みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

In & Out of Rainy Season

nomrakenta2012-07-09

雨の季節はそんなに嫌いではないです。
近所の軒先から瀧道の道中にかけて紫陽花を見て歩くのが好きですし、ぐっと寄り添い合った紫陽花の花びらに雨滴が丸く乗っているのを見るとほっとするし、雨の音やツバメの雛の鳴き声なんかも聴こえてきて、梅雨時の音というのも相当好き、といえます。
台風が何度か過ぎて集中豪雨で各地がえらい事になっていたのでそんな呑気なのも不謹慎かと思っているうちに、どうも今年の梅雨も明けるんだろうか。
大飯ではとうとう原発がフル稼働し始めた。




6月15日(金)江崎將史tp 高岡大祐tuba @元町のらまるカフェ
仕事終わり、関電前デモに行く人たちのツイッターを読みつつ、やはり自分はどうしても高岡大祐さんと江崎將史さんのデュオがもういちど聴きたくて阪神電車に乗ってライブに。Futuroでのマーティンさんとのトリオも素晴らしかったのだけれど、この夜はさらに親密で緊張感ある演奏だった。弱音というより環境音に限りなく近づいていくのだけれど、すれすれの所でお二人の音楽が立ち上がってくる。
会場はのらまるさんの二階のスペースで、ここが座敷になっていて演奏が始まるまで和みすぎてしまいました。リラックスしまくった私含む客の姿→http://d.hatena.ne.jp/daysuke/20120615 。
お客はこの写真に写っている人数プラス数人。決して多くはないし演奏の質に比してそれが妥当だとも思わないけれども、この日は演者のお二人の集中と聴者たちの集中がとても凝縮されていたように思い起こされて、それが演奏中に漏れ聴こえてきて時々は演奏の音を圧倒してしまいそうな夜の街の音にまで延びていく…ミュージシャンがそれに耳を澄ましているのも聴こえる…ような、それは錯覚ではなかったのではと思う。こんな形で心に残るライブもあるのか。
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このあたりで家人が連れ立ってイタリアへ旅行。
一人になったのですかさず普段毛嫌いされるタイグリーンカレーを大量に作り、初めての塩麹を仕込む。生麹は近所で入手できなかったので乾燥麹に手を出して、砕かなくていけないときいて、阿呆みたいに摺鉢で砕く。本当はそこまでする必要はなかったみたいですが、仕上がってきたら細かい感じで比較できないがこれも悪くないように思った。
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6月17日(日):梅田スカイビルで連日開催のベルギービール・フェスに旧友HとHさん、Hさんの友人で。二回目の参加で前夜は集中豪雨で警報が出ていた(その実況をIwさん夫妻のツイッターで読んでいました)。一回目は何日だか忘れたがその時のグラスが使えたらしいが知らなかったのでまたグラスから購入して参加。そういえばグラス買う列で前の欧州旅行人らしき若者が昨年のグラス持ってるから飲食代だけにしてよ、とゴネていた。色々な種類のベルギービールを試しましたが甘いのは苦手でドライでビターな味が好きだった。「ギロチン」っていうビールがあって、もらったコースターにもギロチンそのものが描いてありました。
6月18日(月):会社の部長の送別会。これで三回目。
6月19日(火):仕事でこの10月に大きな改定のある自動車保険の研修。内容的にかなりヘヴィーなものでこれから数年かけてジワジワ効いてくるでしょう(事故したら大変です)。皆さんご存知だと思いますが、自動車保険はここ数年どんどん保険料が上がる傾向。

6月20日(水):仕事終わり。HさんとIwさんとIsさんと豚足で有名な飲み屋『かどや』で待ち合わせ。生レバーが食べれなくなるのでその前に、という事でしたが、当然同じ事を考える人ばかりで『かどや』は激混雑。カウンター内で猛烈な勢いで皿を洗い酒を出しているおじさんに「混んでますねー」と間抜けな声をかけると「生レバじゃこれぁ」と吐き捨てるような返事(もちろん悪気はないわけですけれども)。結局30分粘ってやっとカウンターに座り40分程飲み食いするもまだ後がつかえているので遠慮して退散。そのまま美園ビルでKさんがバーテンをしているバーにお邪魔。
6月23日(土):Iwさん宅でのピザ焼きパーティにお呼ばれ。Iwさんの知人のデザイナーさんがピザ生地持参でその場で焼いてくれるピザは美味でした。そのまま中津のライブハウスへ是巨人のライブ。
6月25日(月):会社帰りに寄ったマルビルのタワレコCANの『Lost Tapes』発見。

Lost Tapes

Lost Tapes

マルコム・ムーニーはやっぱり変で凄い(凄く変、では言い足りない)ヴォーカリストで、こんな人は他にはいなかった。CANが今聴いても面白いバンドであるのは、ムーニーがまず回路を開いたからだと思う。
6月27日(水):仕事終わり、美園ビルのバー「ヨコワケテリー」で、瀬戸信行さんcl.ワタンベさんds、登敬三さんsaxによる『ロマンベ』のライブ。瀬戸さんの「電気ジプシー」からの選抜ユニット。昨年震災直後「電気ジプシー」のライブを中崎町のコモンカフェで見て元気付けられました。登さんの豪快なブロウはお腹にくる。
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いつ買ったか忘れてしまったカセットテープのプラケースに入ってしまう最小シンセMixtape Alpha」。
小さくて気安いのだけれども、それだけにちょっとでも面白い音を出そうと思ったらかなり触らないとダメな気もします。
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6月30日(土):CASE OF TELEGRAPH WEST@鰻谷CONPASS
今年は随分鰻谷のコンパスに通っています。
にわかに盛り上がっている東京ロッカーズ周辺。近年旧作のリイシューが続いて今聴いても独特な音をしたバンドが多かった事が再認識されている、のかもしれない。東京ロッカーズ周辺で一番早く旧作をCD復刻し始めたのは徳間JAPANのWAXレーベルだった。そこからテレグラフ・レコーズの諸作も聴くことが出来た。極私的な事を書けば、中学生くらいの頃にレコードやCDを自分で買い始めた時に、一番最初にはまったのがこの辺りのバンドでした。特にノンバンドのファーストが大好きだった(です。今も)。サディサッズやEP4やタコの作品は既に伝説になっていて入手できるとは思えないものでした。ノンバンドはテレグラフ作品がCD化された時に初めて聴いてそのあとアナログをレコ屋で見つけた時は嬉しかった。
会場には80年代からの周辺の人たちや長年のファンと同じくらい若い人たちが来ていた。

ニウバイル、は見逃してサディ・サッズから。ベースがバッキバッキで格好良かった(写ってませんが)。

アリス・セーラーの「アイス」。
そして、

ノンバンド
はっきり書いておくと、ノンバンドを見に来たのでした。NONさんがソロ『ie』をリリースしてからノンバンドが再始動してライブを重ねているのは知っていたのですが、東京方面ばかりでやはり見に行けないのがなんとも悔しい数年間でしたが、やっと関西に来てくださいました(関西は約30年振りのライブとの事でした)。
一曲目『ダンカンダンシン』のビートは溢れ出してくるみたいだった。

80年代、拗ねたパンクバンドの痩せた音の中でこんな音を出すバンドがいた事が凄い。

ファーストの曲は名曲揃いで、ずっと一人で聴いてきた曲だったから、それらが目の前でオリジナルメンバーで演奏されたらもう言うことがないですが(『インデプップ』も演奏復活して欲しい)、鉄壁なセットリストかつバンドのポジティブなエネルギーとしか形容しようがないものが嬉しくてたまらなかった。そしてもっと嬉しかったのは、終盤での『お金をくれたKどん』や『家』といった比較的最近のレパートリーが、よりバンドにしっくり来ているなと感じた事。当たり前のように現在進行形のバンド、ノンバンド。「NONukes」Tシャツ購入。ライブ後くつろいだ感じだったNONさんに握手してもらいましたが、緊張してしどろもどろだったのでかなり変なやつだと思われたかとおもいます…。
NON BAND+5 Tracks(紙ジャケット仕様)

NON BAND+5 Tracks(紙ジャケット仕様)

NON BAND LIVEN' 2009-2012

NON BAND LIVEN' 2009-2012

この近年のライブを収めた盤。

EP4(UNIT3)。タコは見ずにコンパスを出て、IwさんSさんとミンミンで餃子&ビール。Sさん大阪の南の方へ引っ越すとのこと。
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7月1日(日):昨年「Plays Standard」のライブ企画でお世話になった心斎橋アメリカ村のビル屋上スペース『afu』でHさん主催の手作りソーセージ会。夕方からだと勘違い。昼から仕込みが始まっていました。近年稀にみる大遅刻。
バラ肉を崩し、捏ね、腸詰し、乾かし、茹で焼く、その全行程を一日でやるという凄いイベントでした。

イベントに並行してNiche氏によるポータルブルプレイヤーDJ。作業が一段落してチルアウトムードの「afu」内に、ヴェルヴェッツ最後のアルバム「Loaded」からのナンバー『Oh,Sweet Nothing』が流れて格別な午後。と思いきや直後ににわか豪雨がアメリカ村を襲いました。

ソーセージ作り。ちょっとグロいでしょうか。

乾燥中のソーセージ。やっぱりちょっと不気味でしょうか。この後出来立てのソーセージとビールが極楽だったのは言うまでもありません。
*******スメタナ「わが祖国」全曲:ノイマン指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1974年東京ライブ。この時期、家で一番聴いていたのがこの盤でした。

BANGA

BANGA

これ、とても良いアルバムだと思う。パティ・スミスの作品の中でもきっとずっと聴かれていくアルバムの一つになるのでは。

New Country

New Country

買って聴いていいなあ、でもなんか「シミラボから出て…」とか歌ってるなあと思っていたら、IwさんからQNがSIMILABから脱退しましたよと聞かされました。もともと有り得ないバランスだったのか。

ルー・リードの「Hang On To Your Emotions」をぼんやりと聴く。

画質も音質も良くはないけど、この曲は良い曲。