みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ウォーク・オン・ザ・「マイルド」・サイド:レインボーヒル2007@緑地公園

nomrakenta2007-09-30


個人的な白眉は「ふちがみとふなと」のルー・リードのカバー『Walk On The Wild Side』でした。
このフェス、初めて来て吃驚したんですが、客層がかなり(僕と比べて)若い。この人たちにとって初めて観る「ふちふな」はかなりアダルトな味わいだったのではないかと想像しますが、最期のこの曲のメインフレーズのリフレイン、凄かった。ライブで聴くのは初めて。
原曲とは歌いまわしもテンポもかなり「ふちふな」風にアレンジしてあるわけですが、これは基本的にファーストアルバム『日曜日にひとりで出かけた』のものと変化ないと思えた。ということはファーストですでに「ふちふな」という音楽へのスタイルが完成していたことを意味するのかとも思う。
思えば、ルー・リードが数十年前のグラミー賞で、この名曲を客席横の出入り口をステージに演奏したとき、洋楽とはマイケル・ジャクソンのことだと思っていた私には、「変な曲」としか聴こえなかったのですが、その後10数年今に至るまで極めてしょうがないなあという顔をされながらカラオケで歌う続ける羽目になっていることは数少ない友人ならご存知のことです(いつもご迷惑をおかけしています)。「ワイルドサイドを歩け」と愛唱しながら、自分の人生「マイルドサイド」をひたすら目指して歩いてきたようにも感じますが。
原曲を今聴くと「ワイルドサイドを歩け」という歌詞、やや自嘲気味、感傷混じりのロマンティシズムを感じますが、歌い継がれることで純化しているとも思う。「マイルド」でもいいのだ、と。そんな思い入れがちょっとあるだけでも、今回は得したなあと感じさせてくれる渕上さんの歌でした。

さて、フェス全体ですが、もう友人と「ダラダラ」すると決めておりまして、酒類・つまみ類を大量に持ち込んでの臨戦態勢でありました。
今年は緑地公園の野外音楽堂は2回目だったですが、『春一番』の最終日は終日雨。この日も昼12時から開演でしたが、やはり雨。
祟られているのだろうか・・・と思いましたが、春の教訓からレインコートを導入これがかなり着心地良かったですし、雨も一時過ぎには無事あがり、結果的にいいイベントで満喫しました。
レインボーヒルは、毎年梅田のライブハウス『ムジカ・ジャポニカ』が主催しておられるイベントで、私は今回始めて。
春一番』で夕凪の方が案内されてたのと、今年は「ふちがみとふなと」が出るということをムジカジャポニカのHPで知って、今年は行ってみようかと。
手作り感覚が感じられるのと、本当に良い音楽の「場」を作りたいのだという意気込みが感じられました(と書くと非常にベタですが本当です)。願わくばもう少し客層が上気味になってくれるとさらに居心地いいのかな・・・と。会場には小さな子供を連れた家族も来てたことだし。

①ははの気まぐれ
オーソドックスないいバンド、と僕には聴こえた。バンド名の由来が気になって仕様がありません。

ベベチオ
ギターベースの二人組。

③JR
ジョンソン&R・・・(なにか)の二人組。
ギター風のキーボードでモンドな演奏でした。

ふちがみとふなと
目当ての「ふちふな」はレインボーヒル初お目見えとのこと。
僕の周りでは「あれ誰?」という人が多かったですが、名曲『白クマさん大迷惑』のアクションが入りだすと盛り上がりました。


⑤夕凪
はじめ「ふちふな」が参加してインプロヴィゼーションっぽい演奏をしていましたが、それがスペーシーで最高でした。夕凪の演奏もダイナミックで、中盤を支えていました。乱れ飛ぶしゃぼん玉がサイケデリックだったので、なんとか写真にとれないかと思ったのですが、写真となると難しい・・・。


曽我部恵一
Eギター一本で1000人の観客を沸かす曽我部氏。すごい。
サニーデイサービスをあまり聴いてこなかったので、もっとファンなら盛り上がれただろうな〜と。

ビューティフルハミングバード
ヴォーカルとアコースティック・ギターのデュオ。
澄み切った声がほんとに気持ち良い。

bonobos
ボノボス初体験。あまりの気持ち良さに数分寝る・・・。

ハンバートハンバート
春一番』はバンド編成で観ましたが、今回は佐野遊穂さんと良成さんのお二人。常態がこれなのを知らないだけかもしれませんが。
2曲目くらいにやった「ごくつぶし」の歌が滲みたなあ・・・。この人達が歌う歌詞がまた好きです。

良い音楽としゃぼん玉と焼酎に、果てしなく気持ちよく酔っ払かった日曜日でした。

トランスフォーマー+2

トランスフォーマー+2

ルー・リードは以前「俺が死んだって、ラジオで「ワイルドサイドを歩け」がかかるだけだ、うんざりだぜ」と毒づいたことがありますが、ここまで「名曲」とされてしまうと、すでに公共財ですので、相応の負担或いは我慢はしていただかなければならないかと。
道はつづく

道はつづく