猫のまにまに:My Cat Is An Alien『Through the reflex of the rain』、その他
Through the Reflex of the Rain
- アーティスト: My Cat Is an Alien
- 出版社/メーカー: Free Porcupine
- 発売日: 2005/01/11
- メディア: CD
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「MY CAT IS AN ALIEN(ぼくの猫はエイリアン)」 (以下MCIAA)は、イタリアはトリノのマウリツィオとロベルトのオパリオ兄弟によるアストロ即興ポストロック・デュオで、ロベルトは画家でもある。彼らのバイオhttp://www.mycatisanalien.com/によると、なぜに愛猫がエイリアンなのかは不明だが、1997年に自身のレーベルをたちあげ、CDRなどをリリースし始めるが、そのうち最初のものがソニック・ユース(以下SY)の目に留まり1998年のSYイタリアツアーをサポートする形でデビュー。以降、スプリットCDの体裁でサーストン・ムーアThurston Moore,ジム・オルークJim O'Rourke, Jackie-O Motherfucker, Thuja, クリスチャン・マークレイChristian Marclay・・・といったその筋・あの筋の重鎮との共演を重ねている。
本作は2004年製作。ハンドメイドらしい厚紙を折り曲げたジャケットには、シルクで2色刷りされた絵がぶっ飛んでいながらも、ちょっととぼけた味わいがある。
自宅スタジオ「スペース・ルーム」(楽器の名前もelectric alien guitar,cosmic effects,electrogalactic guitar,astrotoy keyboardなどとにかく「宇宙」が好きらしい)の窓から35フィートのケーブルでマイクロフォンを野外に向かって吊り下げ、降りしきる雨や路上の車の音などの環境音をフィールド・レコーディングしながら、即興で「共演」し、一発録りしてしまったという変わった内容。
全1曲35分。No Overdub,No Outtakesと自慢げに書いてある。
はじめはシトシトとした雨音からはじまって、次第に鳥の鳴き声のような電子音がひんやりした空気に寄り添うように始まっていき、11分を過ぎたあたりで、とてつもなくリリカルなギターのタッチがあらわれるところなどは、初期SYのノイズ・ジャムのヴェールの中からメロディーが芽吹いてくるあの感じを彷彿と。SYはあの当時、ハードコア・パンクとインディーロック、そしてネオサイケなど、同時代複数のシーンを視野に入れていたと思うが、このMCIAAの場合は、そのように参照して自己を決定していくような外部のシーンというのが希薄に思える。引きずられる要素が無い分、自分達の表現欲求のままに活動をできるが、その分、集合したシーンを形成することがなくユニークな存在であり続けるところが、当世のバンドらしい、のか?
もしかしたら現在はファウストやカンのようなバンド(例えばCul De SacやPeltのような)が普通にごろごろしているのに誰ももはや驚くことのない時代なのかもしれない。
- 作者: 甲斐扶佐義
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/11
- メディア: 文庫
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- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1988/06/01
- メディア: 文庫
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- 作者: ジャンニロダーリ,関口英子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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