あさのねこ:CDの整理:『ハイ・フィデリティ』
朝寒くなってきました。
携帯のカメラで撮影したんですが、変なノイズが入ってしまってます。
最近、調子が悪いみたいで、メール添付で送る際どうもこうなってしまうようで。
昨夜は、突発的に所有CDの整理をはじめてしまい、とうぜんすぐに回想・確認モードに入り込み夜の2時くらいまでやってしまう。
なので、非常に眠い箕面駅までのいつもの朝の道で、冷たい空気の中猫のふわふわした質感が目にとまってしまって撮影。完璧に警戒されてますね。ピントもボケボケですね。
ニック・ホーンビィ の小説で『ハイ・フィデリティ』というのがあって、映画にもなった音楽オタク小説なんですが、マイナーなレコード店主でもある主人公が煮詰まるといつも所有レコードの整理をやりだす・・・というのを店員と話題にする場面があって、店主は失恋の痛手から恢復するための一種の自己治療作業として整理を始めたという前振りがあるんですが、オタクな店員にとってはレコードコレクションの方が気になるので「整理手伝おうか?」と言って店主をうんざりさせる描写がある。何気ないやり取りなんですが、音楽オタクの生態を上手いことついているようで好きな場面でした。といって、別に自分にそういうことがあったわけではありませんが。
ただ、整理中は割りと考えが進むのは確かです。
レコードというものは(CDでも)、音楽の「記録(レコード)」というだけでなくて、それを購入した頃の「記憶」も思い出させてくれるもので、中にはまったく通り過ぎて関心の無くなってしまったものもあるけれど、それもそれで自分の変わりようを確認する意味でも定期的に聴き直したりします。
不思議なもので、以前は聴いても何の感銘も受けなかったものに新しい角度で接することはできるようになる、すると、以前まで聴いていて自分の体温までついているような気でいたものとの間に微妙な距離感が出来ている。
お金の無い時代(今も無いですが)無理してジャケ買いしたりして大はずれしてしまったときでも無理して好きになる技術というものを知らず知らずに開発していた。そういう過程を経て好きになったものへの思い入れなんかもあるので、現在のようなに購入する前に色々視聴できてしまうし欲しい曲だけダウンロード出来てしまうという環境にまったく付いていけていないのだろうなあ、と昨夜はふと思いました。

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そして、小ネタで個人宅に買い付けに赴いた主人公がピストルズの『ゴッド・セイブ・ザ・クイーン』などの超プレミアシングル盤などが含まれたレコード屋垂涎のコレクション(別れた旦那の所有物)をただ同然の価格で引き取ってくれといわれて、逆にもう少し高く買い取らせてくれと「値上げ交渉」を申し出て(あまり暴利をむさぼってはならないという中古買取のルール?)断られてしまうシーンが、上映バージョンであっさりと削られていること(未収録シーンには入っている)、など原作のマニアックさが醸すウィットが好きな人間としては納得できない部分多々あり。
時間の制約からか、すでに若くもない恋愛ドラマの成立させるためのシークエンスの割合が増えてしまっていてなんとも薄い出来に。逆なのだ。こういう作品は、原作に溢れるポップミュージックマニアのディテールを追求したほうが、映画としては強度が出たはずだ
ただジャック・ブラックだけが小説のキャラクターのイメージそのままで、それは観る価値あり(なんか偉そうですいませんでした)。
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