みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

Charles Gayle Trio 『The Street』

Streets

Streets

何か月も前だが、ツイッターでCharles Gayleからフォローされた。本人かどうか知らないが、そのTLによると、このリーダーアルバム『The Street』はリリースされてからその時点で半年以上経過して良い批評が出てきているといったことが書いてあった。よくわかる。本作は良いアルバムだから。また、リリース直後に英WIREがゲイルを記事にしてもいた。
フリージャズのアルバムが(いや、どんなジャンルでも、と書きたいが)名盤と呼ばれる時(呼ばれなくなっていい。記憶に残る盤)は、その演奏者の抜き差しならない「声」が刻まれているかどうかが分かれ目になる、と思う。本盤は、まったくその王道のような録音になっている。
チャールズ・ゲイルとして目新しいことは一切やっていないが、チャールズ・ゲイルがやらなくてもいいことも一切やっていない。
つまり、ゲイルの肉声≒音楽がきちんと聴けるアルバムということであって、その揺るぎ無さに瞠目(耳)してしまう。

ゲイルのサックス=ゲイルの肉声、それ以上でもそれ以下でもそれ以外でもないことの凄みが感動に雪崩れこんでくるこのアルバムは代表作の一つになるんじゃないだろうかと思う。道化の姿もゲイルがやると凄みがあるし、Larry Rolandダブルベースも聴きどころのひとつだと思う。