みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ディープインパクト3位・・・:ニールヤングと狂馬 『Live Rust』

・・・まあ、名曲ばかりなわけですよ。
当時読んでいた漫画『迷走王ボーダー』に、あの『Like a Hurricane』をトリオで演奏する場面があって、気になって堪らず、収録されてるアルバムがこれしかなくてのチョイスでしたが、まったくの大当たりでした。
グランジのバンドが自分達のルーツの一つとして、ニール・ヤングをメインストリームにカムバックさせる(語弊有りな点は承知しています)前、88年〜90年くらいの話。
アコギ一本もいいですし、クレイジー・ホースとの演奏も、小癪な小技なしなれど細部への神通力が行き届き呼吸もどんぴしゃでダイナミック。これ聴いてロックが嫌いになることはないんじゃないかとも思わせる、誠実さが漲る「歌」とロケンロルへの熱い欲望が見事に共存し、腑に落ちる名ライブ。
「ヘイ・ヘイ、マイ・マイ ロックンロールは決して死なない。青から黒へ」(『Hey Hey, My My (Into the Black) 』)
その通りだよ、でもニールが死んだらロックも死ぬかもね。
あと、クレイジーホースのメンバーが自分達のフィルム(『イヤー・オブ・ホース』)を作っているジム・ジャームッシュに向かって「どうせスノッブなアートフィルムでもつくるんだろう。俺らの数十年の音楽人生がおめえに撮れるか」(うろおぼえ)と啖呵切ってらっしゃったのも印象深い。
錆付くよりは燃え尽き続けてなお、転がり続けるタフな荒馬たち。
カート・コバーンダイナソーのJが信じたロックは、ストーンズでもビートルズでもセックス・ピストルズでもなく、ニール・ヤングとクレイジーホースだった。

Bridge: Tribute Neil Young

Bridge: Tribute Neil Young

当時の豪華面子による名トリビュート。とはいえ好き勝手な解釈し放題なので、ニール・ヤングの熱心なファンには煙たいかもしれない。ソニック・ユースがノイズまみれで疾走する『コンピュータ・エイジ』のカヴァーがかっこよすぎて、他が霞んだ。