雪がふるふる:SECLUSION『YUKIGAFURU』
今日は眠気がなくなるまで寝てやると思ったら10時に起きてしまいました。
窓の外をみると、雪が降っている。この冬箕面では初雪ではないか。
隣家の屋根瓦が真っ白に。
雪が降る時間というのは、いつもとは確実に別の時間の流れになっているような気がします。雪が積もってしまったら色んな生活音がミュートされるので当然な気もしますが、積もる前の時間もそうです。
雪の情景に幻想性を感じるのはきっと万国共通なのでしょう。
掌の上で融けてしまう結晶が、一体どの時点で一面銀世界になるのかいつも不思議でなりません。などとのんきな事をいうと雪国の方に怒られそうではありますが、例えばこういう感覚をまざまざと再生してくれる音楽はというと、ありそうでなかなかないような気がしていました。最近この作品に出会うまでは。
SECLUSION『YUKIGAFURU』SOME FINE LEGACY SFL-001
SECLUISONは、Jack or Jive http://www.jackorjive.com/ というユニットのCHAKOとmakoto hattori(光文社新書『アウトサイダー・アート』の著者・服部正氏の実兄とのこと)が、1992年に、ドイツを訪問した際、クリストフ・ヒーマン(Christoph Heemann:H.N.A.Sのメンバー、現Mirrorドローン系音楽の重鎮)と出会い結成されたバンドで、帰国直前に録音したセッションがこの「雪が降る」となったようです。トータル30分で「YUKIGAFURU」1〜4の全4パートのドローン即興演奏をまとめたものになっています。
- 作者: 服部正
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2003/09/17
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (54件) を見る
電子音らしきドローンが、聴く者の頭の中に情景を描くための領野を、じんわりと押し広げていき、次にキラキラとした音が、雪の結晶のようにちらほらと聴こえてくると、まさしく雪の降り始めから、しんしんと降り積もっていく夜の情景を、ゆったりとしながら早送りで観ているような気分になります。
Chakoさんの声が絡んでくるとこの幻想的な情景も総仕上げとなり、別の時間が別の空間にチルアウトしていくようです。
「まさしく、これだ」と思いました。
たとえば、ブライアン・イーノの「Music For Airport」のあの感じをそのまま雪国に移し変えることができたような、音響アンビエントのじんわりとくる良作です。