みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

待つのは、釣り人だけでなく。


銀杏の落ち葉が靴のつま先で輝いていた。
ひときわ見事な黄色を一枚だけ拾って帰った。

ファーストよりも好きな、テレヴィジョンのセカンド『Adventure』。
1,2曲目の『Glory』と『Days』のギターのトーンは一番好きなギターの音かもしれない。
この2003年にRHINOがリイシューした盤には、ボーナストラックとして、幻のタイトル曲『Adventure』が収められている。溌溂としたリフが鮮やな曲だけど、確かにオリジナル・アルバムに収録していたらアルバムのトーンがぼやけていただろうな、と勝手に想像しています。

11月28日の退社後、12月23日「会ふ」でのBright Momentsライブ企画のフライヤーを置いてもらいに、中崎町のコモンカフェまで。
この日は、来日したエリオット・シャープさんのワークショップが、ギタリスト臼井康浩さんのアレンジで開かれていた。見学だけでもお邪魔しても良いですかとお聞きすると、見学者は無料ということで居させて頂けました(有難うございます)。
一部はエリオット・シャープのソロから始まり、臼井さんを含めて5名の方の演奏それから5人での演奏、続く二部はデュオの組み合わせで一巡し、最後にもういちど全員での演奏。
最初の全員での演奏のはじめ、シャープ氏は一言だけ、「演奏しないという選択もOKです」。文字に起こすと禅問答みたいに読めてしまうかもしれないが、僕には、自分のやりたいプレイだけした集合としての即興演奏ではなくて、人の演奏に耳を傾けつつ出入り自由な演奏をしようという、とても実践的な一言のように聴こえた。二部の最後の演奏では、徐々にアンサンブルが立ちのぼってきて鳥肌がたった。
ドラムの木村文彦さんを僕は初めて観ましたが、素晴らしかった。スネアでもシンバルでも発泡スチロールでもなんでも叩いているんだけど無茶苦茶ではもちろん、ない。木村さんの音楽が聴こえてくるような気がした。その良さは、ハン・ベニンクに限りなく近いんじゃないかと思った。木村さんのソロの最初の一音を聴いたとき、シャープ氏の目が嬉しそうに細まるのに気づきました。

この日の物販で購入した臼井康浩(ギター)関島岳郎(チューバ、リコーダー等)多田葉子(ソプラノサックス、アルトサックス等)による『OKIDORI』の2005年録音のアルバム『Don't Walk on The Cat Side』
多田さんと関島さん(と中尾さん)の『プチだおん』は数年前にムジカジャポニカで観ていたが、臼井さんはこの日はじめてお聴きしたのでした。家に帰って聴いてみると、いわゆるパワフルなインプロというものとは真逆のいきかたで、ひとつの旋律、ひとつのトーンをバラバラに演奏しつつ緩やかにまとまっているようなこれはとても好きなアルバムだった。
多田葉子さんによる郷愁と不安が甘く綯い交ぜになったようなメロディー「猫道」が1曲目と10曲目で、9トラックの即興を挟み込んでバランスがとてもいい。管おふたりの側で臼井さんのギターが細やかな遠近をつけている。ライブ観たいなー!

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12月2日(日)
いつもの道からではなく、箕面駅の裏側から箕面スパーガーデンの方から瀧道へ。



瀧道に降りる(或いは、から上る)エレベーター。昔はロープウェイだったのだ。

今日はそのまま瀧道をおりて駅の方へと。

待つのは、釣り人だけでなく。
葦原公園。