1981年2月の「ミュージックマガジン」:1981年の新譜に感慨…。
先のエントリーで最新作『マナフォン』を挙げてみたデヴィッド・シルヴィアンが表紙の「ミュージック・マガジン」1981年2月号です。
このころのJAPANは、アイドル・グループから脱却して、音楽的にもおもしろい存在になりかけ、といった感じの様子。
この号は、今もマガジン恒例の先年のベストアルバム企画をやっています。
PASSレコードを立ち上げたばかりの後藤美孝氏や今野雄二氏、鈴木慶一、竹田賢一氏など。
複数の選者がビーフハートの『美は乱調にあり』(Doc at Rador Staion)を挙げています(大好きなアルバムにつき、うれしい)。
大鷹俊一氏(もちろんフリクションの『軋轢』をベストに挙げている)は80年代の「ポップ」の仕掛け人として、デニス・ボーヴェル、マーティン・ハネット、そしてメイヨ・トンプソンの名前を挙げていて、メイヨ・トンプソンが90年代にも「ポップ」の仕掛け人になったことを思うと、もはや感無量。
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先年である1980年には、5月にジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスが首つり自殺、12月にはジョン・レノンが射殺されている(両者の死をともに言及しているのは大鷹氏のみ)。
特集には「ジョンとヨーコの国際電話トーク」という1980年12月5日にされたという(射殺は12月8日)湯川れい子氏による生前最後のインタビュー記事が掲載されています。
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おもしろいのは、劇作家の斎藤憐氏による「矢代亜紀の言葉の風景」という記事。
矢代演歌を乱暴に規定するなら、長い抑制とその後にくるアナーキズムだ。情景のきびしさを、抑制された者の優しさでポツリポツリ歌いながら、最後にこらえきれないように絶唱するとき、人々は自分の体内にたまった名づけようのない澱のようなものが、コトリと落ちて、とてもよくなるのだ。
もうひとつ。ヴァン・モリソンとキャプテン・ビーフハートの双方の新作について言及したグリール・マーカスの記事が、個人的に特筆もので、この文章自体を僕はマーカスの日本で出版された唯一の本「ロックの新しい波」asin:4794951868で、たぶん、87年かそれくらいに読んでいたと思います。
モリソンとヴァン・ヴリートの両者を「急進的な個人主義者であり作品は自由に関するものだ。自由をどうやって手にいれ、それをどう処理し、そう維持していくかをうたっている。そして二人ともその問題について、15年前に取り組んでいたときと同じようにこれからさらに15年取り組んでいくと予想できる」としながらも、モリソンの「コモン・ワン」については「何も言うことがないのにそれを伝えることに限りない関心をもっている」とし、ヴァン・ヴリートとマジック・バンドの「美は乱調にあり」については、「キャプテン・ビーフハートは、怒号を様式あるものに転じさせなければならないと思った信奉者たちが略奪した教科書であったのだ」、そして、「最高の出来のときにはいつもそうだが、ヴリートは自分のバンドをひとつの楽器のように演奏し、あらゆる瞬間が考え抜いてあり、あらゆる悪夢が十分に分析されている」とまで書いている。
ビーフハートのロック界での位置を、画家アンリ・ルソーになぞらえてみせるマーカスの慧眼。
「最高の出来のときにはいつもそうだが、ヴリートは自分のバンドをひとつの楽器のように演奏」というくだりは、その後ビーフハートや、USメイプルの音楽を聴くときの自分の指標、でした。
同じ号のアルバムレビューには、U2のファースト『ボーイ』(ライターは鈴木慶一氏で、そのコメントは、バンドのU2よりもプロデュースのスティーヴ・リリーホワイトへの危惧に終始している)、ザ・ポップ・グループの『For How Much Longer Do We Torelate Mass Murder?』、クラッシュの『サンディニスタ!』、PILの悪名高い『パリ・ライヴ』、ヤング・マーブル・ジャイアンツの『コロッサル・ユース』、ペル・ユビュの『アート・オブ・ウォーキング』、キャバレット・ヴォルテールの『ヴォイス・オブ・アメリカ』、キリング・ジョークのファースト、エコー&バニーメンの『クロコダイルズ』…などが。個人的に洋楽なるものを聴き始めるのはもっと後のことなので、ここにはその前史が載っているようなもので、このあたりの作品は、自分にとっては、すべて「伝説」のアルバムだったということを想うと…感慨はあたりまえに、深いです。
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昨日は、9時に起きてドーナツ一つを口に放り込んだ後、瀧道へ。
いつものコースではなくて、今日は途中からトンネルを抜けて、池田んお五月山方面へ抜けることに。
天上ケ岳へ抜けるゆるやかなコースで、尾根道に出たあとは、ひたすら降り、ドライブウェイに出ると、もうそこは池田市だった。
ここからが問題で、箕面と池田のカントリークラブの横を通って行くという、長い間アスファルトの道が続くのであって、ちょっと興醒めではあるのでした。帰りは阪急線にのって楽々帰箕。