みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

 ふちがみとふなと at The ROCK食堂(阿倍野)

nomrakenta2006-08-19



2000年に吉祥寺のマンダラ2で(当時目黒に住んでた)、「さかな」の対バンで「ビジリバ」を観て以来、京都ベースのバンドだというのに、先日の京都磔磔でのさかなのライブで5年強ぶりに歌う渕上さんをみた。で、その時もらったチラシに「ふちふな」のライブ予定がぎっしりと。行けそうなのがこの「ロック食堂」でのライブで、なんとなく「ふちふな」を観るにはピッタリな雰囲気のように思えたし、コントラバスの生音が聴きたくてしょうがなかったので。

その予想と期待は裏切られませんでした。

「ふちふな」自身、ロック食堂ははじめて、との事ですが、そんなこと思いもよらないほど、まるで店内から生えてきたキノコでもあるかのように「ふちふな」と「ロック食堂」の雰囲気にマッチし互いに溶け込んでいました。

ロック名盤のレコードジャケットの数々や昭和の香りのするおもちゃ群所狭しと。ビデオにはブライアン・セッツァー→キッスのライブ映像がいかにもな感じで相当居心地の良いバー風店内に、20人超のお客が入るともう一杯一杯で、その狭い客席側のスペースに、時間になると「ふちがみとふなと」のおふたり:渕上純子さん(Vo、ピアニカ、ペット型カズー(壊れかけ))と船戸博史さん(コントラバス)さんが店の外から入ってこられて、挨拶もそこそこに、ピアニカが、誰もが皆一度は聴いたことのあるような夕陽の色したメロディーを奏で、同時にコントラバスがボツボツ歩きを始めると「ヘヴン」が始まりました。
傑作「ハッピーセット」に収録されている「ヘヴン」は、「ちびまる子ちゃん」から無駄な幼稚さを抜いたような渋みのある郷愁(・・・ハア?)が切ない名曲で、個人的には「テ○ーの唄」よりこっちが泣ける。・・・上手くいえないが、NHKみんなのうた」で思いかけず涙が出そうな曲に出会ったことってないです?そんな感じなんです。


その後の曲は「オー、シャンゼリゼ」、「ハッピーセット」から「はじめまして」(「仙台支社の山根さん」のところで笑ってしまう)、「坂をのぼる」*1、「トラック野郎ジョン」(セクハラトラッカーinケニヤ)など何曲か(、多分。BIKKEさんの「アットホーム」の演奏も)あったと思います。
「ふちふな」のオリジナル曲は、ユーモラスな曲以外は総じて地味と言えるけれども、涙が溢れる一歩手前の感情をうまく浚ってくれる名曲揃いなのは、もっと認知されるべきだし、今機会があれば絶対ライブを観るべきバンドだと本当に思う(ふちがみとふなとのHPでライブスケジュールをチェック)。そして一刻もはやい「みんなのうた」での起用を(しつこい)!
「風呂敷仮面」(新曲)「Go Go マングース」といった曲ではしっかりと客席笑いも起こり、店内の雰囲気とも馴染み余裕がでてきました。お酒もおいしい。
後半のセットでの、ダニエル・ジョンストンのカバー「うたうひと(原曲story of an Artist)」は感動でした。
最後は洋楽カバー2曲ルー・リード「Walk on the Wild Side」、ディープパープル「Smoke on the Water」で終了。
特にルー・リードは客席曲知ってる人が殆どらしく、いい感じ。後者ではイントロで当然爆笑が。
帰りに物販CD「ふちがみとふなと」、「バブの店先」、船戸さんのソロ「LOW FISH」(コンポジションとインプロのまったりとした混ざり具合が、低音好きに最適な好盤)を購入。サイン頂きました(ただの音楽オタク)。


親しげなお客さんの雰囲気も含めてアットホーム、親密な雰囲気にこちらも気持ちよくすごせた時間でした。また行こうっと。

*1:渕上さんは北摂育ちとのこと。その頃の風景を描いたというこの曲の情景は、同じく箕面育ちの僕の胸に迫ります。「もう誰も山とは呼ばない景色」の辺りとか。