好き好んでこのアルバムを聴いているわけですが、いいです、飽きないです。