みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

いろいろ

母なる証明 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

母なる証明 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

ひさびさに「怖い」映画を観た。息子の無実を晴らそうと狂気の奔走をする母親が迎える最後のシーンには、ほんとうにひさしぶりの「映画的な戦慄」をおぼえました。

「マンガじゃないようなマンガを描くんだろ?」という扉のことばの親密な挑発、もしくは励ましに促されるようにして流れ出す「実存」漫画(だれの言葉なのであるかは、読みすすめるうちに見当がつきます)。メタな態度も適度に抑え、大人な出来、だといえるかと。とはいえ、伝説の『拡散』すら読んだことがないのですが…(すいません)。

Unhistories

Unhistories

2008年のアルバムなのだけれど、僕は昨日知った。
なんでこんなに嬉しいかというと、あのジム・オルークが「彼らの音楽は彼らだけの言葉を持っている」と絶賛を惜しまなかったバンド「US.MAPLE」のメンバーが、90 day menのベーシストと組んで作ったバンドだから。
「US.MAPLE」はキャプテン・ビーフハートディーヴォを掛け合わせたようなサウンドと形容されながらも、両者とはまったくベクトルの違った重さ・暗さ・軋みに不可解な必然性を備えたバンドだった。個人的にはスワンズのマイケル・ジラがプロデュースした「Talker」が最高だと思う。
かつて「Drag City」のアルバムなら必ず聴いていた時期を思い出しもする。
かなりの間音沙汰なかったけれど、メンバーがまだ音を出している(2008年時点で)というのがわかっただけでも嬉しい。しかし「US.MAPLE」になにがあったのだろう…。Singerというバンドの音は、流石にUS.MAPLEの二人がいるだけあって、拡散と縮小を全方向に同時に繰り返すようなソリッドなフォームだけれど、そこに、Mapleのときには望めなかったメロディアスな面が備わっている。ときどきクラシックなハードロックのセッションがドロドロ崩れ出すような局面も聴けておもしろい。
Talker

Talker


US.MAPLEのアルバムつくりの風景をとらえた映像。

Retrospective

Retrospective

フィリップ・グラス・アンサンブルのアルバム。「回顧」とはいえ、2004年の演奏。アンサンブルのメンバーによる編曲によるところ大のようなだけれど、70年代〜80年代にかけて、「NYの音楽」だったころのグラス・ミュージックが、やっぱり好きだなあ、と改めて思わせてくれます。

She Herself Alone: The Art of the Toy Piano 2

She Herself Alone: The Art of the Toy Piano 2

トイ・ピアノで現代音楽を凛々しくドライヴさせるピアニスト、マーガレット・レン・タンの「トイ・ピアノの芸術」の2作目がとうとうリリース。ケージの「トイピアノのための組曲」でお約束のように始まりますが、今回のメインは、Eric Griswold、Toby Twining、Ross Bolleter、Laura Libenといった、あまりなじみのない作曲家たちの作品であるように思えます。とくにトイピアノ、オルゴール、プリペアド・ピアノ、自転車のベルなどが乱舞するEric Griswoldの作品「Old MacDonald's Yellow Submarine」はある意味カラフルで自由な空気が吹いている。うち捨てられたトイピアノとピアノで演奏されるRoss Bolleterの「Hymn to Ruin」の息も絶え絶えで、宿命的に不協和な音のつぶやきのなかからも、静かで硬質な祈りがたちあがってくる。タイトル曲を書いているLaura Libenは、Gamelan Sons of Lionのメンバーの様子。

1991+1987

1991+1987

なつかしいソロ2作がカップリング。僕にとっては、ボーナストラック扱いのビートルズナンバー2作「You've Got to Hide Your Love Away」そして「Nowhere Man」のヒヤリとした覚醒感は、ビートルズナンバーへの接し方を教えてくれた録音でした。