ブラックダリアの真実 読了
以下ネタバレ注意
結局のところ、著者の父親であるドクターホデルが遺したアルバムの写真がことエリザベス・ショート(a.k.a.ブラック・ダリア)であるかどうかは藪の中なのではないかと思う。J.エルロイも本書の結論に概ね賛同のようですが、この写真に関してだけは否定的であるように、個人的には違う人物である可能性は消えないように思えます(他のダリアの写真では特徴的な上向きの鼻あたりがどうも違う気がする)。むしろ決め手は著作発表後に収録された補遺に次々出てくるドクターホデルの盗聴記録の内容などであって、証言の数々もかなりの説得力があるように感じました。大体二つの事件で容疑者として名前が挙がっていた時点で怪しいのだが、この事実が、LAPD上層部による証拠隠滅で闇に葬られていた、というのも本書が逆に証明してしまった重要な点なのは言うまでもない。
著者の信念(あるいは執念)がびりびりと伝わってくる渾身のノンフィクションであるにしても、後味は非常に悪いお話でした(・・・読むなよ)。
口直しにこれ↓を読もうかと(ブックオフで105円)。
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1980/10/28
- メディア: 文庫
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