みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

最近のはまりもの:高橋悠治のゴルトベルク、イトゥリ森ピグミーの音楽、藤枝静男『田紳有楽;空気頭』、島田裕巳『中沢新一批判』

最近ペペロンチーノの普通の作り方がやっとわかった(恥)。茹で汁でからめるのだった。そりゃ、焼きソバみたいになりますわ。大蒜玉葱ベーコンなんぞをコマ切りにしながら麺を茹でて、喰い始める頃にはこのCDが終わるので、もう一回聴くのですね。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(紙ジャケット仕様)

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(紙ジャケット仕様)

音がやはり、りりしい。かつ、優しい。そして余裕があるようにも。でも演奏がゆったりしている、というような柔和なニュアンスではなくて、演奏には常に厳格さが漲ってはいるんですが、それがかえって聴いていてこちらは安心する、という感じ(何を書いてるんだか)。最近出たゴルトベルクも聴かねばね。
確か2000年だったと思いますが、東京オペラシティ リサイタルホールにフレデリック・ジェフスキーがピアノ弾きにきたとき*1高橋悠治氏が観に来てたような記憶が・・・(まちがいかも)。

密林のポリフォニー ?イトゥリ森ピグミーの音楽

密林のポリフォニー ?イトゥリ森ピグミーの音楽

ブック○フで見つける。
素朴なポリフォニーの伴奏にのっかるというより、間を縫うように歌われる茫洋とした節回しに、ブルースの原型のような「味」を見出してみたりして。

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

川上弘美絶賛(有名)につき、読まねば読まねば、と思いながら、やっと読み始めることができてます。今初めの3分の1くらい。いきなり骨董のグイ呑みが庭池の底で語り始めるトリッキーな展開なくせに(これだけでストライクゾーンなのに)、この滋味豊かな語り口はなんなんでしょう・・・。これはいかん、楽しい。
読んでるうちに川上弘美の不思議な味わいの短編の数々(特に『龍宮』収録)が、この『田紳有楽』への愛情に溢れた変奏のように思えてきた・・・のはやっぱしゴルトベルクのせいなのか。

中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて

中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて

梅田の紀伊国屋の平棚で『ミクロコスモス』の1と2と並べて置いてあるのを初めて見たときぎょっとして日を追うごとに気になってしまい、結局一日で読んでしまった。
著者は中沢新一の大学院時代の友人とのことです。有名な過去におけるオウムへの中沢新一の関与と、その件についての沈黙を糾弾している。
オウムへどのような関わりかたをしたのか?というのは本文が詳しいわけですが、「もっとサリンの犠牲者が多ければ・・・」とか「政治的に失敗した」とか確かに目をひく発言ではあるが、特にグルイズムの絶対化に関して、中沢新一の『虹の階梯』の信者への影響が甚大だった、というのが肝であるように読めた。オウム真理教創価学会を真剣に敵視していた、とうのもすいません初めて知りました。

個人的に、割と中沢新一の饒舌さにわけもわからずページをくっているときが多いように思うので、ドゥルーズガタリなんかに対するソーカルの『知の欺瞞』みたいなストッパーになるかな、と思ったんだが、初めて知ったこと、確認できたことは多かったが、感想的にはやっぱり「黒幕」といえるようなもんではないような気がする。
ただ上祐史浩前教団代表が今も件のグルイズムについて中沢新一が信者に与えた影響について、何か言ってほしいと、発言していたことは知らなかった。たしかになんらかのコメントはあってもいいのかも、とは思ったりしました。
柄でもないのでこの辺りでやめときますが。

*1:僕が行った日は『不屈の民』はやらず→『電撃バップ』をやらないラモーンズのように感じた私は無理解な聴衆でした。