みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

昔はよくわかんなかった:Carla Bley『Live!』,『I Hate to Sing』

や、今だってそんな詳しくはないんですが・・・.
ジャズにフリーキーさしか求めていなかった10年ほど前に名盤とされていた「Escalator Over the Hill」asin:B0000241DGだか大仰な音楽という感じがして、この歌舞伎かライオンのような壮絶なヘアースタイルのカーラ・ブレイが素晴らしい表情で座り込んだジャケットの本盤も手に取ることがなかった。そのつかみどころのなさに投入されている演奏のテンションが、耳に入ってこなかった。自分で自分の脳をマスキングしてしまうとはおそろしい。1981年8月のサンフランシスコ、グレートアメリカンミュージックホールでの熱狂的なライブ。密度とスピード感がある知的なアンサンブルにはキレがあります。加えて、インナーのメンバー写真のように、パンクバンドのような稚気があるからなんとも優雅。
その意味ではこちらも代表作。1984年当時のミュージックマガジンのバックナンバーを古本屋でめくっていたら、中村とうよう氏が大絶賛していた。

I Hate to Sing

I Hate to Sing

メンバーも『Live!』とほぼ同じ。しかも4曲目までは同じグレートアメリカンミュージックホールでのライブ。今度は「歌うなんて大嫌い」というタイトルに相応しく(?)のっけからカーラ・ブレイとバンドによるローファイな歌の掛け合いで人を喰ったような「三文オペラ」みたいな曲かと思ったらいきなりファンクし始めたり・・・。
笑いをとるといっても超インテリで技巧派による毒はかくせない感じかと。「三文オペラ」と書いてみて、ブレヒト+クルト・ワイルの線で聴けば、かなり楽しいことに思い当たった(いまさら)。