みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

読書中:クリスアンダーソン『ロングテール』1

遅らばせながら読み始めて今半ばまで進んだ状態だが、個人的には「フラット化する世界」ISBN:4532312795だし、「WEB2.0」と呪文のように繰り返されるより、こういった切り口でバスッとまとめてくれた方が、読み物としてやっぱりおもしろい。読了するのがもったいない感じはうれしいものです。以下は、読んだところまで、自分の中の整理として書きます(ので稚拙なまとめなのはご勘弁を)。
収益の80%を構成する20%の商品が、市場の主流商品(ヒット商品)である「ヘッド」であるとすれば(パレートの20:80の法則)、残りの「死に筋」とされてきたものは「テイル」となる。この「テイル」は曲線でいえば、末長く伸び続けて限界なく0に近づきながら、決して0にならないどころか増加する傾向にあり、これが「iTunes Music Store」や「Amazon」「Google」「YouTUBE」などのアグリゲーターの躍進により、集積すれば「ヘッド」に拮抗する市場となっている現在の状況。これが「ロングテール」。それを可能にした米国のカタログ商法と物流システム。そして創作手段の低コスト化によるアマチュアの参入(Wikipedia)。ニッチが主流を食っていこうとする勢い・・・この辺りは、くだけた語り口もあって、読みやすいしほんとにおもしろい。
先日、シカラムータのライブを観た夜にちょうど読み始めていて、「ああ、俺って音楽のロングテール支えてんなあ・・・」と妙な感慨にふけってしまった。
と、同時に数年後には別のキーワードで表現される新しい状況が生まれるんだろうなあ、とも。
なんてのほほんと書いてたら、Googleが9日、YouTUBEを16億5000万ドルで買収したとのこと。今みたいなアナーキーな感じは無くなるのではないかと根拠もなく危惧。