みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

あぶらだこ『木盤(通称)』

1985年。連発される歌詞の意味不明ぶりと絶妙な合いの手のような演奏は、パンクやハードコアという狭いくくりを軽く超越して、なにやらサイキックな力さえみなぎらせている。吉田達也のドラムも冴え渡っている。
個人的には、コレ聴いて長い鬱状態が回復した縁起もの。例えば2曲目の『S60』。
「60・年・代」
というこれっきりの歌詞の後につづく意味不明語の連射などを聴くと、奇異なもの特異なものを求めてしまうどうしようもない自分の習性が、いつも間違いなく、あっさりととどめを刺されて癒されてしまう。
一回きりであれこういう奇跡のような音楽が音盤の形に定着してくれたことに感謝したいものです。