前から気になっていた本をやっと読めた。「戦後責任」「ネーション」「マルクス主義」「ポストモダン」の四つに時期にくくりつつ、両国の戦後を比較しようとする試み。結論的には、日本とドイツ、両国共に敗戦国として大筋は似た変遷となっているが、根本的にヨーロッパであるドイツと、もとよりヨーロッパでもなく「曖昧な」日本との間には、「国のかたち」の成り立ち方に大きな違いあるという、ある意味予想通りのものだったけども、きわめて(得がたい程に)バランスよく書いてある(と思える)のでためになる。巻末の参考文献付き年表が使えそう。