みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

11th(&The Last)フェスティバル・ビヨンド・イノセンスその3@新世界BRIDGE

nomrakenta2007-07-21


最後のFBI3日目。会場一時間前に着いたのにもう20人くらい列ができていた。19日にもみかけた顔がやっぱり多い。

①opening live --- チョモランマ / neco眠る
観客を出迎えたのはチョモランマ(Dr+シンセ(サンプラー?))のスペースロック。しかし、こういうのはボアダムズ以降ある種の典型なのかなあ?
neco眠る」(Kb+Dr+Gtr+Bass)の演奏は、ストレートなバンドサウンドでしたが、いきなりひとつのピークでした。客の反応もいきなり凄かった。
②かきつばた
「popo」のトランペッター+Dr+Gtr+Bass。
③小島剛&村上ゴンゾ
BOGULTA
「BRIDGEの壁が白く綺麗なのは、俺がペンキ屋でバイトしてたからや〜」「ナミダは夜までとっとけよ〜」などMCがおよそFBIっぽくなくて良かった。
④にかスープさやソース
二日目を見逃していたのでよかった。二階堂和美さんとテニスコーツのVoさやさんのユニット。メレディス・モンクみたいなヴォイスワーク。無条件に好きな世界だなあ・・・。個人的には「さかな」のワールドランゲージとつながっている感じがあった。

イピヤー

イピヤー

⑤STYLE(井上智士、塩入基弘)&不破大輔
⑥XEXI-(山本精一、楯川陽二郎、元山ツトム)
吉田達也(Dr)&千野秀一(P)
ゴツゴツとしたサーフェイスの強靭なインプロ合戦。

次第に会場が一杯になりだして、前の桟敷は詰め詰め、後ろの立ち見も凄いことに。あとで知りましたが、400人くらい入っていて当日券も売り切れたらしい。通し券買っておいてよかった。
BRIDGEの底が抜けそうな恐怖を一瞬だけ味わいました。

⑩大谷安広(GrとLaptop)&KK.NULL(MicroKorgとノイズ)
堂々とした「電子雑音」で、ノイズなりのリリカルさもあった。初共演かつ初顔合わせのお二人とのことでしたが、音は十分噛みあっていた。でも王道な「ノイズ」(バスタード・ノイズかと思った)なので、どちらかというと若い人には受けていないようにも見えた。

巻上公一OORUTAICHI&Samm Bennett
この三人に共通するユーモラスな「軽み」が、つかずはなれずで展開された。ユーモラスと簡単にいっても、巻上公一氏のヴォーカリゼーションはわかりやすい≒ある意味戯画的な部分のあるものだけれど、OORUTAICHIさんのそれはほんとに他にない個性かと。本人はいたってまじめにやっているように思えるが何か「見えて」るんじゃないかと思うような神がかりな素振りで、それがまた自然。巻上公一とSamm Bennettという重鎮クラスに挟まれても、逆に風穴をあけるような存在感がありました。こちらがHPのようです。Samm Bennettはなにをやっても堂々としており、観ていて安心。
野村誠外山明
野村誠さんを実は初めて観ました。こちらも初顔合わせとのことで、共通言語の探りあいというのか、椅子の上に立って鍵盤を足で押さえはじめたり、ドラムにちょっかいを出しにいったりと、次第に野村誠さんが「音楽以外」のところに踏み出していくのが、おもしろかったり、ハラハラしたり。外山明さんの演奏の終わらせ方がおもしろかった。
⑬アキビンオオケストラ
観客の桟敷を囲むようにしての空き瓶の「演奏」。空き瓶によるオーケストレーションというより、空き瓶による連祷(リタニー)でした。
アルタードステイツ(内橋和久、ナスノミツル芳垣安洋
灰野敬二&半野田拓&ZAK
楽しみにしていたデゥオ。半野田拓さんは最初シンバルを叩いて灰野氏に対応。
⑯梅田哲也
カフェスペース前でのサウンドパフォーマンス。去年は扇風機で風船を浮かすもので格好よかった。今回は桟敷にいたのでよくみえませんでしたが、数本の丈の高い鉄缶のようなものにドライアイス?のようなものを入れて位置を移動させることで?通奏低音を出していた。同じようなしくみ?の笛のようなものも使っていました。
⑰sim(大島輝之大谷能生、植村昌弘)
ディスヒートみたいな硬質な感覚。
⑱どらビデオ&Won Jiksoo
先のSIMの硬質な感じを突き崩すかのような「どらビデオ」初体験。ヴィネツィア・ヴィエンナーレ帰りとのこと。
高橋悠治(P)&今井和雄(Gtr)&天鼓(Voice)
今井和雄さんはこすったり叩いたり様々な方法でギターを演奏していた。デレク・ベイリーの即興などよりはもっとリニアな流れに沿った演奏だったのだけれど、十分「気配」的だった。
⑳Carl Stone ソロ
名盤「MOM's」を彷彿とさせるパフォーマンスでした。この日で最も感銘をうけた演奏でした。当然LAPTOP。
はじめ、男声と女声での東南アジアの民謡?のような歌唱の未加工の音素材かわるがわるワンフレーズずつ流されて、その二つがまた交互に反復して流れていくという簡単な漸進構造なのですが、一回ずつ個々のフレーズは加工されていき、次第に民俗歌謡のようなものから、グレゴリオ聖歌のように微妙で荘厳な響きになっていく。この二つのトーンの間の、いわば、モーフィング過程を聴くという形ですが、これがほんとにあの「Mom’s」で、矢野顕子の歌のフレーズを素材に作り上げたあの奇跡のような音楽に極めて近いものだったのです。
手にとれるような素朴なコンセプトが、まるで変形していく音が目に見えるような錯覚を呼び起こしてくれました。感動。

Mom's

Mom's

ending;山本精一&内橋和久
ステージではやらずに、両氏がエレベータ内でギター演奏。会場をあとにする客をお見送りしておられた!なんという至りつくせり・・・結構しんどそうにしておられたので、なんか申し訳ない。そりゃそうだろうな。

10時間桟敷にあぐらかいたりして座っていたら、足が非常に痛くなった。身体が軋んでいた。10時過ぎには終了していたんですが、明日は会場が一時間早いということで、難波のカプセルホテルに泊まって楽をすることに。