あんぷとみんぱくととーてむ。
IEを8にしてから、未だに「お気に入り」と「クイック・タブ」を押し間違える、みみのまばたきです。
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昨日はVOXのアンプを買いに梅田へ。
「DA5」というとてもコンパクトなサイズのデジタル・アンプです。
ギターなど持っていないにも関わらずアンプを購入したのは、極私的ジョン・ケージ『枝々(including 樹の子供)』録音のため、です。
これまで、EDIROLのR09で落ち葉のカサカサやら折れ枝のポキポキやらを、素材集めのために録音してきたのですが、ケージがいっている「小さな音の増幅」ということ、『樹の子供』においては発想の源になり、必須の「音」のひとつと指定されている「サボテンの棘を、爪楊枝で弾く音」が達成できないので、やっぱし「アンプリファイ」されて、「空気震わしている」音が要るよなあ。と、半年悩んだすえ購入しました(亀の匍匐のような進みゆきでは、あります)。
買って帰ってきて、すでに用意していたコンタクト・マイクを繋ぐと、音が出ない。「んん?」と色んなジャックにつないだりして、エフェクタのスイッチなんかをかちゃかちゃしていると急に凄い音がして度肝を抜かれる。ちょうどエフェクタが「フランジャー」になっていたので、手軽に変な音になって思わずにニンマリしてしまった。当然、こういうエフェクトは録音には使うべきではないけれど、コンタクト・マイクを空中で動かすだけで、結構なノイズを発生させることができると知る。これは楽しいおもちゃを手に入れてしまいました。
- 出版社/メーカー: VOX
- メディア: エレクトロニクス
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買ったのはこれ。みかん箱を半分に切ったようなかわいいサイズで、そのわりには音しっかり(と、思います。なにせ初めてアンプを買うもんで)。部屋のスペースの問題も当然あります。
ギターも買おうか、こうなったら(…イヤイヤ)。
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ケージ絡みでもうひとつ。
- 作者: 白石美雪
- 出版社/メーカー: 武蔵野美術大学出版局
- 発売日: 2009/10/01
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副題の「混沌ではなくアナーキー」が、本書の意図を正確に要約している。混沌とアナーキーのどちらに自分を置くかで、ジョン・ケージの音楽の聴こえ方はまるっきり違ってくる。これがわかるのに、どんだけの年月がかかったか(個人的に)。
本書が扱うのは、ケージの作曲の長い道のりのなかでも、ブラック・マウンテン大学、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ時代、チャンスオペレーションズ、図形楽譜、『4分33秒』(1952)や『ピアノとオーケストラのためのコンサート』(1958)などにしっかり焦点を合わせているので、残念ながら、後年の『樹の子供』(1975)や、晩年のライフワークとなった『ナンバー・ピース』については触れていないのですが、表層的な混沌のイメージでケージを腫れもの扱いするのではなくて、「音楽でなくてはならなかった」必然性を描きだしているところが、とても良書だと思う。「思想家」「発明家」としての側面ばかりが語られてきたジョン・ケージ受容は、やっぱり不幸だった。
自分が学生の頃には、手に入りやすい本は『小鳥たちのために』だけでした。『小鳥たちのために』はとても好きで今でもパラパラ読むと愉しいのだけれど、いまにして危険だと思うのは、ダニエル・シャルルという最良の知性相手であるといっても、「思想家」ケージと「音楽家」ケージが未分化な状態でのインタビュー集なので、音楽の輪郭をつかもうとしても当然素人ははぐらかされることが多い、ということ。そんな意味では、数年前にポール・グリフィスの『ジョン・ケージの音楽』が翻訳出版されたときにも感じましたが、本書は、そうはいっても注目すべき「音楽家」であるケージの音楽文法をちゃんと明らかにしようという世界的な動きに歩みを合わせているように思えて、頼もしい。
巻末資料の作品年譜も役に立つでしょう。
今年は、小沼純一氏によるちくま文庫『ジョン・ケージ著作選』も出たし、ケージ関連の出版は、ラッシュといえばラッシュですね。
蛇足めきますが、混沌とアナーキーの違いがわかんない向きにはこちらの本がいいのかも。
- 作者: H.D.ソロー,飯田実
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/11/17
- メディア: 文庫
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- 作者: デヴィッドグレーバー,高祖岩三郎
- 出版社/メーカー: 以文社
- 発売日: 2009/03/30
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- 作者: ノームチョムスキー,木下ちがや
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2009/01/30
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- 作者: デヴィッドグレーバー,高祖岩三郎
- 出版社/メーカー: 以文社
- 発売日: 2006/10/31
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- 作者: マルコスイボン・ル・ボ,Marcos et Yvon Le Bot,佐々木真一
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2005/04/01
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マルコス・ここは世界の片隅なのか―グローバリゼーションをめぐる対話
- 作者: イグナシオラモネ,Ignacio Ramonet,湯川順夫
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2002/09/01
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とはいえ、現状はかなり複雑微妙なものになっているようですが。
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http://www.diplo.jp/articles09/0910-2.html
- 作者: 廣瀬純,コレクティボシトゥアシオネス
- 出版社/メーカー: 月曜社
- 発売日: 2009/03/01
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- 作者: いとうせいこう
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/02/28
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今日は、秋冬用のスーツを買わなきゃいかんなあということと、万博公園の民族学博物館「みんぱく」で、カナダ先住民(最近は「ファースト・ネーションズ」と呼ぶのが普通らしい)の特別展『自然のこえ 命のかたち ― カナダ先住民の生みだす美』が開催されていること、職場近くのジュンク堂で知ったので、行っておこう、と。
久しぶりに来た万博公園は、樹々も少し色づいていていい感じ。あと2週間くらいですっかり秋色のシーズンになりそう。バザーもあり、バーベキューしている家族もあり。途中、いつもなら白鳥の足漕ぎボートが水面をプカプカ浮いている池が、水をすっかり抜かれていて、初めてみる池の底はがっちりとコンクリート造りだったので、当然と言えば当然なのでしたが、これは産まれて初めて観たなあ、と驚いていました。残念ながらデジカメを持っていくのを忘れたのですが。
特別展はカナダ先住民だけではなくて、1Fでは北米全域のファースト・ネーションズの工芸品を展示していた。
2Fにあがると、イヌイットの可愛く美しいリトグラフが多数並びつつ(エントリ右肩の半券のイラストがそのひとつ)、目当てのカナダ先住民のハイダ族、トリンギット族、クワキュウトル族など、ブリティッシュ・コロンビア地方の先住民の伝統文様の美術が並ぶ。
人類学者フランツ・ボアズがその生活と美術と神話の一体感に瞠目し、レヴィ=ストロースが『アスディワル武勲詩』でその神話構造を精緻に分析してみせたのが彼らであり、僕が大学生の頃は「北西海岸インディアン」と一括されていた。とてもわかりやすくいえば、「トーテム・ポール」を建立していたのが彼らです。
キャプテン・クックの航海以降、トーテム・ポールがどんどん高くなっていった、という「ポトラッチ」なお話は、個人的な大好きなもののひとつです。
動物文様として最高のレベルにまで洗練させた美術を、この地方の人々は持っている。それも、わずか数種類の形態要素を組み合わせ、動物の身体を「分割表現」という造形論理に沿って展開しながら(文字通り「開く」のである。これは狩猟漁獲生活のなかで、培われた動物へのアナトミカルな視点がベースになっているのでしょう)、「ずらし」、「はめ込み」、ジャクスタポジションなど、これでもかとアレンジメントを繰り返して、空間を文様の論理で埋め尽くしていく。いや、空間が、支持体が、文様に合わせてその輪郭を変えてしまうまでやる。トーテム・ポールやトライブ・ハウスだけじゃなく、木箱、毛布、衣服、船、棍棒、釣針、スプーン…生活の隅々にまで、文様動物たちが潜り込んでいた様子が、写真などでも良く伝わってくる。
たとえば、彼らのワタリガラスの仮面には、アンバランスなほどに長大なクチバシがついているけれど、仮面についた紐を、仮面の装着者がひっぱると、嘴は左右と下にバックリと割れて、中に人間の顔を象った仮面が姿を現す。これは、彼らの神話では、あらゆる動物たちが、ふだんは動物の姿をしているが、家に帰ると本体である毛皮や羽毛を脱いで人間が姿を現す、という二重になった「動物人格」の表現になっている。
結構ハードなロック系の人が、この伝統的な文様で猛禽類を象ったタトゥーをしているのを時々眼にする。優雅かつ「魔除け」な感じもあるので気持ちはよくわかる。
大学生のとき、大学の図書館で手にしたビル・ホルム(Bill Holm)の『Northwest Coast Indian Art』という本はとても美しかった。http://www.washington.edu/burkemuseum/bhc/billholm.html
Northwest Coast Indian Art: An Analysis of Form (Thomas Burke Memorial Washington State M)
- 作者: Bill Holm
- 出版社/メーカー: Univ of Washington Pr
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それでも最近は、西洋美術的なタブローの間隔が沁み込んできているようで、平面を独特な「文様空間」と捉えるのではなくて、平坦な「絵画空間」としてとらえている、つまり、絵語り的な要素が見てとれるものも増えてきているようだった。しかし、これは単に個人的な好みだけれども、文様は文様であるさまが美しい。
中で一点のリトグラフが目を引いた。現代的なアレンジはまったくなくて、伝統的な文様をそのままに忠実に象っている。それでも、その文様は、図と地の絶え間ないせめぎ合いのなかで、蠱惑的な震えがあるよう思えた。
リトグラフの作者は、ビル・リード(Bill Reid)。白人の父とハイダ族の母との間に生まれたビル・リードは有名な彫刻家だった。うなりながら、帰ることにした。
また拝みに来ます。
12月まで、やってます。
- アーティスト: Daniel Lanois
- 出版社/メーカー: Red Floor Records
- 発売日: 2008/11/18
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スーツの方は、桃山台から歩いてAOKIまで行って、店員のお姉さんが、しろどもどろで必死にお勧めしてくれるのに苦笑しながら、2着購入。今年はウールなのか。暖かそうだから、いいな。
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- アーティスト: Temper Trap
- 出版社/メーカー: Glassnote
- 発売日: 2009/10/13
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一曲目が好き。
Vo.のルックスは、YouTube見る限り、進化してますからご安心を(そういう問題ではないか)。
アルバム最後の「ドラムソング」っていう曲が、僕には、ジョン・フェイヒーや元CANのダモ鈴木とも一緒にアルバムをつくったことがあるアメリカのポストロック・バンド、「カル・デ・サック」のように聴こえてしょうがない。
Fleet Foxesもそうなんですが、あいかわらずロックはロックなんだとしても、自分たちのやっている音楽が、なによりも先ず、とても好きなんだというのが伝わってくるバンドって、いいなあと思う(浅い感想ですけれども)。
キース・リチャーズは、彼らを聴いても「ロックはいいが、ロールはどうした?」って言うだろか?
- アーティスト: Cul De Sac
- 出版社/メーカー: Strange Attractors
- 発売日: 2006/10/24
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"There's a group called Cul de Sac -- very ambient, very cool." -- LOU REED