みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

庭仕事(の手伝い)と『植物の神秘生活』

nomrakenta2007-02-25

サンルームを作ったので、母が庭を改装中。バラ用のアーチ設置の手伝いを。
このために相当数のレンガをはがしての作業に。結構頑丈に出来ていて、底部は鉄製杭4本のほか、10数本のペグを打ち込む。
バラがいい具合に絡まって花を咲かすのはいつのことやら見当もつきません。


NHKで『ダーウィンが来た』を観ていると、今回は西表島ウミショウブ
海藻ではなく、海草らしい。ウミショウブの祖先は、乾燥した海岸よりも、海中の塩水の環境に入り込む選択をした。白い妖精のような小さな雄花は海中にポコポコ浮いて、海流と風で海面を走り周り引き潮と同時に海面に出てくる雌花に受粉する。ほとんど動物的に思える動きで、なにかのファンタジーアニメでも見ているような気がする。


先日ヤフオクで落とした、ピーター・トムキンズ+クリストファー・バード著の『植物の神秘生活』という本は、まだ第一部までしか読み進んでいないけれど、例えばこんな記述が。
米国のうそ発見器検査官の第一人者だったクリーヴ・バックスターの実験とのこと。

 植物は圧倒的な危険や損傷をともなう威嚇を受けると、フクロネズミ-あるいは実際に人間-と同じような仕方で「死んだふりをする」か深い失神状態に陥り、自己防衛的に反応することをバックスターは認めた。この現象は、ある日、植物の反応をわが目で確かめようとカナダから一人の生理学者がバックスターの研究室にやって来たとき、劇的に実証されたのである。最初の植物は何の反応も示さなかった。二番目の植物も示さなかった。三番目のも示さなかった。バックスターはポリグラフ器械を点検し、四番目、さらに五番目の植物をやってみたが、やはりうまく行かなかった。ついに、六番目になってようやく現象を立証するに足る反応は出た。
 五番目までの植物に何が影響していたのかを発見したいと思い、バックスターは尋ねた。「あなたのお仕事には植物を害するようなところがありはしませんか?」
 「ええ」と生理学者は答えた。「私は研究対象としている植物を死なせています。植物をオーブンに入れたは焼き、植物の乾燥重量を得て、それを分析しているのです。」
 それから四五分後、生理学者が無事に空港に向かっていたとき、バックスターの植物はどれもみなグラフに流動的な線を描いて反応を再開したのである。

『植物の神秘生活』第一章p32-33

このエピソード、第一章のほんの出だしに登場する。
これだけ読んで、少なくとも僕は、部屋のサボテンを振り返って、しげしげと眺めました(もちろん、「うかつだったな・・・」という後悔の念で)。分厚い残りには一体どんな話が載っているのだろう。今からとても楽しみです。

植物ははっきりとこちらを観察もしくは、どんな人間であるかに対して反応をしているらしい。
上の伝でいけば、普段こまめに植物の世話をしている人が近くにいれば、植物の生活が活発になり、少なくとも休眠状態に陥ってしまうことはないのだろうなとは思う。

以前、兵庫から東京に大急ぎで引越ししたとき写真下のサボテンを随分手荒に扱ったことがあった。
そのあと、東京には一年しかいなかったのだが、その時、サボテンは表面が殆ど枯れて壊死したようになってしまって(水をやらなかったわけではない)、環境がかわったからかなあと途方にくれていたが、大阪に帰ってくると、上に子サボテンがどんどん出てくるようになった。不思議だ不思議だといっていると、実は母が自分の留守中なにかと世話をしているらしい。

世間には「グリーンハンド」(=植物を育てるのが上手な人)と呼ばれる人がいるらしいが、僕はもちろん失格である。さぞ、杜撰で粗暴な主人と思われていることでしょう。

植物の神秘生活―緑の賢者たちの新しい博物誌

植物の神秘生活―緑の賢者たちの新しい博物誌