みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2012年のうちにひとに聴かせたかった音楽

毎年その年のベストを書いてきましたが、今年はちょっと間に合わない。年明けにでもまとめたいと思っていますが、とりあえず、29日にI田さんの恒例の忘年会「音忘」でかけた盤リストです。

「音忘」は毎年、飲み会のあと、I田さんのご自宅やお知り合いの家で朝までその年のイチオシ音源をDJし合うという催し。
昨年も参加しましたが、自分の音をかけるまでいかずに沈没していたので今年は雪辱戦。
集合の前にI佐さんと示し合わせてジャンジャン横町の「田中屋」で一献。年内にここで飲んでおきたかった。
それからキューズモールのインド(ネパール)料理屋「ガンジス」で「音忘」前の忘年会。カレー類も美味いが、ナン(バター、ガーリック)が上手くてみんな食べ過ぎてしまう。10過ぎてI田さんの自宅へ。「音忘」。
I田さんのDJはほんと好きだ。



カット・ケミスト。

ダブ。

Legendary A&M Sessions

Legendary A&M Sessions

これはI田さんの7インチヴァイナルをお借りしてガレージパンクな『Who Do You Think Youre Fooling 』(「てめえ、誰をからかってんだよ?」とヤンキーな題名、ていうかヤンキーだが)を。
Bear Traces: Nuggets from Bob's Barn

Bear Traces: Nuggets from Bob's Barn

キャンド・ヒートのボブ・ハイトのブギーコレクションから2曲くらい。
Robert Wyatt『Free Will & Testament』(これもI田さんの7インチ)。
このあとI田さんによるヒップホップ祭りに。
I田さんがアントニーをかけたので、すかさずI田さんの棚からこれをチョイス
Berlin: Live at St Anns Warehouse

Berlin: Live at St Anns Warehouse

「The Kids」とアントニーのゲストヴォーカルが素晴らしい「Candy Says」をかけてみました。ヴァイナルは音いいです。


ジョゼッペ・イェラージの「Stunt」。「another stunt」「third stunt」も持っていこうかと思ったが重すぎて断念。自分がかけた中で一番「これ何?」と尋ねられたのもこのイェラージだった。今年はイェラージの作品で手に入るものは全部、貪るようにして聴いた年だった。それくらいイェラージの音楽は衝撃的で魅惑的だった。

ピンク

ピンク

Singles & Sessions 1979-81

Singles & Sessions 1979-81


かなりつなぎに「使えた」のがこのダニエル・パッデンの『Ship Chop』。世界各地の民族音楽やお祭りの音楽のヴァイナル盤を音源にしたエキゾ・コラージュ。正直、どこ切っても面白いし、2トラックおきに、珠玉のループがある。ちなみに、パッデンは、アヴァンロックバンドVolcano The Bearのメンバー。


赤石拓海『Music for Hurdy Gurdy』。
ちょうど灰野敬二のハーディーガーディ作品を聴いて唸っているところに、ハーディガーディ奏者のソロLPがあると聴いて勢いで取り寄せた盤。ハンドメイドで段ボールで閉じて紐がけ。中には盤と丁寧なライナーが数枚。手触りのある盤。これだけでも充分素晴らしい。
実は肝心の音はこの夜はじめて自分でも聴きました。蠱惑的にふくよかな音。灰野さんとは全く異なるベクトルなれど、アナログの音質を最大限引き出しているとも思う。DJでもなんどか確かめるようにしてこの盤に戻ってみた。傑作。

I田さんがジョン・ケイルをかけたので、是非とも、とこれを。

ケイルからケージへ。
なんといっても生誕100周年の年だったジョン・ケージ。ロンドンまでいった。京都芸術センターも熱かった。CDも一杯出た。しかしここ一番なら、『プリペアドピアノのためのソナタとインターリュード』アナログ45回転4枚組というトドメなBOX。

ティーヴ・ロダンのスプリット7インチ。

今年なくなったロル・コクスヒルのソロ『LID』。

Crippled Symmetry: at June in Buffalo

Crippled Symmetry: at June in Buffalo

コクスヒルのソプラノサックスのあとに、モートン・フェルドマン室内楽『Crippled Symmetry』
Out of the Blue

Out of the Blue

ちと重くなってきた(いや、重くはないんだがポップ度が希薄になってきたというか)と思ってつないだアメリ実験音楽の名ピアニスト゛Blue″Gene Tyrannyの何を思ったのかなとろけるようなドポップ作『Out of The Blue』から一曲目『Next Time Might Be Your Time』。


メルツバウの水谷聖氏のフィールドレコーディング秀作『ONOJI』。透き通った音。鳥の鳴き声、炎に爆ぜる竹。宗教的ですら、ある録音。
とつなぎながら、何度もケージの『ソナタとインターリュード』に(かけるSIDEを変えながら)戻りつつ、

このフィールドレコーディング傑作David Michael『SHANGRI-LA』。正確な時間、正確な場所に、そして正確なマイクのセッティングは世界を塗り替えることがあるという事。
このふたつをミックスしながらかけて、最後にハーディガーディに戻って自分のDJは終わり。といっても午前4時過ぎで皆寝てましたが(笑)。
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今年も素晴らしい音楽に多々出会えました。もちょっと個別にまとめたエントリーも用意しているので、それはまた年明け、です。

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今年のベストライブは、やっぱり、
同志社大学で見たバール・フィリップス。
そして12月25日クリスマスの高岡大祐+ワタンベの「ボイラーズ」。
ロンドンのロイヤルアルバートホールで観たケージ・フェス。
シェウン・クティも良かった。
12月23日の自分の企画での「ブライト・モーメンツ」も当然。

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映画はとくに記憶に残ってるものが今ない。NHK大河ドラマ平清盛』は最低の視聴率だったらしいが、かなり面白かった。

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それではみなさん、良いお年を!